最終回 【七支刀】



毎回、中ダレすることもなく楽しませてもらった

百済の王クンチョゴワン  最終回です


最終回らしく、楽曲のコーダのような雰囲気で終わりました。


日本の歴史が関与してくる部分については

時代考証的に オイオイ~ちょと…な部分がありましたが( ̄ー ̄;

それは別に感想を書きたいです



物語は今、370年頃でしょうか…

日本は古墳時代
350年、大和朝廷が国内を統一



右矢印ヨグス王子が母ヨファの墓に別れを告げています

  
追ってきたチン・アイに、ヨグン王子と結婚して幸せになって…と


一緒についてゆくというアイに

倭国がどんな国か分からないが、
アイ様が耐えられるような所ではないでしょう(;´Д`)ノ


王子様と一緒なら耐えられる!

私の想いに気づいているはずです!と訴えるアイに


互いの想いを口にしてはダメ

アイ様は百済で

私はヤマタイで生きていくのです…と告げます




ヨグン王子の想いと決断


右矢印クンチョゴワンは、家臣と東屋で酒席を設けています

チン・スン アジッキ ヘ・ゴンもいなくなって寂しいネ



”遼西には慰礼公・ヨグァンを行かせる!

郡公・ビランは漢城に残って私とヨグンを支えてほしい

立太子礼が終わったら、すぐに高句麗親征に出る”

告げる王



もう若くない… 年のことを考えてください…

いつまで馬に乗り

冷気の立ち込める天幕の寝床で休み
兵と同じ、水で溶いた陣中食を召されるのですか!

終日馬の上で過ごすため、内ももは、腫れあがる
もう、親征はやめてください!!

高句麗攻略は、ヨグン王子様に託して
自ら馬を駆るのはやめてください!!

そんな家臣達に

”その内、時がくれば先祖の元へ旅立つだろう

若くなく、白髪が増えたから高句麗攻略を急ぐのだ!”


ヨグン王子様にお任せになっては ?



”ヨグンは武ではなく、文の王になる!

私は剣を持ったが、ヨグンは書を持ち太平の世へ導くだろう

故に私は高句麗を攻め、統合したハンタンを託したい!


前回の戦いで、高句麗を制圧できなかった

高句麗はこれまで誰も征服できなかった強国


高句麗は牙を剥き、我々に襲いかかるだろう!

天が定めた私の命もそう長くないだろう


私が死に モンナグンジャ パユン マッコヘ ビラン…
皆が死んだ後

高句麗が攻めてきたら
ヨグンの治める百済がその攻撃を阻めるだろうか!!



そこまで考えが至らなかったと猛省する家臣

マッコヘなど…


臣、マッコヘ 私はヨグン王子様に顔向けできない罪を犯しました

ヨグス王子様が太子になれば、王様の苦労が軽減されると

たわけたことを申しました!

償いに先鋒にたちます!!



このやり取りをヨグン王子がすべて…立ち聞きしていました

チング姫を陰ながら見送った後

ヨモンに東屋に行くように言われてやって来ていたのです




右矢印ヨグンは自室に戻ると筆を取ります

まず、大きく 大和 と書き…


クンチョゴワン 王妃 ヨグスへ3通の手紙を書き

夜道を馬を走らせます



右矢印郁里河の船着場


風向きが悪く、出航は明日になりました


一人 酒を飲むヨグス王子の元へ、ヨグン王子がやってきました


夜が明けるまで一緒に酒を飲みましょう!!




右矢印夜が明けました


顔に射す朝日で目覚めるヨグス

寝過ごした!!


飛び起きて窓の外を見る
あ!船がいない!!


慌てて船着場へ走る

倭国へ行く船は何処だ!


日が昇る前に出航しました!

私が乗っていないのに出航したというのかっ!!



右矢印海上に浮かぶ百済の船

  
デッキにアジッキとチング姫


そこへ、ヨグン王子も

お目覚めですか?とアジッキ

微笑むチング姫


ついに海路に出たな…と晴ればれとした顔のヨグン王子

デッキに手をついて別れの挨拶をします




右矢印ナムダンの招集 太鼓がドンドンドン


立太子礼の日を迎えました!

