「今までずっとどこにいたの?」

「遅くなってごめん。」



これがわたしと彼の会話のはじまりだった。それはとある年の星の輝く夜空の1224日のお話。わたしたちがそれぞれに歩んできた道がついに交差した瞬間だった。



既にどこかで出会っているという感覚は錯覚ではなかったと思う。奇妙ともいえる親近感がお互いの距離をすぐに埋めていった。


彼の目を知っている。彼の横顔を知っている。彼の声を知っている。何処で、何時から?それは分からなかった。でも、ほんの最近の記憶ではないことだけは分かっていた。ずっとずっと長い間、私の中の深いところから泣き叫ぶように欲していた何かをやっと見つけた、そんな感覚だった。


わたしの鼓動が早くなった。



とにかく私たちに分かっていたのは「遂にお互いを見つけた」ということだった。