9月限りで定期運用を終え、10月中旬のさよなら運転を以て引退したE4系Max。2019年から、北陸新幹線でも使われているE7系による置き換えが始まり、同年の台風で長野の車両基地にいたE7系、W7系が水没して使えなくなるといったトラブルに見舞われたことがあったものの、今回のMax引退で配置が一区切りしたといっても過言ではありません。
だが、E7系の投入はE4系の置き換えだけではありません。東北新幹線から転属してきたE2系のうち、グリーン車を除く全てが大窓の1000番台の置き換えのため、更なる増備を進めるのです。
上越新幹線と北陸新幹線で活躍するE7系。北陸新幹線では同型で、JR西日本が保有するW7系も活躍しています。台風で被災し、廃車になった編成を補填する分は全て補えたため、今後は北陸新幹線の敦賀延伸や、上越新幹線のE2系置き換えに向けた更なる増備が進められることでしょう。
E2系は最初、長野新幹線(北陸新幹線の東京~長野間の別称)や東北新幹線に導入されました。この時登場したのが、全て小窓の0番台と呼ばれるグループでした。北陸新幹線からは2017年に引退し、東北新幹線で活躍していた編成も2013年頃から順次、上越新幹線への転属が始まりました。最初は0番台だけの転属でしたが、大窓の1000番台についても転属してくる編成が増え、1000番台の転属に合わせて0番台は次々と、置き換えられていくようになりました。
0番台は2019年3月までに全車廃車となり、同時期には1000番台の量産先行車が廃車となりました。以後、1000番台には大きな動きがなく、全編成が安泰という状況が続いていましたが、11月に入ってから1編成が廃車となり、予断を許さない状況になりました。
JR東日本が公表した置き替え計画には、21年度内に5編成程度が廃車になると記されていました。1000番台は東北新幹線八戸延伸の2002年に合わせて登場したグループで、2010年の新青森延伸に合わせて導入されたフルカラーLEDの行き先表示を持つ編成を除けば概ね、2005年頃までに配置が完了しています。となれば、そろそろ置き換えが始まってもおかしくない頃に突入しているのかもしれません。
来年度には、山形新幹線へ新型車両が導入されます。E2系の数少ない東北新幹線運用である、山形新幹線『つばさ』と併結する『やまびこ』運用も来春以降、段階的に減らされていく可能性が高くなっています。活躍の場が段階的に減らされていくであろうE2系が当たり前のように東北・上越新幹線を走る姿が見られるのも、今だけなのかもしれません。