どうしたらえぇん?

―明るく楽しい認知症介護のために― <第3回>







この「ハーッ、ハーッ、ハッ、ハッ、ハッ…」とは、アニマル浜口が笑っているのではなく、まして出産の時に出るものでもない、わが家のおばあさんの荒い呼吸である。

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始めの頃は、「なんとわざとらしくしてるな」くらいでこちらも本気にしていなかったのだが、結構頻繁に起こるようになってきたので、病院で診てもらったらストレスを感じた時に起こる過呼吸症候群的なもので特にはっきりした原因は分からないらしい。

医師からは、とにかく家族はストレスを与えないように優しく接してあげなさいとか、ひどい過呼吸の時にはビニール袋を口元に当て呼吸をさせるようにと言われたので、ビニール袋をおばあさんに渡しておいて「これは息が苦しくなったら口に当てるんだよ」説明しておいたら、後日、「これは何に使うんかいね?」とビニール袋を持って、再び問う。もうこの頃には、説明してもすぐに忘れてしまうようになっていた。

足音がないのに出没 ―小刻み歩き―

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体の健康状態で足音が変わるということはよくあることだが、おばあさんの足音が昨年の中旬くらいから急に変わってきた。

たぶん、最初に転げて倒れた頃からだったと思うが、わが家の廊下を歩く足音が普通の音とは変わって来た。

それまでの「トン、トン、トン、トン」というリズミカルな足音から、小刻みに歩くようになり、「ツッ、ツッ、ツッッーッ」と変わって、今では「ツーッ、ツーッ、ツーッ」と足音そのものも小さくなってきた。時には足音もなかったと思ったのに、急に目の前に現れたので「わっ、ビックリした」と家族が驚くこともたびたび。

聞くところによると、パーキンソン病にこんな症状があるとのことで医師に相談したら「専門の病院で診てもらったらどうですか」とのことで、嫁さんと二人付き添って大きな病院で専門の医師に正式に診てもらった。

病院ではあらゆる検査をしてもらったが、長い間待ってその結果、パーキンソン病とは違うとの診断。脳に小さな梗塞が何ヶ所かあり脳自体も年齢と共に萎縮しているのが原因といえば原因かもとのことだった。

ふと気づく 小さくなった 足音が 認知症に 黄色信号

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「ハーッ、ハーッ、ハッ、ハッ、ハッ…」 ―過呼吸―