家族の悪口
それなりに親しくなっても家族の悪口を言わない人は、信用できないと思う。どんな家庭でも不満に思うことはある。他人の集まりだから当然だ。仲のいい家族でも、だ。貯金がたまらないけれど、相方が交際費を削ってくれない。ソファの上に服を出しっぱなしにするので部屋が汚く見えるのを何度言っても忘れてしまう。そういった罪のない不満はいくらでもあって、本人がいないところでつい軽い悪口となり、ストレスをやり過ごしていくのが人間だ。家族の悪口を言わない人は、どれほど親しげに付き合っていたとしても、私に対して心を開いていないのかもしれない。そうすると、こちらとしても、あけっぴろげになんでも言うのはよそう、と警戒したほうがいい。相手が自分に対して距離を感じているならば、遠慮のない発言で不愉快にさせるかもしれないし、悪感情を持たれているとしたら、罪のない軽い不満を嫌がらせに悪用されるかもしれない。本当に不満がない、という人は、まず、本人が家族に対して君主のようにふるまっている可能性がある。ほかの家族は機嫌を損ねないように必死に好まれることばかりするとか、息を殺してひっそりと暮らしているかだから、不満を持つことはない。どんなにいい人に見えても、それは最初だけの話で、少しでも仲良くなるといわゆる「フキハラ」や「モラハラ」をするタイプがこの人だ。あとは、家族が極端に排外主義で結束しているような異常な家の出身の人もいた。家族全員がマザコンで、核家族の一家の母親の言うなりになっていた。君主家庭の亜種ともいえる。口を開けば姑の悪口や夫の悪口ばかりのうちの母親みたいな人や、妻の悪口ばかり、親兄弟の悪口ばかり・・・の人と一緒にいると疲れてしまうので、すべては塩梅だが。