妄想blです。
お嫌いな方はスルーで。
2学期の始業式を迎えた。
思いを伝え合ったオレとじゅんくんだけど、日常はあまり変化はなくて。
今まででどおり、一緒に学校に行って。
休み時間も出来る限り一緒に過ごしていた。
ほんの少しだけメッセージアプリを使う頻度が増えたくらい。
どちらかの家で課題をやって、遊んで。
そして、キスして。
2人だけで過ごす時間が待ち遠しくなった事が、大きく変わった部分だろうか。
そんな中でも体育祭の準備は着々と進んで行く。
看板ももうあと少しで完成。
明日には仕上げて、当日の朝に設置する。
応援団の振りもちゃんと体に馴染むくらいには入った。
明日はリハーサルで、明後日の週末にはもう体育祭本番だ。
「何だかんだ、あっという間だったな。」
「うん。そうだね。」
自転車を押しながら歩くじゅんくんが、呟くように言った。
「明日のリハーサル、衣装着てやるんだろ?」
「みたいだね。楽しみにしてるよ。」
じゅんくんはソロだから、衣装班が作った物を着て踊る。
「じゅんくんの衣装、作るの大変だったらしいよ?」
「なんで?そんな凝ったヤツなの?」
「誰が縫うかで、争奪戦だったんだって。」
「・・・誰でもよくない?」
「じゅんくんの学ランの行方も相当噂になってるし。」
女子の間で誰がじゅんくんの学ランを着るのか、噂と憶測が駆け巡っていたらしい。
誰も借りてない学ランの行方は、他校の彼女が使うから貸したとか
そんな方向に流れて落ち着いたらしいけど、
今度はその他校の彼女は誰って話に飛び火してるらしい。
「じゅんくん、モテるから。」
噂話の飛び火の仕方が面白くて、思わず笑ってしまう。
女の子って、想像力豊かだよね。
「・・・そう言うかずだって、先輩からモテてるじゃん。」
「・・・あれ、モテてるの?」
「いっぱい差し入れもらってる!」
そう、何か先輩達がいろいろくれるの。
面白いのが、男の先輩もくれるってとこで。
さすがに食べ物じゃないけど、リストバンドとか、タオルとか。
「・・・じゅんくんのヤキモチ妬き。」
「・・・いや?」
「・・・ヤじゃない。」
ふふって、2人で顔を見合わせて笑って。
そっと、じゅんくんの制服のポロシャツの裾を掴んだ。
「明日と明後日、頑張ろうな。」
「うん。楽しもうね。」
じゅんくんとの初めての夏。
その集大成とも言える体育祭。
とうとう始まる。
本番は明後日だけど、既に今からドキドキしていた。