ホテルの一室。
ドアを開けた。
薄暗い廊下からは想像出来ないほどの光に溢れていた。
向こう側は一面のガラス。
光の方向に足を早めた。
眼下には港の風景が一望できた。
無彩色の景色の中に場違いのようにポツンと赤い建物。
そこだけが時代に取り残されたような、煉瓦の建物が二つ並んでいる。
「赤煉瓦倉庫」
「後で行ってみよう。」
背後から竜也の声が迫ってきた。
久し振りの外泊。
二人で一夜を過ごすにはちょうど良い広さの部屋。
今日は時間に制限がなく、二人きりの時間を過ごせる。
二人のための時間。
二人だけの時間。
贅沢な時間の始まり。
萌はガラスの向こうの景色に見とれていた。
いつの間にかシャワーを済ませた竜也がベッドに仰向けになっている。
萌も服を脱ぎ、シャワーに入った。
「あ・うん」の呼吸。
ベッドに二つの裸体。
光が二人を照らしている。
二人とも、言葉が極端に少ない。
言わなくても分かる相手。
交わさなくても分かる言葉。
ベッドの上で二つの裸体が絡み合う。
萌の唇に竜也の唇が重なる。
お決まりのように、竜也の手が乳房に置かれた。
お決まりの行為でも、快感はいつも新鮮。
今日は時間に制限がない、というだけでも燃え上がる。
乳房が吸われた。快感がざわめく。女に浸る。
背中から腰にかけて電流が走る。
萌はいつまでもこの快感に浸っていたかった。
応えるように、乳房への愛撫が続く。
萌は何度も体をくねらせた。
くねる度に新しい快感に襲われる。
竜也の指がクリトリスに触れた。
恥ずかしいほどに硬く尖っている。
つい声が漏れる。
「イヤー!」
叫びに近い声が響く。
「ん?嫌なの?」
竜也の意地悪な質問が乳房の辺りから耳に入ってきた。
「うぅー。イィー。」
正直に言った後、新しい快感が下から突き上げてくる。
正上位のセックス。
お互いに変化は望まない。
セックスだけが目的の逢瀬ではなくなっていた。
逢った時の、ほんの一部分。
だが、濃密な時。
大事な、お互いの快感の時。
燃え上がり、咲き誇らんばかりの開花の時を共有した。
「カーテン空きっぱなしだったね。」
「23階なんて、他から見えるとこないわよ。」
そう言いながら、やはり誰かに観られたような、聴かれたような気がした。
二人の一夜の序章が幕を開けた。
お久しぶりです。「あぶない歌人」からご紹介を頂きまして、アンサーブログを書いてみました。
二人のブログを読むと、どこかで一つのテーマに繋がるかも知れませんね。

夏の名残のように咲いた最後の一輪の朝顔。
今年の夏は暑かったですね。