俺はMちゃんに、仕事や週末の過ごし方を聞くなどして共通点を探していった。
ところがさっぱりないのである。しかし、俺は負けない。おどけた感じで、笑いを取りながら少しずつ距離を詰めていく。
Mちゃんも寄って前のめりになってきたのか、白い透き通る肌を薄紅色に染めながら楽しそうに話してくれる。ところがである、目がまるで獲物を捉えた獣のような目つきだ。私は獣に睨まれたことがないので分からないが、よく使う表現なんだからみんな分かってくれるだろう。
そして、その目の奥は嘲笑うかのような表情が見え隠れしていた。
悪魔の目だ!

ねえ、○○君(私)は、お酒飲まないの?えー、飲めないのぉ…Mは○○君と一緒に飲みたいよぉ。少しでも飲めない?ねっ、飲もうよ。と、百戦錬磨の思われるMちゃんは、ベテランの私を手のひらで転がすように、酒を勧めてくる。
いやー、あまりお酒強くなくて…

やだよぉ、Mは○○君飲んでるとこ見たいよぉ。

こんな攻められ方始めてだ。こんなタイプは相手にしたことがない。俺はお酒が強くないから、飲んだら、飲み会が楽しめなくなる。
俺は心の中で葛藤しながら、悩んでいた。
酒を飲まなくても雰囲気に飲まれちゃえばいいんだよ!!

すると、Mちゃんは、誰かが頼んだオリーブを手にすると、俺に向かってあーんと、してくる。

最高だ!!最初は言われるがまま食べていたが、そのうちオリーブを持つ手をそっと触ったり、調子に乗って指までパクッとしてみたり…お調子者にも程がある。
Mちゃんは慣れているのだろう。嫌がるそぶりも見せずに、お酒飲んだらもっとオリーブあげるよぉと、母親が子供に言い聞かせるように言ってきた。

うん、もっとMちゃんに近づきたい!!
気づけば俺はオリーブでもMちゃんの指でもなく、ワインを注文していたのだ。