シスターフッド小説すき。

辛い気持ちを感じたくない気分のときなら、この本はオススメ。

照子と瑠衣はもともと同級生。

性格も生き方も正反対。

なので、同窓会で再会し、まさかの70歳になり2人で逃避行生活を送ることになるとは思いもよらなかったはず。

二十代前後ならよくあるパターンで、元気いっぱいでいけいけなのもわかるし、そのパワーにこちらもテンション上がるのだけど、どこか夢物語。

そうはいかないよね、とかどこか感じがち。

たぶんその先の人生が長いことを読者の方はわかっていて、そのことにどこかで向き合って生きることになることを予想するからかもしれない。

でもこの小説は、確かにこちらも夢物語と感じないわけではないのだけど、過去の生き様をちょこちょこエピソードを垣間見ると、この出来事は最終段階で有りだよなって思うのです。

余生を元気いっぱい自由に生きる

を実現させるみたいな人生。

もちろんそう踏ん切りをつけるには、それなりにかなりエネルギーを貯めた(それも負の方)結果で、それはそれでキツいのだけど。

ただこういう希望があってもいいなぁと感じるのです。

必ずしも平穏なで波風のないそよ風だけが、幸せとは限らないのだから。

思いっきり青春的で、それでいて年齢的に大変なこともあるけど、相手がいるから支えられて支えられるという関係性がほんとにステキ。

このタイプのバディ小説はほんと大好き。

すべてを置いて家を出たくなったことのある人や、閉塞感を感じてる人には特におすすめしたい一冊です。

〈Amazonより〉

「まだまだこれから、なんだってできるわよ、あたしたち」照子と瑠衣。ともに七十歳。妻を見下す夫を捨て、老人マンションの陰湿な人間関係を見限って、女性ふたりの、逃避行の旅が始まった――。痛快で心震える、最高のシスターフッド小説!

福袋日記

今年もあった白水社の語学福袋。

このエッセイは実はすでに買って持ってるのでした…仕方ない。

でもって、アラビア語とハンガリー語が我が家に。

世界のいろんな言葉に触れるのがたのしい。

これが最後の福袋ですね^ ^

『照子と瑠衣』井上荒野