サッカーと人口との関係、その2(その1はここにはありません…笑)
アジアカップ2019を戦っているサッカー日本代表。グループリーグを突破し、いよいよ決勝トーナメントに入っていきますね。メディアの反応を眺めてみると、今回の日本代表の戦いぶりについて、ギリギリの戦いにも関わらず、割と落ち着いて捉えてられているんではないかと思い、安心しています。メディアの話はまたの機会で、今回はまた、サッカーと「人口」の話をします。以前、Facebookの記事で、サッカーにおいて各国の代表チームの出来は「文化✕人口」で決まると書きました。そして、サッカー人口が増えればそれだけ質の高い選手を輩出できる可能性が高まるので、いかにサッカー人口を増やすか、という視点で日本代表を見るのもいいですよ、と。じゃあ本当にサッカー人口が多ければ代表チームは強くなるのか?というと、もちろんそんなことはありません。そこで、今回は、それを示すデータをひとつ。FIFA(国際サッカー連盟)の発表している、各国のサッカー競技者数を基に、人口とランキングを比べてみます。まずは、サッカー競技者数で世界トップは、中国です。その数、約2,600万人。中国の総人口の約1.9%です。ちなみに、サッカー王国のブラジルはというと、約1,300万人。ブラジル総人口の約6.8%です。日本は、というと、約480万人で、総人口の約3.8%になります。ここで更に、この競技者数とFIFAランキングと比べてみます。中国は76位ブラジルは3位日本は50位となります。(2018年12月付FIFAランキング)サッカー競技者数と比べてみると、やはり、単純にサッカー人口が多いだけでは駄目なようですね。しかしここで、サッカー競技者数の他に注目すべき数字があります。もうお分かりかもしれませんが、そうです、総人口に占めるサッカー競技者数の割合です。中国は競技者数は多いが、総人口に占める割合が上位国と比べて低いです。日本も、中国よりは高いが、ブラジルよりは低くなっています。そういう意味では日本は競技者数が少ない割に、そこそこ頑張ってるとも言えますね。ここで、サッカー競技者数比率の、ランキングを見てみると、1位はドイツで、その比率なんと、約20%!ドイツの人口は8,000万人くらいなので、約1,600万人がサッカーをしていることになります。サッカー競技者数で言えば世界第4位になります。FIFAランキングは、現在16位ですね。先のワールドカップでの失敗と欧州ネイションズカップ(ヨーロッパにおける代表チーム同士のリーグ戦)での降格が影響して、この半年あまりで1位から一気に落ちましたね。ドイツがなぜうまくいっていないかは、マニアックな話になるのでここでは置いときます。とにかく、単純にサッカー競技者数が多ければいいというわけではなく、総人口における比率が高いほど、代表チームが強くなる傾向がある、というのは言えそうですね。日本は特に少子化が顕著で、将来的に総人口が減少するのは確実です。なので、今のサッカー競技者数を維持さえすれば、相対的に比率は上がっていくことになります。それでもやはりサッカー競技者数が増えるに越したことはありません。もしかしたら維持するのも難しいかもしれません。そう考えると結局のところ、どうやってサッカー競技者数を増やすか、又は維持していけばいいか、を考えることは、代表チームの強化に繋がっていきます。元サッカー指導者の端くれとしては、日本代表の試合を見ると、どうしてもこうした問題を考えずにはいられません。なぜそう考えずにはいられないかというのは、また次の機会にします。