今から10年以上前のことである。
歯が痛む。と思い歯医者へ行く。
だが、「虫歯は治したから、痛むのは、虫歯が原因ではない。」
と言われる。
ヤブ医者かと思って、他の歯医者に見てもらうと同じことを
言われる。
「知覚過敏がひどいのかも?とか脳に異常があるのかも?」
とか言われた。

 瀬戸市にある病院の脳外科も2つ受診した。どちらも「異常なし。」
と言われる。

 私は、偏頭痛と緊張性頭痛も持っている。
毎月最低一回は、頭痛がある。酷いといつも吐いてしまう。
神経内科へ薬をもらうため通う。
「レントゲンでは見えない部分の神経が
ぶつかりあって、歯の痛みをおこしているかもしれません。
三叉神経痛かもしれません。」
と言われ、二年くらい通っただろうか、、、
薬は、弱冠効いたように思えた時もあるが、
歯の痛みは、ずっとある。

どんな痛みか?
それは、何かを口に入れて食べ始めた時に、
地団駄踏みたくなるくらいの痛みであって、
ほっぺをかかえこむくらいに激痛が走る。
激痛が走ったあとは、何ともない。
普通に食事ができる。
でもまた時間があくと同じである。
本当に痛い。冷や汗が出るほどの痛みだ。

 名古屋市へ引っ越してから、家の近くの歯科へ通う。
もうこの時点で痛み出してから二年近く経過している。
だが、いつも「歯にヒビが入っているのかもしれない。(はせつ)」
とか「知覚過敏が酷いのかもしれない。シュミテクトを
使ってみるといいかも?」とか言われた。
やってみたが、どうにも良くならないから、
愛知県で一番設備が整っている●●大学歯学部付属病院へ
紹介状を書いてもらう。

 初診の歯科へ行く。
虫歯ではない。原因がわからないから、なかなか
通う科が定まらなかったが、2、3回通ったら、
歯科へ通うことになる。

 私は、「右下奥歯を抜いたら、痛みから解放されるなら、
抜いてほしい。」と依頼する。
先生は、
「検査の結果、歯にヒビは入ってはいないと思う。
知覚過敏なのかなあ?噛み合わせなのか?顎の関節などが
原因かもしれない。虫歯ではないから、抜いても痛みは、
消えないと思います。」
と言う。
口腔外科を紹介される。

 口腔外科の先生は、
「顎の関節は、関係ないですね。脳かもしれないから、
MRIを他の病院で撮ってきて。紹介状書いとくから。」
と言われ、数日後、瀬戸市の病院で、脳外科を受信後、
後日MRIを撮ってもらう。

 再び、口腔外科へ。MRIを見せる。
「異常はないですねー。もしかしたら、もっと下の方に原因が
あるのかなあ?ま、そんなことは、滅多にないですがねー。
どうします?もっと下のMRI撮ってきますぅ?」
私は、先生の話し方にイライラしてきた。
「何で一度に撮ってもらうようにしてもらえなかったんですか?
会社休んで撮りに行ってまた行くんですか?」
多分私は、このようなことを言ったんだと思う。
先生は、
「脳のMRIは、撮ってもらったけど、その下は、一緒にはとれないんですよぉ。
まあ、その下が、痛みの原因ということは、無いと思いますけどねえ。
歯を抜きたいんですよね?ここは、大学病院だから、虫歯ではない歯を
抜いたら罪になるから、やらないんですよぉ。もし、抜きたいなら、
町医者を探せば、お金さえ払えば抜いてくれるんじゃないですかあ?」
。。。。
私は、ぶちギレた。プンプンここを受診するにもかなり待たされた。
ここの病院の歯科の先生は、歯を抜かないで原因を見つけようとしてくれてる。
なのにこいつは!!
「あなたに診てもらっても何の意味もないプンプン
もう来ないので、これで終わりということでいいですね!?
「あ、はい。わかりました。」と先生は言う。
頭に来る!!
モンスターエンジンの西森さんに似ているこのヤブ医者プンプン
西森さんをテレビで見る度に思い出す。腹が立つ!!
こんな医者がいていいのかはてなマーク

 数日後、予約をしていた歯科へ行くと、
「今日は、来ないと思ってました。」と言う。
「私は、口腔外科には行かないと言っただけです。
あの先生は、何を言ったんですか!?
私は、怒りをぶつけた。ドンッ
歯科の先生は、「噛み合わせの可能性もあるので、
ほてつ科を紹介します。」
と言うので、行くことにした。

 歯ぎしりを寝ている時にすることがある私は、
「歯を削ってしまっていて、痛みを引き起こしている可能性がある。
マウスピースをつくりますか?」
とほてつ科の先生に言われ作ることにした。
数日間使うも何も変わらない。良くならない。

