連載「どうしたらえぇん?」 -明るく楽しい認知症介護のために- <第1回>




健康オタクから認知症へまっしぐら



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元気な頃のおばあさんの口癖に「栄養じゃから」というのがあった。


某テレビのお昼に放送しているM氏の長寿健康番組が好きで毎日欠かさず見ていた。


ココアがいいと聞いてはすぐさまココアを買いに走り、「栄養じゃから、飲みんさい」と周囲に勧めるが、私や家族は「いきなりそんなこと言っても…」と二の足を踏む。こんなことはしょっちゅうあるので、断るのも大変、それでもどれだけ周りに嫌がられてもお構いなしのおばあさんなのだ。


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あの中止になった某テレビの健康番組「○○大事典」も好きで欠かさず見ては実際に試したりとかなり影響されていたようだ。


ある時には、健康雑誌に載っていた「モロヘイヤ」というエジプト原産といわれる野菜というか葉っぱというか健康にいいというこの「モロヘイヤ」などは今ほどポピュラーではない頃にわざわざプランターに植えて時折ちぎっては調理して、本人はもちろんおじいさんにも「栄養じゃからー、食べてみんさい」と食べさせていたものだ。私も家族も勧められたが、慣れないものだから敬遠の四球を決め込んだ。後で知ったのだが、この種は毒があるそうな、おばあさん知ってたの?(@_@;)



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私の住む市では、老人医療が進んでいて68歳になると無料になるという制度が当時あった。

おばあさんは、68歳になるとすぐに歯医者はもとより大腸ガン検査などのありとあらゆる病気の検査に定期的に通うようになった。結構しんどい検査もあったようだが、私には嬉々として病院通いを楽しんでいるように見えたのはなぜだろう?


そんな健康に人一倍気をつけていた健康オタクのおばあさんがまさか認知症になるとは思っても見なかった。それまでの苦労は水の泡?


こう考えてみると、あれほど健康に気をつけていても病気になる者は否応なく病気になるのだと私なりに勝手に思うのだ(私が病院嫌いなので余計にそう思うのかも(^_^.))。


栄養も 認知できなければ もうえいよう? (mytty7 心の一声)dou13