プラトン『パルメニデス』第2部を読む⑰

 

 

 

Ⅱ 前提 一について〈ある〉が肯定されるならば、

  結論 一は~でもあるし、~でもある。

※Ⅱから結論部分が否定から肯定になりました

 

 ⑧の否定 「一」は「時」を分有するのだろうか? 「一」は「自分自身」に対しても、「自分以外」に対しても、年長でもあり、年下でもあるのだろうか? 年下になりゆくとともに、年長になりゆくだろうか?

 「一」が「ある」とは、「今」とともに「有(あるところの)」を分有しているということである。「あった」は、「過去」とともに「有」を分有し、「あるだろう」は、「未来」とともに「有」を分有することだ。つまり、「一」は、時の進行を分有している。「一」は、時に沿って前進してい(年齢を重ねる)ので、「自分」は、今の「自分自身」より「年長」になっていく。一方、割合について考えるなら、自分が「年下になっていく」と言うことができる。

 ここで年長で「ある」というのは、「あった」から「あるだろう」へと推移していく過程において、「今」という時間の上にあることを表している。つまり、「今」の上に「停止」しているときである。一方、年長に「なりつつある」というのは、「今」から「今後」へと手を伸ばそうとしている状態である。「なりつつある」の「ある」を通して、「今」を分有しているのだが、前進しているので、「今」によってとらえることはできない。そんな「今」と「今後」の接触する状態のことである。したがって、「なりつつある」状態に対して、「ある」状態は「年下」であると言える。