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黙っているあたしに、望月さんは続ける。
『大人げなかったよな、逃げるなんて・・・・。
俺、あれからいろいろ考えてさ。
本当に、いろいろ考えた。
由香が、どれだけ大きな存在だったか、
考えさせられた・・・。』
『・・・・・・。』
『それで、今日どうして由香が
尾崎と来たのかって思った時にね。
由香は、やっぱり尾崎のことが
忘れられなかったんだなぁって。』
あたしが、尾崎さんを忘れられなかったって?
どういう事??
『由香、鈍感だから気づいてなかったでしょ。
俺と一緒にいるときも、
おまえはたまに、寂しそうに遠くを見てたよ。』
『そんなこと・・・。』
あたしの否定に望月さんは、笑って、
『まぁ、それはいいんだ。
・・・でね、きっと、尾崎とうまくいったんだろうなって。
すげぇ悔しかったよ。』
望月さんは、そこで言葉を切った。
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