転職前にこれまで学んできた人材開発関連の本を読み返して脳内棚卸をしています。
その中で今読んでいるのが
『動機付ける力』DIAMOND ハーバードビジネスレビュー編集部
かの有名なハーズバーグの動機付け衛生理論など、動機付け関連の寄稿論文をまとめたもの。
面白いのがHBSのTeresa Amabile教授の「インナー・ワーク・ライフ(個人的職務体験)」の研究。
具体的な仕事の対処の際、人は認識・感情・モチベーションを絶えず変化させており、10年間にわたり協力企業の従業員に「日誌」をつけてもらうという研究成果。
その中でふと面白いなと思ったのが、”危機対応のプロジェクトに巻き込まれ土日潰して毎日深夜まで根詰めているときに副社長が頻繁に顔を出し、ペットボトルのお水を差し入れてくれたことがこの上なく嬉しかった”という話。
たかがお水なんですがねぇ・・・
すごく狭い視野で見ればアメとムチのアメ、しかもたかが100円ぽっちで緊急で重要な労働に駆り出された対価になんかなりません。
衛生理論的に職場の福利厚生を議論するときに住宅手当は5000円がいいのか10000円がいいのか、世間の相場はいくらで我が社の社員構成だとコストインパクトはどうなるか、という話ではなく、
・偉い人が気にかけてくれて、わざわざ足を運んでくれた1本
とか。
・会社の自販機で買えるものではなくちょっと離れた高級スーパーじゃないと買えないちょっといいお水
とか。
・渡す際に、「大変な負担をかけているが快く引き受けて急場を救ってくれて経営陣も感謝している(この部分は〇〇さんなら出来ると思って頼んだんだよ)」と(心から)添える
とか。
何て言いますかね。
1本のお水にストーリーが乗っかるかどうかというか、一本筋が通ってる感じが大事なんじゃないかなと思いますね。
これまで無数に飲食ご馳走されたり、ご馳走してきましたが、会心の一撃ってそんなにありません。
ご馳走された方でいうと、楽天で最初の上司が、(このエピソードはまたどこかで書きたいけど)わざわざ本屋に休日に行って「鍋ちゃん、これ読みなよ」って本を買ってくれたこと。ちなみにその本は「35歳までにやるべきこと」っていうビジネス啓発本で、思うに採用したと思ったらあまりワークしない僕をみかねての間接的な指導だったのですが、それでも嬉しいですよね。
ご馳走した方でいうと、ほんとケーキ1つですね。ある時たまたま組織改編が多く異動稟議手続き事務が派遣さんに一極集中して手伝おうにも負荷分散しづらくて無理を強いた時。途中「あー、もう、ホールケーキが食べたい><!」と宣うので、無事稟議提出した日に連れ出してデパ地下でケーキを買ってあげた(遠慮されてホールではなく一切れですが)こと。これは何かある度、ずっと「あれ嬉しかったです!」って言ってくれました。
何事においてもそうですね。ストーリーが大事。