ぼくはペット。 | 潤いと和み。

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世界中に巻き起こしてる5人が大好き♥
末っ子溺愛中です♥

末っ子ふたりの妄想bl書いてます。
J×Nオンリーです(๑´ㅂ`๑)♡*.+゜

大丈夫な方のみ、お進みください♡



妄想blです。







お嫌いな方はスルーで。
















一人きりで過ごす夜は嫌いだ。

だから、友達とか知り合いとか
初めて会った人でも、危なくなさそうなら
一緒に過ごす。

そんな毎日を送っていた。

その日もまた、誰かを捕まえる為に
ガードレールに座ってスマホをいじってた。

「はぁ・・・今夜、どうしよ・・・。」

この人と一緒に居たいとまで強く思う人はいない。
だからといって、誰でも良いってわけじゃない。
ワガママだっていうのは自覚してるけど
それでもたった一人で夜を過ごす事よりも
誰かと居たい。
どうせ同じ時間を過ごすなら、
少しでもHappyな方がお互い良いだろうし。

そんな事を考えつつ、ふと視線が止まったのは目の先にあるコンビニ。
その店内を歩く一人の人。

ふんわりとした笑みを浮かべて歩くその人から
目が離せなくなった。

「・・・可愛い。」

何が彼をそんな顔にさせるのか。

真っ直ぐに歩いて、大きな冷蔵庫を開ける。
そうしてくるりと振り返ると、
棚に隠れてしまった。

「あっ・・・。」

少しの間のあと、今度はレジの前に立つその人の後ろ姿が見えて、ほどなくして
店から出てきた。
手には大きなビニール袋を提げて。
そして、やっぱり少しはにかんだみたいな笑顔で。

その顔で、そのビニール袋の大きさで
何となくわかってしまう。
きっと、家で誰か待っているんだろう。
大事な人が待つ家に帰るんだろう。

「・・・なーんだ。」

ちょっとだけ残念な気持ち。
だけど、あの幸せそうな顔を見れて
こっちまでお裾分けしてもらったみたいな気持ち。
そんな、不思議な感覚になった。


それから。

何度か同じコンビニで彼を見た。
いつも同じようにふんわりと、はにかむみたいな笑顔で
やっぱりいつも大きなビニール袋を提げてた。

いつもより遅い時間にそこにいた日には、反対方向から歩いてくる彼がいた。
風呂上がりみたいなサラサラの髪と
ちょっとヨレたスウェット。
そして、隣を歩く彼よりも少し背の高い人。
並んで歩いていて、一見すれば普通なんだけど
彼の顔が違っていた。
いつも以上に幸せそうで、ほんの少し足取りが
軽いような歩き方。

あぁ、そっか。
この人が、彼の大事な人なんだ。
そう理解するのには充分だった。

相手が男だった事なんて大して気にもならない
くらい、彼はいつも以上に幸せそうだった。

「・・・いいなぁ・・・。」

俺もそんな笑顔になれる相手に出会いたい。
てか。
俺が、誰かをそんな笑顔にしたい。
彼を見つける度に、彼の笑顔を見る度に
自分の中の気持ちが
少しずつ変わっていくのを感じてた。



その日もまた、いつものように
ガードレールに腰掛けて、スマホをいじってた。


誰かいないかな・・・。


この場所で、何度も彼とすれ違っているのに
結局俺はいつもと同じ。
今夜をやり過ごす相手を探してる。

そろそろかな、って顔を上げると
やっぱりいつもどおり
彼が向こうから歩いてくるのを見つけた。

だけど、今夜はコンビニは素通りしていく。

あれ?

だんだん近づいてくる彼の顔がハッキリと
見える距離にきて

やっと気付いた。

・・・笑ってない。

え?
なんで?

いつもみたいにふんわりと笑ってコンビニに入ると思っていたのに
唇を引き結んで、地面を見つめて
まるでその一歩がすごく重たいみたいな歩き方。

今までの彼と全然違う。

何があったんだろう。

心配になったけど、声を掛けられるわけもなくて。
ただ、彼が
俺の目の前を通り過ぎるのを
スマホに視線を落としたままで感じる事しか
出来なかった。

その日以来、彼の笑顔は消えた。

いつも立ち寄っていたコンビニにも
全く足を踏み入れる事もなくなった。

もしかして。
あの人と、別れちゃったの?

あんなに寄り道してたコンビニに
全くと言っていいほど足を踏み入れない彼のその姿はまるで
別れた恋人とのほんの僅かな思い出ですらも
触れたくないような
そんな切なさの現れみたい。

だけどやっぱり、俺はその場を動けずにいた。
ただ俺の目の前を通り過ぎる彼に
気配を消して気づかれないようにするだけで
精一杯だった。



だからだろうか。

ウィークデイの夜はまるで日課のように
同じ場所で彼を待つようになった。

今日はどんな顔してるかな。

少しは笑ってくれるかな。

そんな期待で彼を待つ日々。

少しずつ時間が彼を癒してくれるのか
日を追う毎に顔が上がっていく。
何日かに一度、前ほどのペースではないけど
コンビニに入って行く。

重たそうな足取りはまだ見て取れるけど
それでも少しずつ
彼の中で変化が起きているのがわかった。




そんな彼にほっとしつつ、
コレって、チャンスなんじゃね?って思った。

弱ってるところに付け入るのは
男としてどうかと思うけど。

それでも、俺が彼を笑顔にしたいって思うから。
あんな可愛い顔をさせられるのなら
プライドがどうとかって
言ってられねんじゃね?って。

空を見上げる。
僅かに見える星に、願った。

どうか、どうか。
彼に見つけてもらえますように。

見上げて、ひとつ息を吐いて。

コンビニから出てきた彼を真っ直ぐに見つめた。

今までは気付かれないように俯いてばかりだったけど、今夜の俺は変わるって決めたんだ。

真っ直ぐに見つめて、彼が俺を捉えたのがわかった。

絡む視線。

それだけでも嬉しくて
思わず自分が笑顔になってしまった。

彼が、ゆっくりと歩き出す。

今。
きっと今、このタイミングだ。

なんて声を掛けたらいいかなって考えて。
なんて声を掛けたら彼の足を止められるかなって考えて。

やっとの思いで出た言葉は

「ねぇ、俺のこと飼ってくんない?」

そんな、バカげたセリフだった。





「ねぇ、ホントにオレに飼われたいの?」

一緒に入ったバスタブの中、
やっとの思いで腕に抱きしめられた愛しい人が
問いかける。

「もちろん!」

そう答えたものの、本当は何だっていいんだ。
側にいられれば、恋人じゃなくたっていい。

「わかった。じゃあ、潤は今日からオレのものね。」

そう言ってくれたのが嬉しくて、もう一度ぎゅっと抱きしめた。


俺、こう見えて実は超肉食系だから
きっともう離してあげられないと思うけど。
良いんだよね?

飼われるフリして、従順なフリをして。
だけどもう俺なしじゃ
いられなくしてあげるから。

そんな本音は隠して
優しく触れるだけのキスをした。





おしまい♡






**************

以前書いた「ぼくのペット。」の
side潤です( *´艸`)

実は設定がちゃんとありまして。

簡単に言えば、

潤のストーカー物語(笑)

一目惚れしたにのちゃんを
虎視眈々と狙うお潤。

従順なフリをしたその本性は
実は超肉食系でしたってお話です♡