lumière。 10 | 潤いと和み。

潤いと和み。

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妄想blです。













お嫌いな方はスルーで。















久しぶりに出かけた映画館は、思った以上の人の多さで、ちょっとだけ気後れしてしまう。


複合型施設の一角にある映画館。

とりあえず、フロアの隅で壁に持たれて二宮くんを待った。

腕時計に目をやると、約束の時間よりもまだ20分も早い。

何となく落ち着かなくて、ソワソワしてしまって、予定よりも早く家を出てしまった。


この感覚、久しぶりだ。


目の前のエスカレータから流れてくる人波の中に、彼を見つけた。

その姿に、ちょっとだけ安心する。


キョロキョロと辺りを見回しす二宮くんに、ここだよって手を上げようかと思ったけど

やめた。


何だか、その姿が可愛くて、もうちょっと見ていたかった。

俺を探す彼は、今どんな気持ちなんだろうか。

ワクワクしてくれてるかな?

そんな事を考えながら彼を見つめていると、やっとその視線が俺を捉えた。

その瞬間、零れる笑顔。

あの図書館で見る、いつもの彼の顔だった。



「松本さん!」


俺の名前を呼びながら、少しだけ早足で駆け寄る。


「こんにちわ。」


「待ちました?すいません。」


「大丈夫。俺が早く着きすぎただけだよ。」


上映時間にはまだだいぶ早いけど、とりあえずチケットを買うために発券機の列に並んだ。


ちょうど通路の隣がふたつ空いていて、その席にした。


発券機から出てきたチケットの一枚、通路側の方を二宮くんに渡す。


「あの...チケット代...。」


「本借りたお礼だから、奢るよ。」


「そんな!いつもジュース買ってもらってるし、申し訳ないです!」


「今日は俺が誘ったんだし、大人のメンツの為にも奢らせてよ?」


さすがに高校生相手に割り勘って、格好つかない。


「...じゃあ、せめて飲み物はオレが出します!松本さん、何飲みますか?!」


結構な勢いで聞かれて、その必死さがちょっと可愛い。


彼だって、高校生とはいえ男の子だ。

全部が全部、奢られるのも嫌なものかもしれない。


だから、そこは甘えさせてもらった。


アイスコーヒーと炭酸ジュース。

それぞれを手に、入場できる時間までフロアに置かれたテーブル席で時間を潰す事にした。



「楽しみですね!」


「だね。あの脇役の役者さん、好きなんだよね。」


「あー、あの人ですね!オレはやっぱり、主演の人がどんだけ原作に忠実に演じるかが気になります。」



そんな他愛もない話をしていると、入場を知らせるアナウンスが聞こえた。


「ちょっと早いかもだけど、行こうか?」


「はい!」


本当に楽しみなんだなってわかる笑顔で応えた二宮くんに、どうしたって可愛いって感情が溢れる。




高校生、だからなのか。

それとも、彼、だからなのか。




自分の中ではっきりと答えの出ない感情は

それでも嫌な感じは全くなくて

寧ろ久しぶりに感じるこの感覚は

映画への期待とはまた違ったワクワクした思いなんだって自覚した。