これは、試験がある。
 一般教員の中で規定の年数を超えた人が教頭・指導主事などになるための管理職試験を受けることができて、それに受かった人が教頭などになる。そして、教頭の中で校長試験に受かった人が校長になる。
 Aという学校にいた人が教頭になるための管理職試験に受かった場合は、Bという別の学校の教頭になるか、またはCという別の学校に教頭要員として異動してだいたい1年後にBという学校の教頭になる。
 Dという学校の教頭が校長の試験に受かった場合は、校長要員として引き続きDという学校に教頭として1~2年いて、その後Eという学校の校長になる。
 こういう動きが一般的だ。だから、最初はその学校のことは全然知らず、有力な先生か、教頭が今までいた人だったら教頭からその学校のことをよく聞かないといけない。もちろん校長同士でも引き継ぎはあるが、それだけであらゆることがわかるわけではない。
 教頭試験や校長試験は小論文である。試験場で時間制限の中で小論文問題を解く。
 教頭試験を受けに行った人の話を聞くと、だいたい「知ってる人がたくさんいた」とか「意外な人が受けていた」というような話になる。
 管理職になると少し手当がつくし、授業をしないでも給料がもらえる。だが、教頭になってみたら、なる前からそうなることはわかってはいたのだけれど、授業ができないのが寂しいという人もいる。雑用ばかりが多くなって生徒と接する機会が少なくなるから、面白くないという人もいる。
 管理職試験は最初から受けるつもりはないという人の方が多いようで、校長か教頭から管理職試験受験を受けるように薦められて、「とうとう肩たたきされた」などと言う人もいる。しかしこれは、人にもよるが半分以上は照れ隠しで言っているのかもしれない。
 教頭や校長の人事については、問題点もある。
 いい比較なのかどうかわからないが、最近外務省について不祥事のことだけでなく人事に関する問題点が少し言われ始めた。それとやや似ている問題点である。
 大使館の特命全権大使について、「その国のことを専門としていない人が外務省内部の人事の都合でその地位につくことが多い」というようなことが時々総合雑誌などに書いてある。
 例えば歴代駐米特命全権大使の中には英語やアメリカのことを専門としていない人がかなりいる。
 柳井元駐米大使は専門外国語がフランス語で在米勤務は2年間サンフランシスコ総領事を勤めただけである。その前の斎籐元駐米大使は、駐米大使となる前の三十数年の外交官生活でアメリカには一度も勤務したことがない。
 戦前の駐米大使の方が英語がよくできたのことで有名な外交官が多かったように思う。

 つづきは校長先生や教頭先生になるのはどういう人?(その2)

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