この本、一言で言ってすごい。いやぁ、一言で終わらせては、申し訳が立たないくらいすごい。本というか、著者の抜群のうまさ。頭脳、教養、文才。へぇこういう日本人女性がいるのね、ってウィキたりYouTubeで動画探したりしたけど、この本の著者、米原万里さんという方はもう10年ほど前に他界されたことを知り非常にショックでした。

打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫)/文藝春秋

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著者がもしこの世に今も存生していらしたら、絶対”友達になってください”と告りたいタイプ。10年間の書評がぎっしり詰まったこの本は、なんたって長い。いやぁ、これまでKindleで読んだ日本語の本の中で一番長かった。スティーブジョブが亡くなった頃に流行り出した彼の伝記なみの分厚さではあたっが(Kindle派なので実際の本の厚みは想像がつかないけど、個人の気分的に)空想とかロマンとかミュージカル(まったくもって関係ない)などを一切好まないわたしが、フィクション・ノンフィクション両方を書評対象にしていたこの本から文学にもちょっと手をつけてみよかなぁなんてそんあことを思い始めたり。途中、この本を読了する前に、紹介されている本を一掃したかった衝動に刈られたのは、著者の思惑だったのでは?と思える。

いやぁ素敵な女性。素敵な著者。彼女が飼っていた猫や犬は10年ほどの月日を経た今、どうしているのだろうと考えた土曜日の昼下がり。