退院した日、私は気分が落ちていた
ようやく退院…で胸躍らせて帰ったが、家に帰ってからの家族の反応が思っていたものと違った
入院中、リンパ浮腫に気をつけるよう病院の方にたくさん言っていただいて、今後は重いものはあまり持たないことを迎えにきた旦那に言うと、
「んなわけないでしょー、動かさないとなまっちゃうよ」
…伝わらない
自宅に帰っても子どもたちは「わー、ママ!」でもなかった。まぁ、それはいい。寂しかったけど、私の気持ちを押し付けるわけにもいかない。
けど、夕飯時、思ったよりかなり早い退院の話をしていて私が「ママまだ若いから。あっという間に傷治っちゃってー」と言ったら、娘が「50過ぎのおばさんが何言ってんだか」と言ってきた。
私の「ママまだ若いから」は、特に若ぶって言った言葉ではない。まだ40代だし、自然治癒力としてはそりゃ、娘や息子よりは遅いけど、まだまだ早く治る年齢だと思ってる。そう言う意味で言ったのだ。
しかも、術後の両手両腕両脚にいろんな管や装備をつけ、酸素マスクして闘った姿を皆見てないけど、こちとら命懸けで数日前に闘ってきたのだ。
なんでおまえにそんないい方されないといけない…と思ったけど、そこは飲み込み無視。
すると、娘がさらに被せてきた。
「あ、50じゃなくて40歳か、何歳だっけ?」と。
ま、普段ならノリで返すかもだけど、退院した日にこれかよ、と悲しくなり、「もう、めんどくさいからいいわ」と流した。すると娘がご飯を早々に食べ終え二階にこもってしまった。
なんでお前が…と思ったが触れなかった。
他の家族も触れなかった。正直旦那には触れて娘に何か言って欲しかった。
翌日、旦那と息子は予定していた小旅行に行った。別にそれはいい。快く送り出した。
娘は相変わらず無言だが、私が再度布団でゴロゴロしてたら布団に入ってきた。
私は穏やかに話した…と思う。
「ね、昨日のことだけどさ。大人だって傷つくんだよ」と。
すると、すぐ布団から出て行ってしまいまた口をきかなくなった。
この日娘に声をかけずひたすらどう出るか待っていたが一食も取らず二階の自室にこもっていた。
正直教えて欲しかった。なんなの?私が怒りたいぐらいだけど…と。
段々悲しくなってきた。
涙が止まらなくなった。
ちょうど母から電話があり、退院してなんとかやってるよーなんて話していた。母が
「子どもたち、あんた帰ってきて喜んでたでしょ」と聞いてきた。その瞬間気持ちが昂った。私は黙ってしまった。言葉が出ない。
「……うん、……うん」段々涙声に変わり、
「帰ってこなきゃよかった」と心配させるようなことを言ってしまった。
高齢の母に心配かけたくないのに…涙止まらない。
いつでも帰ってきなさい!と言ってくれ電話を切ったがこんな弱音を吐いてしまった罪悪感でいっぱいになり、電話を切ったあと、ワーッと泣いた。二階にこもっている娘にも気づかれないよう声を殺しながら。