先月の「究極の想定外」に続き、今日もまた昔一緒に働いてたスタッフのエピソードを。

*******究極のパーティ*******

3年前近くの話。会社が初めてアメリカの顧客を対象としたブートキャンプと呼ばれる研修会を開くことになった。この研修会、人数を30名までと限定し、顧客からは参加費用も徴収。各地から各分野の特別講師も招き、このためのスタッフも新たに雇った。人当たりがよく、かわいいお姉さんタイプのC。もしこれが成功したら、そのままエグゼクティブアシスタントとして管理職をアシストするチャンスもあるポジションで最終面接には私も立ち会った。

さて研修は順調にスタートし、初日の夜はマネジメント(当時5名のみ)とゲストスピーカーそれに顧客全員とのコミュニケーションを円滑にするためのカクテルパーティも催され、翌日は同じ敷地内にあるホテル会場にて各部署のスタッフと新しいスタッフCも含めたちょっと大掛かりな立食パーティが開かれた。

さてこの立食パーティにて。出席するように言われたスタッフはドレスコード(ジーンズやドレス禁止。プロフェッショナルな格好)が規定されていた。ところが、まるでクラブに行くような出で立ち(非常に短いドレスで胸元がくっきり見える)で現れたのは呼ばれていない営業の女の子K。一応勤務年数が長めということで、勝手に自分で自分をこのパーティに招待。私も含めたマネジメントも顧客の手前なかなか帰るようにも言えないため、とりあえずおとなしくするよう要請。

その彼女、最初はおとなしく角っこの方でしていた。しかし、マネジメントは誰ひとりとして彼女がおとなしくしている間に大量の酒を飲んでいた事に気付かなかった。オープンバーを取り入れたその晩のパーティはお酒が飲み放題だ。マネジメントと他の(呼ばれた)スタッフはあらかじめ飲み過ぎないように言われていたため最初はセーブ。しかし後々酔っぱらってくる顧客に付き合わされる形でスタッフも飲まされるはめに。特にお酒が飲めないのに飲みだしたのが新人のCである。Cには実は狙っていた若手の男性顧客がいた。Cは酔った勢いで男性顧客のビジネスパートナーである女性達と一気に盛り上がる。そんな裏事情をしらない私たちは、まぁお客さんと(女性と)うまくいっているからいいか、くらいの感覚でいた。

しかし宴が進むにつれちょっと飲むとまたすぐに次から次へと酒をついでくるホテル側の作戦にまんまとはまり、参加者の殆どがものすごく気持ちよく酔いってきた。ここで、ちゃんと座ったまともなディナーが食べたいと言い出したゲストスピーカーを連れて、数人のマネジメントが下のラウンジへと予定外の移動。たまたま会場の貸し切り時間も切れ他の全員が最初のグループに後に続けと移動。そこで勝手にテーブルに座り始めたグループと飲み足りないからバーに行くグループに別れ、終了するはずのパーティはますます予定外の急展開を見せだした。

さてさて他の誰よりも酔っていた営業のKは年配の男性顧客の膝の上に自ら座ると

『あなた本当ラッキーね。こんな若い子があんたの膝の上に座ってるのよ。』

と言い放つと、他のスタッフの元に行き、

『あの客きもいーー。なんかあたしを狙ってるー』

と絶叫。そしてまた他のゲストスピーカーの所に行って同じ事を繰り返しているのを見た私(そして結構酔っている)は

『ゲストの膝に座るなんてなにごとじゃー。呼ばれてもないのにそんな格好してくるなんて、このアバズレー』

とそのKに激怒。タクシーを呼んで無理矢理Kをタクシーに押し込んだ。ラウンジに戻ると、Cが狙いの男性顧客にセクシャル的に絡んでいる。Cを連れ出し

『あなたね、これは仕事なの!客にちょっかいだすんじゃない!!』

と言うと、Cは

『わたし、あなたの言っている英語が全然わからない。ちゃんとした英語しゃべってよ。』

と言ってまた席に戻った。立ちくらみがしながらも他のスタッフと話をしている社長の所に行き彼女を速攻クビにしてくれと懇願している最中、私たちは驚くべき光景を間のあたりにしてしまった。

ーCとその男性顧客が仲良く手をつなぎ、上階にあるホテル部屋へのエレベーターに乗り込んでいる。

衝撃を受けた私。他の顧客が目撃していないことを確認しようと振り返ると、そこはもう大宴会絶賛開催中。テーブルの上に乗って踊る客。ショットをするスタッフ。高級ディナーを次から次へとオーダーするマネジメント数名とゲストスピーカー達。

私はもうどうでもよくなってしまい、とりあえず飲むことにした。その後も大宴会は続き、どれくらい酔っているかを計るコンテストに参加(まっすぐ歩けるか)後、会場を後にした。

さてさて。。。。。。

研修に携わるスタッフ全員と顧客全員が二日酔いで迎えた翌日、最終日。みんな顔が引きつる中プログラムを進めて行き初めての研修は無事?終了。Cはその日無断欠勤。もちろんその後合法的にクビになった。
その後、あの晩Kに向かった叫んだ、

『このアバズレー。』

の一言はその年会社内での流行語大賞となり、この研修会の反省ミーティングは2日間に及んだ。
ちなみに予算は100万オーバー。みんなどんだけ飲んだんだー!