今夜は、アルジャーノンに花束を♪
世界的に有名な小説で、石丸幹二さんが出演されていることもあり、毎週楽しみに拝見しているドラマなのですが…。
このドラマの中に、有名な絵画が登場していて、絵の好きな私は、別の角度からも楽しませていただいています。

石丸さんが演じる蜂須賀先生のお部屋に飾られている名画♪
クリムト「死と生」

部屋のシーンの度に登場していて、蜂須賀先生がこの作品を眺めながら、台詞を話すシーンが多く、とても気になっている絵です。

クリムトの晩年の作品で、人間の「生」と「死」の対峙・循環を画題とした作品です。
右半分に描かれた「生」の方は、子供から大人まで老若男女10人の人々が、忍び寄る死に対抗するように、寄り添って、一つになっているように見えます。

対する左に描かれた「死」の方は、死の象徴であるタナトスが描かれ、身に着けている衣には、たくさんの十字架の文様が装飾されています。

クリムトと言えば金！黄金でしょう♪
作品に金箔を使ったりしていますが、クリムトの技術は職人並みだったそうですよ。
鎧兜、能面、仏像、着物…日本の美術工芸品も集めていて、日本美術に影響されていたというクリムトですが、この作品を描いていた頃の晩年のクリムトは、名声に陰りが見え始め、豪華で装飾性豊かな表現様式にも変化が見られました。この絵の背景は元は金色だったそうですが、藍緑色に塗り潰されています。

クリムトの作品は、甘美で妖艶なエロスを感じさせながら、常に死はつきまとっているように感じる作品が多いのですが、この作品は死が迫っている人への恐怖というものを感じさせます。

私には、この絵が、まるで咲人さんの運命を暗示しているようにも感じられます。
蜂須賀先生が、咲人さんの運命を大きく変えることになったんですよね。蜂須賀先生の運命も咲人さんの運命とともに変わることになるわけですけど…。真の幸せってなんだろう？と考えさせられます。

今回の蜂須賀先生は、『ジキル＆ハイド』のハイドと、『エリザベート』のトートをミックスさせたようなカンジがします。妖艶な所も、ちょっと不気味で怖い存在なんです。研究のために、愛も利用して、なんでもしてしまう蜂須賀先生ですから（汗）遙香さんに咲人の恋人のフリまでさせようとするなんて！あ～なんて残酷なの！蜂須賀先生の言動が、結果、みんなを傷つけているんですけど…（苦笑）（ファンの私でも、怖さを感じるくらい、石丸さんの演技が上手だってことです。全然フォローになっていないのかもしれませんが！（笑））

蜂須賀先生が、部屋で亡くなった息子さんのことを想いながらかけているバッハのゴールドベルク変奏曲BWV988を聴きながら、この作品を観ると、神々しさと儚さが増すような気がします。
完璧主義者だったバッハの曲と、クリムトの絵を好むことからも、蜂須賀先生がどんな方なのか？垣間見られる感じがします。
Bach Goldberg Variations BWV.988.

映画「羊たちの沈黙」で、ハンニバルレクター博士のお気に入りの曲としても有名なんですよね。レクター博士が警官を惨殺してしまう、かなり衝撃的なシーンで使われている曲でもあります。
まさかとは思いますが、レクター博士と蜂須賀先生を重ねたイメージで、この曲が使われているってことはないでしょうけど…。レクター博士ほど残虐ではないけれど、レクター博士が表情を変えず、何を考えているのか？よくわからない、冷酷な雰囲気は蜂須賀先生とも重なるところがあるように思います。

先週の放送では、クリムトの「接吻」も登場していました。咲人さんの知能がアップしてきて、幅広いことに興味・関心を持ってきていて、美術の本を読むシーンがあったのです。そこで、クリムトとボッティチェリとシャガールの画集を読んでいました。

クリムト「接吻」

ボッティチェリ「プリマヴェーラ（春）」

シャガール「リラの恋人たち」

咲人さんは絵を見ながら遥香さんのことを想っていましたね♪切ないですね。
遥香さんも切ないですよ。そして、咲人さんのことを想っている梨央さんも傷つけることに…。それもこれも、蜂須賀先生が遥香さんにした行為が原因ですよね（汗）蜂須賀先生が、どうしてあそこまで冷めた考え方なのか？理解に苦しみ、胸が痛みます。

今夜、咲人さんはどうなるんでしょうか？ドラマの展開が気になります。