若かりしころ、切腹して命の危機を味わったことがある。


緊急を要する開腹手術をして生死の境をさまよう私を見かねて、父は回復を祈り好きだった酒を断った。しかし、その時には知らなかった。

後年、我が子が自転車から落ち頭を強く打って生死の境をさまよう事態に至った時、私も回復を祈り酒を断った。


その時、手伝いに来てくれていた母が、その姿を見て、お父さんと同じことをするのね、と教えてくれてわかったこと。

父の祈り、願いがあればこそ、今私はここにいられるのだ。