朝からしきりに降っていた雨が、予報通り正午あたりに止んで、
路面が乾いたことろで、ここぞとばかりにソロライドに出かけた。
何もこんな日まで乗らなくても…と、自分で思いつつ、乗れる時に乗っとかないと。
相方は今日は仕事だし、一人でサイクリングロードをサクッと走って帰ってくる。
行き先はこの連休によく立ち寄っている。伏見のコンビニ、デイリーヤマザキ千本赤池店。
2時半に出発。サイロへ向かう。風は北西の風、風速3~4mまずまずの向かい風。
やっぱり雨が上がったところでしかもすでにこの時間、誰も走っていない。走り出してすぐ、目の前に現れたのが、ママチャリに乗ったおじいさん。普通ならそのままスルーするのだが、このおじいさん、前後にカゴの付いたママチャリに濃いカーキ色のごついジャンパー、そして何故か頭にはカブトのロードヘルメット。
「なんで、そこだけ?」
写真の奥に少し写り込んでいる。

よっぽど近くに寄って写真を撮らせてもらおうかと思った。まず、問題はこの人はサイクリングなのか買い物なのか。自転車を見ると前カゴになにやら荷物が入っているので買い物の帰りらしい。おそらく安全の為にヘルメットを被ってるんだろうけど、
「なんでカブト?」
考えられる答えは無数にありそうだ。
・実はこの人普段はロードに乗っている。
・息子がロードに乗っていて、ヘルメットを借りてきた。
・自転車屋に薦められるがままにロード用のヘルメットを買った。
有力なのは2番か。普段ロード乗りだったら、たとえママチャリに乗ったとしてもペダリングにもっとオーラが出るはずだ。又、町の自転車屋に本格的なロードヘルメットが売っている可能性はきわめて低い。
やはり家族にロード乗りがいて、
父:「ちょっと買い物に行ってくるわ」
母:「お父さん、雨上がったとこやし危ないからタケシ(仮名)のヘルメット借りていきや」
タケシ(仮名):「コケてキズつけんといてや」
この人を発見して追い越すまでの10秒くらいの間、私の灰色の脳細胞が(名探偵ポアロ風に)妄想にフル回転してしまった。よほど追い越しざまに質問しようかと思ったが理性が働いてくれた。人の良さそうなおじいさん(多分おじいさん)だった。
まだ走り出したところなのに、脱線が長くなってしまった。
さて向かい風とはいえ、それほど強くはない。30キロペースを維持して快調に走る。アルミのエアロフレームに、アルミリムのカーボンクリンチャー、カタログ値で重量9.62キロのバイク。ドロップ化した今なら10キロは軽く超えていると思う。それでもスピードに乗せてしまえば、エアロ効果と慣性力で向かい風でも意外とそれなりに走れる。面白い。
今日はこれで天気が良ければ最高だ。しかしこの曇り具合のお陰で汗もかかず、ちょうど良い。
流れ橋あたりまで順調に走行し、休憩所はパスしようかと思っていた。すると、休憩所前にマイクロバスが2台と乗用車2,3台とが停めてあった。ピンときた。
時代劇の撮影ちゃうか?
ビンゴだった。撮影隊の車だった。数日前に流れ橋が復帰し、撮影も可能になったのだ。久し振りに撮影を見た。

「わらじを袋に入れてくださ~い」
スタッフが声をかけていた。撮影が終わったところらしい。大砲などが置いてあり、合戦のシーンだったようだ。俳優は誰が来ていたのだろうか。衣装を着ているのでよくわからなかった。これからまた橋が流れるまでの間、ちょくちょく見かけるであろう。
ここから御幸橋(ごこうばし)まですぐだ。
着いた。

ここから進路方向が少し東向きになるので、今までの向かい風が弱冠の追い風になる。自然とペースが上がり、目的地のコンビニ、デイリーヤマザキに着いた。
と…、 今日はバイクスタンド出てない~ 出しといてよぉ

雨だったからな。スタンドが無くとも壁に立て掛ければ良いのだから、なんら問題はない。しかし、バイクスタンドとかハンガーを利用してロードバイクを休めることにささやかな喜びを感じてしまう。自分だけ?
ヤマザキ・デイリーストアは店内調理「デイリーホット」を強化しているらしい。女性客を狙ってのことみたいだが、男性でももちろん嬉しい。この店舗でも手作りパンを販売している。サンドイッチとコーヒーをゲットする。

食べ終えたら、すぐさま引き返す。なにしろ一人なんだから、食べ終えたら後はすることがない。派手なヘルメットにジャージとサングラス。立ち読みしても怪しいだけだ。そそくさと帰路につく。
帰りの風の状況はもちろん往路と逆になる。御幸橋(ごこうばし)までは向かい風、それ以降は横風だった。ちょっとスピード上げて33キロくらいで維持。ケイデンスは90越えで、ペダルを回す感覚をイメージする。気を抜くとすぐに踏むペダリングになってしまうので、回す感覚を体に染み込ませる。
帰りに親子っぽり二人組のローディを見かけた。父と娘?夫婦には見えなかった。なんとなく微笑ましい感じがして良かった。淡々と走って自宅まで。4時半着。距離49キロ。明日は久し振りに相方と走れそうだ。楽しかった。