■ 父91歳(要支援1)/母88歳(要介護1)
私の家から20キロ離れた実家で、2人暮らしを続けていた両親。
私はまだ55歳。働きながら支えるには、週末の買い出しや通院の付き添いが精いっぱいでした。
日常の家事はデイサービスやヘルパーさんにお願いしながら、なんとか生活を維持してきました。
■ 母の急変と、限界が見えた在宅生活
母は杖なしでは歩けず、うつ病による睡眠薬依存も深刻でした。
3月初め、睡眠薬の蓄積が原因で転倒し、頭を強打。父の連絡で駆け付けると、家の壁にも穴が開いていて、血がついていました。
失禁するほど朦朧とした状態なのに抵抗する母を、急遽入院させることになりました。
しかし大変だったのはその後でした。
母がいない家で、父の生活をどう支えるか。
■ 父の変化に気づいた瞬間
父は耳が遠いものの、認知症ではないと思っていました。
身体はギリギリ自立しているものの、家事能力がないのはわかっていました。
お弁当の手配、デイサービスの回数調整、ケアマネさんとの打ち合わせ…。
私が段取りしたことは全部父に説明をして帰りました。しかし父は後から何度も電話をかけてきました。
「あれ?こんなに物分かりが悪くなってたの?」
仕事を終えて夜に実家へ行き、ノートに書きながら説明しても、なんだかピンと来てない。
母の病状や入院期間についてさえ勘違いしていて、「はよう帰ってこんかなあ」と繰り返していました。
長年両親を支えてくれているケアマネさんからも、
「お父さんも心配な状況ですね…」と言われ、
父の認知能力の衰えを初めて現実として受け止めました。
高齢者は、普段通りの生活をしていると気づきにくいけれど、
不安が増えると、説明を繰り返しても心配が消えないのだと痛感しました。
■ 「このまま在宅で支え続けられるのか?」
母の入院は2ヶ月と言われていました。
しかし、入院から1週間ほどで私は思いました。
・母が退院しても、睡眠薬の管理を父に任せるのは無理
・父も、今の生活を続けるより入所したほうが安心できる
・認知症が軽いうちのほうが、新しい生活に適応しやすい
主人の母の介護経験から、
「入所は、本人の判断力が残っているうちのほうが良い」
という実感もありました。
また父は心臓の持病があり、いつ発作が起こるかもしれません。
これが、決断を急がせた大きな理由です。
■ ケアマネさんの言葉が、背中を押してくれた
ケアマネさんに両親の今後について相談すると、私と同じ考えであることを伝えてくれました。両親を支えるキーパーソンが私ひとりであることを気にかけてくれ、「娘さんのお住まいの近くで、ご両親が一緒に入れる施設を探すのが一番いいと思います」
その言葉に、私は大きく救われました。
そして、すぐに行動を起こす決意を固めました。
