プラトン『パルメニデス』第2部を読む⑪

 

 

 

Ⅱ 前提 一について〈ある〉が肯定されるならば、

  結論 一は~でもあるし、~でもある。

※Ⅱから結論部分が否定から肯定になりました

 

⑤の否定(続き) Ⅱ「全体」は「部分」のうちにはない。「部分のうちにある」とは、(1)「部分の全体」のうちにあるか、(2)「部分のどれか」のうちにあるか、どちらかである。(1)の場合、まず、「部分どれかひとつ」のうちに「全体」を内在させたうえで、さらに、「全部分」に「全体」を内在させる必要がある。しかし、(2)の場合からわかるように、「全体」が「若干部分」の内にあるには、多が少の内にあることが不可欠なため、実際は不可能である。したがって、「全体」は(1)(2)ではなく、「部分」ではない何か他のもののうちにある(A)か、どこにもないか(B)のどちらかということになる。(B)の場合、「全体」として「ある」ことはできないので不適である。したがって、「全体」は、「部分」ではない、何か他のものの内にあると言える。

⑥の否定 「一」は動いてもいるし、止まってもいる。「一」が自分自身のうちにあるなら、「同じもののうちにある=とどまっている=止まったままである」と言える。一方、異なったところにあるなら、「いかなるときにも同じところにない=動いている」と言える。

⑦の否定 「一」は、自分自身と同じであるとともに、自分自身と異なっており、自分以外のものと同じであり、自分以外のものと異なっている。(つづく)

 

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