2006年の6月、当時通っていた専門学校の卒業をきっかけに書き始めた自分ノートを、ふと読み返してみたくなった。
自分ノートはただのノートだ。でも、思いついた事や考え事、目標や自己分析を記したノートという点において世界で一つだけのノートであり他の人には誰も理解できないであろうあたしの23歳当時の頭の中の模様がぎっしりつまっている。誰かに強制されたわけでもなく、本当しょうもない2つの理由で始めた。

①ださい文房具しかないカナダで、とってもいい感じのこのノートをある日見つけ、思わずかってしまったこと。
②睡眠時間を削りながら完全燃焼した専門学校のコースが終わり、ある日突然やることがなくなってしまった。

何か特別に書きたい事があって書き始めた訳ではない。ただ心に思いつく事を書き始めただけ。何かを書き出すというのは色んな面でとっても有用だ。ブログの更新はただ書くだけの自分ノートとは違い、誰かに見てもらうことを前提にしているものだから、どうしても自分の中では鮮明だけど他の人にとってはきっと抽象的な事柄を避けがちになり、逆にハッピーな事しか書かない。ハッピーな事がないと書かなくなってしまったり、日記みたくどこにいってなにをしてで終わってしまったり。でもこの自分ノートは誰に見せるではなくただ徒然なるがままに書く事により、躊躇なく何でもかけてしまう。日記とは違って、ただただ頭の中に有る事だけど書き記したそのノートの出だしは、
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学生である事も今日で終わり  6/2
(自分の良い点)
* 与えられた事はきちんとこなせる
* さらにプラスαも加える事ができる
* 改善して行こうという意志が強い
これからは生きていくために働かなければならない。どうせ働かなきゃいけないのなら、充実感が得られる仕事に就きたい。
1年=52週
週5日働くとして52x5=260日
一日8時間働くとして260x8時間=2080時間
生活についても考えていかなくては。。。。。
* 親孝行がしたい
* 留学ローンを返済したい
* 英語は続けていきたい
* 親戚・友達も大切にしていきたい
* 料理・家事も頑張っていきたい

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こんな感じ。読み進めていくと、一目瞭然。このノートを通じ、あたしは自分自身と向き合っていたんだ。何度も繰り返される、自分の強みと欠点分析。欠点を最小限に抑えるための対策。周りの人の強みと欠点。それをどう自分に生かしていくか。目標とマイルストーン。何歳までに何を達成して、何歳までにどういう人になるか。経済状況の分析と対策。それまでの人生を振り返り、今後にどう生かしていけるのか。時間の使い方。心に残った言葉や引用。

ーーー自分用の自己啓発ノートを知らず知らずのうちに作り上げていたんだな。

留学生活に終止符をうとうとしている直前で色んな迷いが胸中にある中、なおかつ究極に貧乏だったけど、とってもポジティブで、前向きな自分を“書くうち”に作り上げ、“したい”という言葉が“する”にかわり、“せねば”が“できるようになる”に変化するにつれ、自分が大きく成長するその過程がこのノートには詰まっている。
今でも笑いながら誰かに語れる昔のあたし。『貧乏だったけど、自分が成長しているのがすっごく実感できて、自分が輝いているのがはっきりわかって、幸せだったと思う。』

結局そういう単純な事。幸せは自分の中から溢れでてくるもの。人生は自分と向き合う事だと思う。それを気づかせてくれたのがこのノート。