 あちこちの整体、接骨院、鍼灸院にも通った。
良くならない。
痛み出して、既に8年が経過していた。
いつも行く鍼灸院ではなく、
内科と鍼灸院が一緒になっている病院に行き診察してもらった。

 「ここは、耳下腺のツボですね。耳鼻科を受診したことはありますか?」
と言われた。目が・になった。(  ゚ O  ゚   )
「歯が痛いのに、耳鼻科には行かないですよね?行ってないです。」

 近所の耳鼻科へ向かう。
行き札を話し、診てもらったが、先生は、
「ここでは、設備がないから、大きい病院を紹介するから、
そこで、診てもらって。」と言われる。

 総合病院の耳鼻科へ。
「耳下腺が原因で歯が痛むなんてあまり聞かないですけどね。
ま、検査しましょうか。」
となり、CTを数日後に撮ると異常は、無かった。
先生は、「耳下腺とは違うと思いますけどね。」と言うが
私があまりにも痛いと言うので、
「問題は無いと思うんですが、念のためMRIを撮りましょうか?」
となり、数日後に、MRIを撮った。
検査結果を聞きに行くと、
「耳下腺の深葉の部分に何かがある。白い影がある。
おそらく腫瘍だと思います。
でも、耳下腺の腫瘍で、悪性の可能性は、極めて低いです。
これが原因で歯が痛むのか?も分かりません。
これ以上検査で調べるというなら、病巣に注射針を入れて、
細胞を抽出して、病理検査するしかありませんが、どうしますか?」
と先生は、言われた。
私は、腫瘍が良性であるということを知りたかった。
「病理検査は、痛いですか?」と聞くと、
「いや。そんなに痛がる人は今までいなかったですよ。」
と先生が言うので、ならやりますとお願いした。

 数日後、病理検査をやってもらう。
最初は、エコー検査をし、場所を特定する。
次に針を入れる。
!!!!!!!!
激痛。涙がでる。耐えれない。
「痛い!!痛い!!」とひたすら言ってしまう。
しまいには、「もう無理!!」と泣きながら先生の手を振り払う。
先生は、「危ない!!」と一言。
「もう無理。こんなに痛いのは耐えられない。」と悔しいけど、
検査を諦めた。こんなに痛いのは初めてだった。
「こんなに痛いのに、何で麻酔してくれないの?」
「細胞が麻酔で、死んでしまうから、麻酔は使えないんです。」
と言われた。もうやらない。もう歯が痛いの耐える。
そう思うことにした。

 神経内科へ鎮痛剤をもらいに行ったときに、
腫瘍があったことや病理検査がとんでもなく痛くてできなかったことを
話すと、「麻酔は、表面麻酔はできるはずだよ。表面麻酔をしたら、
少しは、痛みを軽減できるから聞いてみるといいよ。」
と教えてくれた。

 再び耳鼻科へ。
神経内科の先生に言われたことを伝える。
「表面麻酔ならできます。でも、表面だけだから、病巣に近づけば、
また激痛に襲われるかもしれません。それでも検査しますか?」
と言われ、今度は、頑張ろうと思い検査を受けることにした。

 病理検査。。。
表面麻酔はきいてくれた。針が入っても全然平気だった。
でも病巣近くでは、やはり激痛ドンッ
涙が止まらないしょぼん痛すぎる。
タオルを手で握りして、顔にあまり力が入らないように、
深呼吸するようにして頑張った。
何とか細胞採れたらしい。
先生は、「水のような細胞が採取できました。」と言う。
良かったー。

 数日後、検査結果を一人で聞きに行く。
「良性」と言われると思っていた。
なのに。。。
「良性か悪性かわからない。という結果でした。
判断するには、細胞が少なすぎだったそうです。」と先生に言われた。
私は、「そんな。また検査しなきゃならないんですか?」と聞くと、
「そうするには、あまりにも負担がおおきいので、お勧めできません。
かなり頬も痛むということですし、
いっそのこと手術をして、腫瘍を取る方がいいでしょう。
ただ、気をつけて手術をしますけど、
顔面神経を傷つける可能性はあります。
もしかしたら、顔面マヒになるかもしれません。
なったとしても一時的な人が多いですが、
希に一生マヒが続いてしまう人もいます。
悪性であった場合のことを考えるなら、
すぐにでも手術をした方がいいでしょう。
歯の痛みも腫瘍を取ることで、治る可能性もあります。」と先生はいう。
私は、涙がが止まらなかった。

 病院へ行った後、仕事に戻る予定だった。
涙が止まらない。公園に一人で行き、
池を眺めて、気持ちを落ち着かせる。
なかなか落ち着かない。
あー手術。怖い。
顔面マヒだなんて、、、
嫌だ。私は、趣味でダンスをしている。
イベントに出たら、お客さんに、
「笑顔がとても素敵だねー。元気もらったよ。」
などいつも笑顔を誉めてもらえていた。
私もそんな言葉を頂いて元気をもらっていた。
顔面マヒになんかなったら笑顔が歪んでしまう。
あー嫌だ。そんなの嫌だ。
一生マヒになんかなったら、生きているのも辛くなる。
そんなの嫌だあ。でも、すぐに死んでしまうよりは
いいだろう。手術は、すべきだ。
何とか気持ちを落ち着かせて、
上司に連絡し、遅くなる旨を伝えて、
その日は、かなり遅刻して会社へ行った。

