今日の「やさしい経済学」のテーマは、”世代間格差を考える”。
特に、少子高齢化について焦点を当てて論じられている。
筆者は、少子高齢化による世代間格差是正の策として、以下の2つを提唱している。
1)少子化対策、すなわち子ども・子育て支援と言った家族向け支出の増加
2)海外からの若者世代に相当する移民の積極的受入れ

 まず1)について。
これについては、最初に、出生率と女性就労率の相関関係についてお話しておきます。
出所は「デフレの正体ー経済は「人口の波」で動く」から。
日本で最も出生率が低い都道府県は、東京都です。
だからといって、女性の就労率が最も高いかというと、そうではない。
東京は通勤時間が長い上に金持ちが多いので、全国の中でも特に専業主婦が多いそうな。
むしろ、日本屈指に出生率が高い福井県や島根県、山形県では女性の就労率も相当程度高い。
これはあくまで相関関係であって、このような関係から、
「女性の就労率が高ければ、出生率が上がる」
という因果関係を導くことはできません。
しかし、この事実によって、
「女性が働くと、出生率が下がる」
という命題を反証することは可能になります。
従って、子ども・子育て支援の充実が女性の社会参画を後押しすれば、
少なからず少子高齢化問題にマイナスのインパクトを与えることはないということが出来ます。

 では2)について。
これも出所は上と同じです。
海外からの移民受入れによって、少子高齢化による世代間格差を是正しようとすると
年間6万人の増加(これが現状の移民ペース)を突然に10倍以上に倍増させる必要があるそうな。
これは実現可能性に乏しい。
しかしこういうと、「世代間格差の消滅は不可能にしろ、緩和に導くことは可能だろう」という
批判が予想されます。
ここは、コストパフォーマンスの問題。
移民政策により緩和される世代間格差の方が、移民政策導入によるコストよりも多きければ
当該政策は施行価値ありといえるでしょう。
しかし実際のところ、移民の住居確保、教育、医療・福祉・年金麺での対応などなど
諸々発生するコストを考えると、そこまでして移民を受入れる必要性を感じなくなります。

 今日論じられていた2つのポイントは、世代間格差の是正を考える上で
必ずと言っていい程、主張される対策でもあります。
どうしてもメジャーな意見は正しく聞こえてしまいがちですが、時には冷静に、自分の見識を基に
再考することも必要なのではないでしょうか。