読書とその脱線話です。
長いので、お時間ありましたら
どうかおつきあいくださいにっこり





夏に読んだ本の




スピンオフ小説が載っていて
予約待ちしていた

『Another side of 辻村深月』
2023年3月刊



全作品の作者コメントや
数々の対談、イラスト、漫画など
企画盛りだくさんのファンブック。


ニヤニヤしたのは、
たとえば
村田沙耶香さんからの質問と
辻村さんの返答。



Q.みんなに、自分の身体を料理して
ごちそうするとしたら、

どの部分をどんな料理にしますか?

腕のカレーですか?
眼球のスープですか?



A.胎盤のラザニア。

プラセンタ効果、あるといいな
(この質問、さすが村田沙耶香嬢・・・と溜息です)


作家同士の掛け合いが強烈グラサン

米澤穂信さんからは
海外小説の好みを尋ねられ、

「キャロル・オコンネルの
『クリスマスに少女は還る』のような
作品が書けたら死んでもいい」


と返答。
気になって早速予約しました。


肝心の
『この夏の星を見る』のスピンオフ
『薄明の流れ星』は
高校生達の思いのひたむきさに
今回もじんわり
目頭が熱くなりました。














ミステリーとしても
傑作と名高い古典SFに
ついに手を出しましてニコニコ


『星を継ぐもの』
ジェイムズ・P・ホーガン 著
池央耿 訳
1977年刊
2023年新版



月面で発見された5万年前の死体が
なぜか人類に酷似している。

はたして地球人なのか宇宙人なのか?
死体は一体どこからきたのか?

様々な分野の学者達が推理考察する
サイエンスフィクションとしての面白さ
ミステリー要素も満たしつつ

超古代文明や
ミッシングリンクの考察が
絶妙に組み合わさっていて、

膝を打ちながら読みました。


昔『プロメテウス』という
あまり評価の芳しくないSF映画が
あったのですが、
設定のあれこれは
『星を継ぐもの』の影響を受けたのかも。



それにしても日本だけでも
104版を超える人気とは
驚きです。

1970年代以降の
宇宙開発の隆盛と
作品で描かれる学者達のプロ意識が共鳴し

あるいは
進化論を超える空想がリアルであるほど
ロマンを掻き立て

読むほどに
読者の人類像、自己イメージを
より強く偉大なものへと
勇気づけてくれたのかもしれない。
などと
作品が愛された背景、文脈を
考察したくなりました。


一点難を言うなら

女性の登場人物が
リンという秘書で
彼女の科学的でない思いつきが
ヒントになるのですが

美人かつ魅力的な体つきの
昔のボンドガールのような
マスコット的な設定が残念。

女性の科学者は皆無で
前時代的な発想に
いささか萎えてしまいました真顔
当時の世相を反映しているといえば
そのとおりなのでしょうが。


 

初版と同じ年代に制作された
映画エイリアンで闘った主人公は
リプリーだったじゃない?物申す

と思ったら、
『エイリアン』は
当時の女性に対する偏見を
逆手にとって
女性登場人物を設定したようでした。




ケチをつけましたが

結末の余韻に浸りながら
数々の謎が晴れた目で
プロローグから再読すると
面白さが増しました。
続編も楽しみです。

ご紹介ありがとうございました!




 







『君が手にするはずだった黄金について』
小川哲 著
2023年10月刊



本好きの友人に貸してもらいましたニコニコ

作者を連想する
小川哲なる主人公による

高尚な漫談を聞いているような
短編6作品。

次々読んだら
あっという間でした。

逢坂冬馬さんによると
作家目線で読んでも
面白かったそうですよ。


表題作が一番評判が良いようですが
「三月十日」も着眼点が面白く
どれも粒ぞろいの作品集でした。

私は「プロローグ」が好み。
大学生の小川哲が就職活動の
エントリーシートの文言に考え込むのですが
それが
いちいち理屈っぽくて面白い。

読書家の設定なので
物語の中でさりげなく紹介される
本にも興味をそそられました。


「読書家から
一番趣味がいいと思われるジャンルの本」

『ムーン・パレス』


彼女に面白いと薦めた『タイタンの妖女』



彼女と旅先で読む
志賀直哉とケリー・リンク



伊藤計劃とバルガス・リョサ。



僕が小説に求めるすべての要素を含んでいた、という『熱い氷』スチュアート・ダイベック
(『受賞エッセイ』より)



作品中に登場する本は魅力が増しますね。

ご紹介いただいて
視野が広がったり

読んだ本から芋づる式に
読みたい本が増えたり


寄り道のような読書は
思いがけない景色と出逢えるまたとない機会。
得をした気分になります。

















急に朝夕が寒くなってきました。
皆さまが健やかにお過ごしでありますように。