記憶にあるのは、海の見えるマンションに住んでいた頃から。
その時私は幼稚園児だった。
すでに両親の喧嘩は頻繁にあった。
父親が帰ってこない日も増え始めた。
小学1年生になる頃には両親の顔色伺って生活していた。
今、話しかけてもいいか?
明るく振舞った方がいいのか?
求められている役割を演じる生活になっていた。
そして両親は離婚することになった。
小1の私に両親は聞いた。
お父さんとお母さん、どっちと一緒に暮らしたい?
どちらのことも好きだった私は選べないと思った。
できることなら、3人でまた暮らしたいと思っていた。
でも言えなかった。
何となくそれは無理だとわかっていたから。
結局、私は母親について行き祖父母の住む街で暮らすこととなった。