昨日の初小説アップから
書きたい病に駆られ早速続きです。
妄想です。
お気に召さない方はご遠慮下さい。

画像お借り致しました。

G.LOVE②



『アイじゃない⁉︎』

そう言って近付いてきたのは‥‥‥

ジヨンだった。
BIGBANGのg-dragon。クォンジヨンだ。


ジヨンとは、大学の時、私が韓国に留学し
サークル仲間として出会った。
当時はまだデビュー前だったし、ごく普通の生活をしてたジヨン。
私とジヨンは青春時代を共に過ごした仲間。

日本人と韓国人数人のサークルで、みんな本当に仲が良く、卒業後会ったりもしていたが、
ジヨンはBIGBANGのg-dragonとして活躍し出し、みんなに会うことは殆どなくなっていった。


そのジヨンが日本に⁉︎
しかも私を見つけて声を掛けてきた。
もちろん昔の友達なのだから、会えば話すだろう。
だけど、g-dragonになってからのジヨンに会うのは初めてで、
急に緊張が走った。
それに気付かれないようにと、控えめに話した。
「ジヨン⁉︎何で日本に?‥あ~BIGBANGのファンミーティングだっけ?」
あまり驚いてないふりして言ってみたが、
内心は、私の知ってる昔のジヨンとは全然違う大人な色気を漂わせて、住む世界がまるで違う人に感じドキドキしていた。
ジヨンはそんな私の思いなんて知らずに勢いよく話してきた。
『そう!ペンミ。一旦休みになったから飲みに行こうかなぁって。そしたら、アイを見つけた!』
「お疲れ様!てか、めっちゃ久しぶり!よく分かったね~BIGBANG日本でも大活躍してるね。ジヨン凄い人気だよ!」
『あぁ。うん。ありがと!日本のペンたちみんな歓迎してくれて、ペンのおかげだと思ってる。俺、日本人好き!』
「あは。日本人の魅力やっと気づいた~?」
『ふふ。そうみたい。今1人?飲みに行こうよ!』
「うん。さっきまで友達たいたんだけど、帰ろうとしてたとこだったんだ。ジヨンは1人?一般人なんかと呑みに行っちゃって大丈夫なの?」
『全然平気!マネージャーに言っとくし。ここ日本でしょ。韓国ほど追ってこないでしょ。』
「確かに~!じゃちょっとだけ。」
『じゃ決まり~!俺良いとこ知ってる!行こ!』
そう言うと、会ってすぐの初めて見たg-dragonのジヨンではなく、昔と何も変わらない無邪気な笑顔のジヨンが私に微笑む。

昔を思い出した。
あの頃のジヨンも、普段は男らしくて、不意に優しさを出してくる。
本当に不意打ちすぎで、予想が出来なくて
ドキッとさせる。
でも、私に特別してるわけでもなくみんなにそうだ。
それがジヨン。
大学の時、私が慣れない韓国の生活に落ち込んでしまったことがあった。
その時も、ジヨンは優しさで溢れていた。
優しくて優しくて好きになってしまいそうだったが、そのまま自分の気持ちは押し殺した。
好きになって、仲の良い仲間を失うのが怖かったから。
ジヨンには彼女がいたし、みんなで仲良くいれることを最優先したかった。
落ち込んでたせいだと言い聞かせて、
時が過ぎてその気持ちはなくなった‥‥‥
と再会するまでは思っていた。
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そして‥
ジヨンのオススメのお店へ。
個室のBAR。
凄く綺麗なお店。
ジヨンにお似合いのお店。
日本の知り合いの人に教えて貰ってからお気に入りの場所のようだ。

『1人で来るつもりだったけど、アイと来れるなんてラッキー‼︎』
やっぱり無邪気な笑顔。
傷心の私には癒しになる。
そう思いながらジヨンを見つめていた。

『アイ?聞いてる~?』
『‥なんかあった?』

ドキッとした。
ジヨンは昔からすぐに気付く。
私が知られたくないことでも、気付いて心配してくれる。
韓国にいた時もそうだった。
こんなにも久しぶりに会ったのに、
気付かれてしまうとは。
私は自分がどんな顔をしていたのかと思い、恥ずかしくなった。
「あっ。ごめ~ん。この感じ懐かしいなあと思って‥」
誤魔化せたかな?
懐かしく思えたのは事実だし。
大丈夫なはず。
『ふ~ん。‥‥で、アイは今彼氏いんの?』
「何⁉︎いきなり過ぎ!」
『いるの?いないの?』
「‥‥いるよ‥‥。」
そう言った時、ジヨンが一瞬悲しげな表情をした気がした。
気のせいかな?まさか‥ね。
『‥上手くいってないんだ?』
まだ何も言ってないのに、優しい眼差しで心配してくれてるような声。

彼がいるのは事実だけど、今の状況を知られたくなかった。
でも、ジヨンに聞かれて
裏切らてることを思い出し、泣きそうになる。
でもジヨンに見られたくない。
久しぶりに会えたのに、情けない姿は見せたくない。楽しく過ごしたい。
ジヨンはきっと、そんな話でも聞いてくれる。
優しい人だから、それが分かるから知られたくなかった。
「そんなことないよ~!それよりジヨンの話聞かせて!」
わざとらしいくらいに明るく振る舞った。
それが逆に上手くいってないと言っているようだったかもしれない。
それでも、私は明るくいるしかなかった。
そうでもしないと、今にも泣き出してしまいそうだったから。
その、不自然すぎる私の振る舞いを見て、ジヨンは悲しそうな顔をした。


ジヨンが連れてきてくれたBARは
個室のため他の席は見えない。
BGMも流れてて、声も殆ど聞こえない。

「ジヨン。ちょっとメイク直してきていい?」
ジヨンにそう言ってトイレにたった。

雰囲気の良いお店だけあって、デートには最高な場所。
時間も遅いし大人な感じだなぁ。
と、その時‥
入り口から入ってきたカップルに足が止まった。
‥‥彼だ。
しかも隣に見知らぬ女を連れてる。
ヤバい。
思わず隠れる私。
何やってんの。何で私が隠れなきゃいけないの。

でも今はジヨンと一緒にいる。
変に誤解されたくもないし、ジヨンを巻き込む訳にはいかない。

とにかく、メイクを直してジヨンのとこに戻ろう。

急いで済まして席に戻った。

『アイ~遅いよ~!』
「ごめんね~ジヨン。あまりに綺麗なお店で見とれちゃって。」
彼の浮気現場を目撃してしまった衝撃で笑顔を作れているか分からない。
飲まないと正気でいられないと思いグラスを手にとり一気に飲み干した。
大丈夫。別れるって決めたんだから。
自分の心をどうにか落ち着かせることに気を取られていると、
ジヨンが真剣な表情で私を見ていた。
『アイ?どうした?俺といても楽しくない?』
違う。そんなわけない。
「えっ?そんなことないよ!ただちょっと‥お客さんも色んな人いるなと思って‥‥」
だめだ。変に強張って上手く言葉が返せない。
するとジヨンは真剣な表情から優しい顔に変わって、心配そうにしてた。
『アイ。せっかく会えたんだし、話して。』
暖かい言葉。
その言葉に、今まで堪えていた涙が、溢れ出た。
どうしよう。止まらない‥。
ジヨンは優しく、本当に優しく私の話を聞いてくれた。
彼とのことを全て話した。
泣きながら話す私を時折悲しくも見える顔で、ずっとずっと私の話を聞いてくれていた。


③へ続く。