「いらっしゃいませ!…あ、なーんだヒロかぁ」
「おふくろ、なーんだはないだろ!かわいい息子が来たんだからっ!オヤジコーヒーちょーだい!」
…僕は小学生のころから学校が終わって暇なときは必ず両親が営む喫茶店に立ち寄ってコーヒーを飲んでいる。普通、子供はジュースやコーラが好きなものだがオヤジの入れてくれるコーヒーが大好きで大学を卒業し社会人になった今でもこの習慣は変わっていない。この喫茶店は今でいうカフェとは程遠く、いわゆる喫茶店で、他の従業員もいないし、女子大生や若いOLがお茶をしている姿など1度も見た事がない。そば屋の大将や、呉服屋の若旦那など、僕が子供のころから知っている同じ商店街の人しか来ない。でもみんな顔馴染みだからなのか何故かホッとする。そして、無愛想なオヤジとは正反対のおふくろがこのさえない喫茶店を支えている。20年以上もやってこれたのはおふくろがいたからだなぁとつくづく思う。50歳のオバサンを商店街のみんなが順ちゃん順ちゃんと呼ぶ事に本人は少し抵抗があるようだが、自分の母親を良くいうのもなんだが、かわいらしく、年齢よりもかなり若く見えるおふくろが子供の頃からの自慢だった。
2年前に乳ガンの手術したとは思えないくらい元気にいつも笑顔を振りまいている。
「おふくろ、なーんだはないだろ!かわいい息子が来たんだからっ!オヤジコーヒーちょーだい!」
…僕は小学生のころから学校が終わって暇なときは必ず両親が営む喫茶店に立ち寄ってコーヒーを飲んでいる。普通、子供はジュースやコーラが好きなものだがオヤジの入れてくれるコーヒーが大好きで大学を卒業し社会人になった今でもこの習慣は変わっていない。この喫茶店は今でいうカフェとは程遠く、いわゆる喫茶店で、他の従業員もいないし、女子大生や若いOLがお茶をしている姿など1度も見た事がない。そば屋の大将や、呉服屋の若旦那など、僕が子供のころから知っている同じ商店街の人しか来ない。でもみんな顔馴染みだからなのか何故かホッとする。そして、無愛想なオヤジとは正反対のおふくろがこのさえない喫茶店を支えている。20年以上もやってこれたのはおふくろがいたからだなぁとつくづく思う。50歳のオバサンを商店街のみんなが順ちゃん順ちゃんと呼ぶ事に本人は少し抵抗があるようだが、自分の母親を良くいうのもなんだが、かわいらしく、年齢よりもかなり若く見えるおふくろが子供の頃からの自慢だった。
2年前に乳ガンの手術したとは思えないくらい元気にいつも笑顔を振りまいている。