映画「月に囚われた男」感想

 

BS12 土曜映画劇場

チョイスして 録画しています。

 

囚われるとは?

月に置き去りにされた宇宙飛行士の話かな?…

 

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リドリー・スコットの「オデッセイ」という映画を思い出した

マット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じた

 

火星で死亡したと思われた宇宙飛行士

実は生きていて 彼は独りぼっちのサバイバル生活を強いられる

そして それに気づいたNASAも彼を助けようとする…物語

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でもこの物語は 月にとり残されたのではなく

月でエネルギー源であるヘリウム3の採掘がおこなわれており

それを地球に送る仕事をしているのだ

 

え? どういうこと?…なことは

彼がたった一人でその「サラン採掘基地」で働いているということ

ここがミソ

 

初めからたった一人で仕事をしているのだ

相棒は「2001年宇宙の旅」のハルのような人工知能ロボット ガーティ

3年契約で 期間が終わったら お迎えが来て 次の人と交代する

 

帰還の日を楽しみに一人ぼっちでいることの孤独にも耐えている

地球に残した妻と娘に会うのが楽しみ

 

だが なんだか体が不調…

最後の任務となる回収に行った時事故を起こしてしまう

 

意識を失い 診察台で目覚める

ところが自分そっくりの男が 診察台の横に立っている

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そこで見る側は これがクローン人間が主人公の物語であることに気づく

3年というのは契約年数ではなく クローン人間としての交換期間であった

クローン人間の入れ替わりに手違いが起きたみたい

 

事故で死んだと思われ クローンの交換要員が取り出されていたのだ

取り出す…とは 

 

たくさんの予備クローンが 保管庫の引き出しの中に眠っており

そこから取り出され 診察台に寝かされ

次のクローンとして調整がなされる…つまりこうだ

目覚めた時 ”事故にあって目覚めた”と自覚するように。

 

任務の終わったクローン人間は別な部屋に置かれた白い棺に寝かされると

シューッと何やら噴霧され 棺の中で消滅する

 

初め 二人は激しくぶつかり合い

殴り合い 互いに自己主張する

 

やがて…

卓球をしたり…

話をしたり…落ち着いてきて

自分たちの 実態を悟った

 

 

2人目のクローン人間は人工知能ロボットのガーティに頼み込んで 

3人目のクローンを起こしてもらう

 

何故起こす?と旧クローン

新クローンは言う

 

お迎え隊(実は死んだクローン人間の処理班)は

君(旧クローン)が死んだことを確認しなければならない

 

だから3人目のクローンが準備台に寝かされ覚醒しないうちに

君とすり替え 事故車の中に入れておく

 

そして君は…

ヘリウム3の輸送ポッドに乗って、処理班が着く前に地球へ帰れ

 

でももう命が長くない(耐用年数?)と悟った旧クローンは

私を事故車の中に戻し 君が地球にもどれ…

 

 

新旧クローンは 

更なる事実に向き合っていく

 

地球との通信は故意に妨害されていたこと

通信はすべて録画だったこと

 

自分たちクローン人間はクローン製造時点の本体の記憶だけを

インプットされていたこと

 

そして 本体は地球におり 会いたいと想い続けていた妻はすでに亡く

赤ん坊の娘は19歳になっていた

 

遮断された通信を起動させ 地球の我が家に連絡してみる

画面にその娘が写り 父親に呼びかける

それに応じる本体の声が背後から聞こえてきた…

 

 

2人目のクローンは ガーティのアドバイスに従って

これまでのログを消去すべくガーティの電源を落とし

表向きのお迎え隊が到着した時 再起動するようにセットして

ヘリウム3の輸送ポッドに乗って地球に帰っていく  ピュ~~~ン

 

 

ラスト…映画は解説する

地球に戻った2番目のクローンは 会社を告発し 裁判で証言し

その会社はすっかり評判を落とし…云々

 

この語りを 蛇足とするか否か…

私的には この語りに気持ちが救われた

 

工知能ロボット ガーティが 二人に協力的なことも…

 

 

ちなみにこの会社は韓国の会社?? 韓国語が器物に記載されていたり

語りは韓国語が表記された

 

 

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デヴィッド・ボウイの息子、ダンカン・ジョーンズの

監督デビュー作となるSFドラマ

 

クローン人間(サム)は

サム・ロックウェルの一人芝居

つまり 映画はサム・ロックウェルだけの映画

 

SFだがクローンについて考えさせられた