妄想blです。

お嫌いな方はスルーで。

sideにの

迎えに来てくれた潤の車に乗り込む。

空いた手は繋いでくれて、信号待ちの度にその手の甲にちゅっとキスしてくれる。

それが気持ちよくて。

潤の優しさが、心地よくて。

さっき翔ちゃんの部屋で見てたスノードームを思い出す。

毎年の事だけど、やっぱり部屋で一人潤を待っているのはキツくなる。

『会いたい』が、『淋しい』が、スノードームの中の底に沈んだ結晶みたいに溜まっていく。

ひっくり返せば、底に澱んでいた結晶は光を受けてキラキラと光る。

キラキラ光って、ゆっくりと舞う。

そうして、オブジェに少しずつ降り積もる。

それはまるで、オレの中の感情みたいで。

潤が側にいない事や、一人きりで待ってる時の時間、淋しさとか。

ひっくり返したスノードームが見せるあの光景が、潤の愛情みたいで。

自分の中のマイナスの感情も、全部潤への思いの裏返しだと再認識できる。

淋しいからこそ、その愛情の深さを知れる。

ただ、自分の手元にスノードームを置く気にはどうしてもなれなくて、結局毎年この季節には翔ちゃんの家に足が向いてしまうんだ。

あそこに行けば、まーくんにも会えるから。

潤とは違うけど、翔ちゃんもまーくんも、オレにとっては特別な人。

大事な人。

「何考えてんの？」

帰りついた潤の部屋で、いつものように抱き込まれて。

いつもなら手元にはスマホかゲームを握ってるけど、今夜はオレを抱きしめてる潤のその手の重みを感じていた。

「んー。まーくん、ちゃんとプレゼント受け取ったかなぁって。」

「なに？何か渡したの？」

潤が触れるだけでこんなにも幸せな気持ちになれるのは、きっとスノードームのおかげ。

そんなオレをわかって、好きにさせてくれる翔ちゃんのおかげ。

いつもどおり、普段通りもてなしてくれるまーくんのおかげ。

だから、今年はちょっと早いけど

まーくんにプレゼントを置いてきたんだ。

「直接は渡してないけど。きっとね、翔ちゃんならわかってくれると思うんだ。」

きっと伝わるよね？

ここ数年、誕生日当日はライブがあって

疲れていてもちゃんと2人きりでお祝いしてるのは、次の日の様子で一目瞭然。

だって、まーくんがだだ漏れてる。

顔に「幸せ♡」って書いてある。

その反面、体の負担もそれなりみたいだから。

だから今年のオレからのプレゼントは翔ちゃんに託した。

アレをどうするか。

やるか、やらないか。

二人次第だけど、きっとまーくんなら食いつくだろうから。

誕生日の次の日、どんな二人が見れるのか

今から楽しみで仕方ないのはオレだけの秘密。

あと数分で、日付が変わる。

世間ではクリスマスイブだけど、オレたちにとってはもっと大事な日。

大事な人が、生を受けた大切な日。

素肌を合わせて抱き込まれてるベッドの中で、そっと小さくカウントダウンを始めた。

まーくん、お誕生日おめでとう。

そして。

Happy Merry Christmas。

全ての人に、愛が降り積もりますように。

あの、スノードームみたいに。

おしまい♡

スノードーム。LAST