この時期のお楽しみ

オオガハス




『波止場日記』

エリック・ホッファー


沖仲士の哲学者と言われた

エリック・ホッファー

1902年にドイツ移民の子として

アメリカに生まれるが

7歳で母が他界し、視力を失う。

15歳で視力は戻るものの

今度は18歳で父を亡くす。


ロサンゼルスのどや街に住んだり

渡り農業労働者として

カルフォルニアを移動して暮らしたのち

港湾荷役の仕事につき

65歳まで働いた。


ホッファーは行く先々の図書館で

本を読み、自分の思想の成果を

ノートに書き留めていたが

ある投稿を認められ

その後本を出版、テレビ出演もし

大学教授となる。


まるでドラマのような話だ。


社会の底辺に身を置きながら

権力とは、大衆とは、社会や人間の

あり方とはと常に問い続けた

ホッファー


これはそんなホッファーが沖仲士として

働いていたときの日記です。


小説ももちろん面白い

詩を読んで、その世界に入り込むのもいい

でも日記には、また違った面白さがある。

日々を辿りながら、著者を身近に

感じられるような気がします。


ホッファーは自らをアウトサイダー

であるとし、日雇いの仕事をしながら

一緒に働く人々の力を信じ

大衆を支配しようとする

知識人に対して反発していた。


ホッファーの何ものにも

縛られないとする精神は

私の憧れ



『自由という大気の中にあって多くを

達成する能力の欠けている人々は

権力を渇望する』



『絶え間のない根底的変化に人類は

はたして適応していけるだろうか。

安定と連続を欠いた環境において

生き残り、かつ栄える生物があるだろうか』



名著と言われる本は古くならない。

底力を感じさせる一冊