 後日、病院へ家族を連れて話を聞きにきて、今後のことを決める。
心配させまいと明るく振る舞う私。
手術怖いけど、なるようにしかならない。
もしかしたら、歯が痛まなくなるかもしれない。
頑張ろう。

 2013年8月31日手術をする。3cmくらいの赤いキューブだったそうだ。
全身麻酔だったので、私は、見ていない。
術後すぐに解剖にまわったそうだ。
手術後、目が覚めると、傷口は痛むが、歯が痛くない音譜治った。音譜
8年近く悩んできた痛みがやっと消えたラブラブ
先生曰く、「腫瘍が神経を圧迫していたのでしょう。」
とのこと。ブーケ2良かったあー。やっと治ったブーケ2歯が痛くない≧(´▽`)≦ブーケ2

 顔は、ひどく右下が腫れ上がった。
口がマヒしている。ドレンで血を抜く。
3日くらい経過してドレンがはずされる。
傷口は、ボンドでとめてあるらしい。
皮膚の下を溶ける糸で縫って、表面は、ボンドでつなぎとめる。
日に日にマヒが少しずつ緩和されていく。
良かった。きっと治るはずだ。

 一週間入院し、退院後、2週間後くらいに腫瘍の病理検査結果を
聞きに行く。また一人で聞きに行く。
その頃の後遺症は、
まだ顔面マヒはあった。フライ症候群にもなる。
食べ物を食べると暑くもないのに、
右耳の付け根から尋常じゃない汗が出てくるようになる。
先生に、「検査結果は、良性でした。」そう言われて、
「今までありがとうございました。」で終わる予定であった。
でも、ちがった。
「非常に残念なことに悪性でした。」ドクロ
はあ?何を言っているんだろ?まるでドラマじゃん。
まさか私が。。。
「そんな。。。」また、涙が溢れる。しょぼん
「子供を作ろうと思っていたのに。なんで。。。」言葉が詰まる。
「誠に残念ですが、ステージ2の耳下腺癌でした。
手術では、普通、腫瘍を取るとき、病巣とその回りの病気になっていない
細胞も一緒に取るものですが、今回は、深葉という非常に深い部分に
腫瘍があったということもあり、病巣の回りの細胞を摘出できませんでした。
もし、まわりの細胞を取っていたら、顔面神経を傷つけることになってしまう
状態でしたので、その部分が残った状態になってます。
再度切り開いて切除することは、間違いなく一生顔面マヒになるため
お勧めできません。良性であれば何もしなくて良かったが、
悪性であった以上、治療をしなくてはなりません。
治療方法は、抗がん剤治療か放射線治療がありますが、これからお子さんを
授かりたいという思いがおありなら、放射線治療をお勧めします。」
と先生に言われ、後日、再び家族を連れて病院で話を聞く。

 放射線治療が始まる。
顔、頭を覆い隠す仮面。
仮面は、格子状の白いメッシュになっていて、
隙間から息ができるようになっている。
治療台に寝てから、仮面を被せられ、ネジで仮面を固定する。
動けないようになる。
仮面の表面には、マジックで、放射線をあてる部分が
記入されている。上から下から横からのように患部を放射線で治療する。

写真見つけたので、添付します。2016/11/2




この写真は、放射線治療最終日に記念に先生に撮ってもらいました音譜


部屋には、クラシックの音楽が流れている。
治療は、毎回15分以内で終わっていたと思う。
平日、毎日仕事前に病院へ通う。
数十回で終了。限度までちゃんと通う。
副作用は、
味覚障害になった。舌が紫色に変色している部分ができた。
味が辛いしか分からなくなる。喉がかわく。
口内炎ができる。
放射線が突き抜ける頭の部分がハゲてしまう。
みぎ顎が顎関節症のように固くなる。

 治療後は、徐々に味覚が回復してきた。
髪の毛もはえてきた。
右下の顎の痺れ固さは、なかなか治らない。

2ヶ月後、ペット検査。異常は見受けられない。
良かった。クローバー
やっとほっとした。ヒマワリ


妊娠する前には、
「妊娠して検査のできない間に、癌が再発して、手遅れになる可能性もある。」
と言われていた。叫び
それでも子供がほしかった。
結婚して7年目にして、待望の男の子を授かる。ドキドキ
晴れ産んで良かった。晴れ
ドキドキ産まれてきてくれて、ありがとう:*:・( ̄∀ ̄)・:*:ドキドキ