11月2日の中日新聞にて報じられた記事。
「中日新聞:飯田線の9駅来春無人化:長野」JR東海は、長野県内にある飯田線の9つの有人駅について、来年4月1日以降に無人化の方針にすることを表明しました。「路線を維持するため、営業の効率化を進める」と説明し、先月の下旬から今月の上旬にかけて、駅のある自治体の役所・役場にJR東海の幹部が訪れ、無人化の理由などの説明を行いました。無人化の理由については、「利用客が減少し、通勤・通学などの定期券利用客が半数以上を占める」とのこと。
無人化が予定されている各駅については、地元自治体がJR東海と簡易委託契約を結ぶことで、無人化を回避することができますが、販売できる切符などに制限が発生するなど、不便さが生じる状況は避けられないことになります。
ということで、近年急速な勢いで小規模な駅の無人化を進めているJR東海が、また駅の無人化を進めるということで、今回は駅の営業形態や、形態による違いなどについてまとめてみたいと思います。
まず、鉄道駅の営業形態というのは大きく4つに分かれます。【図参照】

【駅の営業形態】
今回無人化されるのは、長野県の9駅。
鼎(かなえ)駅
元善光寺(もとぜんこうじ)駅
市田(いちだ)駅
伊那大島(いなおおしま)駅
飯島(いいじま)駅
駒ヶ根(こまがね)駅
沢渡(さわんど)駅
伊那北(いなきた)駅
伊那松島(いなまつしま)駅以上の各駅です。
全駅「
業務委託駅」で、JR東海の子会社である「東海交通事業」の職員の方が駅業務を行なっており、直営駅(JR東海の社員が業務を行う駅)と同等のサービスが受けられます。
しかし、これらの駅の業務委託が、来年3月末で終了となり、委託終了後は、「
簡易委託駅」もしくは「
無人駅」となります。
いずれの場合も業務委託駅よりは格下となり、サービス等も変更が生じます。
【↓図参照】
特に夏休みや年末年始などに鉄道旅行をされる場合、「
青春18きっぷ」の購入が、簡易委託駅・無人駅のどちらでも出来なくなる他、簡易委託駅でも駅によりサービスの相違が発生するため、同じ簡易委託駅でも、駅によっては購入できない切符などもあります。
JR東海では、自社社員が業務を行う「
直営駅」、ならびに業務委託職員が業務を行う「
業務委託駅」の無人化を近年進めており、過去10年間で下記の駅が無人化、ならびに簡易委託化されました。
【↓図参照】
過去10年間の無人化・簡易委託化駅。
【↓またJR東海関連による切符委託を解除された駅】
過去10年の間で、愛知・岐阜・三重・静岡・長野・山梨の6県で合計37駅がJR関連(JR東海直営・東海交通事業・JR貨物)による切符の販売が停止されました。
今回無人化が表明された長野県は、今回の9駅を入れてなんと12もの駅が無人化(もしくは簡易委託化)されることになり、6県で最多となります。
前述のデメリットでも記載したように、駅が無人化・もしくは簡易委託化されれば、乗車券の購入などに不便が生じ、更に多くの箇所では営業時間の短縮・休業日などもあることから、サービスの低下が懸念されます。
今回無人化が表明された9つの駅については、駅の所在自治体がJR東海と簡易委託契約を結ぶことで、簡易委託ではあるものの駅業務の続行は可能ということになります。しかし、それを決められるのは今年いっぱい。僅か2ヶ月弱の間に、簡易委託契約を結ぶか否かを決めるのは、所在自治体にとっても大変急で、ある意味酷なことでもあるはずです。
また、仮に簡易委託契約を結んでも、駅業務に関わる経費については地元負担(多くの場合は自治体の税金が使われる)となるため、利用客増加に向けた取り組みも不可欠となってきます。(=利用客が増加しないことには切符を買うお客さんが増えず、自治体の負担が膨れ上がってしまう一方です。)
高山市久々野町にある、高山本線・久々野駅は平成22年4月にJR東海の子会社「東海交通事業」による簡易委託が終了し、地元の「ひた桃源郷くぐの観光協会」が切符販売業務を引き継いだものの、2年後の平成24年【今年】3月末で業務が終了となりました。
従って、簡易委託となっても、無人化が完全に回避されるというわけではないので、地元住民や観光客などが率先して、簡易委託駅での乗車券購入をすることが必要とされています。
駅の無人化は、町の過疎化・イメージダウンをより進行させてしまいます。
JR東海と自治体・地元商工会などが手を取り合って、よりよい駅づくり、町づくりにつながることを願うばかりです・・・。