lumière 5 | 潤いと和み。

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世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡





妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。







side  N



教科書をカバンに詰めて帰る準備をしていると、前の席のヤツがくるりと振り返る。


「ねぇ、ニノ!遊び行こうぜ!」


そう誘ってきたのは、クラスで一番よくつるんでる友達のひとり。
いつもだったら乗るんだけど、今日はそうゆう訳にはいかない。


「今日は無理。てか、暫く無理かなぁ。」

「なぁんでよ!?何か予定あり?」

「テスト、あるだろ。勉強しとかなきゃ。」

そう、来週から定期テストが始まる。
今回はちょっと苦手な範囲があるから、早めに取り掛からないと後がしんどくなりそうだから。


「えー?まだ時間あるじゃん。」

「だからだよ。成績落とせないもん。」


今の成績を落としたくない。
それだけの為に、勉強する。


「でもさ、別に多少成績落ちても、まだ受験には関係なくない?」


そうなんだけど…。
友達の言葉に思わず口を噤んだ。
そんなオレに気付いてか、友達は小さくため息をつく。


「ニノの気持ちはわかるけどさ、楽しむ事も大事なんじゃないの?」


そんな風に言われるとちょっとだけ気持ちが揺れてしまう。
だけど、これは自分で決めた事だから
最後までやり通したい。


「んー、まぁそうなんだけどね。
また今度誘ってよ。その時は絶対行くし。」


じゃあね、って手を振って
教科書で重たくなったカバンを肩に掛けた。


どうしようかって考えて、図書館に行く事にした。
あそこなら自習室がある。
テスト直前だとすぐに席が埋まってしまって利用出来ない事もよくあるけど、
今ならまだ人もそんなに多くないはずだから。

通学路の途中にある、あの図書館に自転車を走らせた。





思った通り、今日は結構空いてる。
受付を済ませて空いてる席に荷物を下ろし、教科書とノートを取り出す。

よし!ってひとつ気合いを入れて、静かな自習室のその空気のひとつになってシャーペンを走らせた。



課題と予習が終わったのは、自習室に入って2時間くらい経った頃だった。
とりあえず今日絶対やらなきゃいけない分は終わった。
だけど、せっかくここに来たんだからもうちょいやっときたい。
気分転換に少し休憩しようと一旦席を離れた。



財布とスマホだけを持って外に出れば、もう既に薄暗くて、施設の敷地内に点々と立ってる街灯が光っていた。


ジュース買う前に、ばあちゃんに遅くなるって連絡しなきゃ。
そう思って、自販機の前のベンチに座りとりあえずメールを送る。

そのついでに、友達からのメッセージがいくつか溜まってたからそれに返信をしていたら
ふいに頭上から声がした。


「こんばんわ。」


慌てて顔を上げたけど、逆光で微妙に顔が見えない。
そこに立っていたのはスーツ姿の人。
え?って思って、一瞬身構えた。
だって、そんな大人の人に知ってる人はいないから。
だけど、その声には覚えがある。
そのチグハグな気持ちがそのまま返事になって、挨拶を返したけど語尾がちょっとだけ上がってしまった。


「えっと...この前、図書館で会ったよね?覚えてない?」


そう言われて、やっぱり!って思った。
この前、図書館で会ったあの人だ。

あの日のイメージと、今日のスーツ姿が余りにも違い過ぎて
戸惑ってしまった。