王妃はお化粧中…


そこへ侍女長・チヒ(マッコヘ妹)が飛んできました

大変です!!!


ヨグン王子がいなくなったのです

ヨグンの置き手紙を読んで…オロオロと泣き崩れる王妃


兄上を…兄上を呼んで…



右矢印東明殿・ナムダンの王の机にもヨグンの置き手紙

でっかく書かれた 大和 !!


「父上は私に、王とは不可能な夢を抱く者と、おっしゃいました

父上が王になる前の百済には、国として何の夢もありませんでした

ただ、王室の安危を案じ、王位継承がどの大王系に移るかを案じ

高句麗の侵攻に怯えるような国でした


父上は側近の誰もが不可能と思う夢を抱いていました

遼西~枕弥多礼(チンミダレ)まで征服

祖先の地である遼東の奪還を目指されました

2千里の海路を開き、百済の文物を広めようとしました」




右矢印コムジェ別宮で沈思黙考するクンチョゴワン

モンナグンジャを呼び、ナムダンを再度招集する

ヨグスも呼べ!と



席に付くなり


”ヨグス王子を太子に立てる”と宣言


なりません!とヨグス

王様!!ヨグンを見捨てるのですかと王妃


百済の太子はヨグン王子様だけ!!

軍船の出航の許可をください

ヨグン王子様を迎えいきます! と、ビラン



私の話を聞いてから出発しても遅くはない…

ヨグァンよ 権力とは何か?



得難く、捨てがたきものです

執着や血統で得られるものではなく

天が授けます

権力への執着が消えた時

天に代わって民を見守る使命を得ます

それこそが権力です



クンチョゴワンは言います


”省知殿の王子で、私の息子ヨグンは崇高な心を持つ

百済は王位継承権を巡って争いを続け、コイ大王系 チョゴ大王系

が殺しあってきた

しかし、ヨグンは先王たちとは違い、百済の為に決断した


王子の決断は私が果たした馬韓 伽耶への攻略

帯方の奪還にも劣らないものだ


ヨグスを太子に立てることに反対の者は?”



既に、ヨグン王子様は大志を抱き

次の王位を辞退されました

臣下が異を申せましょうか?  とサ・ギ



”王妃 … 王妃が最後まで反対するなら

郡公をヤマタイへ行かせ、ヨグンを連れ戻し、太子にする

王妃の意思が聞きたい…”



ヨグンの手紙の言葉がよぎる…王妃

「このヨグン心からお願いします

兄上を太子に据え、太平なる百済を築いてください

私はこの上なく尊敬する父上に、安らぎを与えたいのです…」



”すでに私の息子ヨグンは、度量が狭い母を越えました

海や山のように大きくなったのです

母である私は、息子の想いを尊重するだけです”


椅子から崩れ落ちていた王妃

すっと立ち上がると、クンチョゴワンに一礼し


”ヨグスを…私の長子 ヨグスを太子にお立て下さい”



王妃様ぁ~~~と嘆き悲しむビラン ああ~~~

へたりこんでしまいました



宣言!!!


”百済の13代王・夫餘句は 
ワヌォル堂の第一王子ヨグスを
百済の太子に立てる!”





右矢印数年後…ヨグの還暦祝い



白髪が増えた家臣たち


祝いにやってきた客を出迎えています

新羅の、後の18代王・シルソンも来ました



右矢印安平殿


傍らのヨグス太子に

今も気力は衰えず、遠くもはっきり見えるのに

近くが見えないとは実に不思議だ…なんてぼやいています


コ・フンがチビ弟子(後の王仁)と鍛冶師セノ(ウルマフル)を

伴って入室してきました


百済の歴史書「書記」の草案がまとまり

第一巻の清書ができ上がったので、献上です



セノが持っているのは コ・フン特注の 七支刀

美しい…

神秘的!と感激するクンチョゴワン



コ・フンは言います

王がかつて、我々を裏山に伴い、お話くださった言葉に感銘を受け

王の想いが込もった剣を作るように依頼しました


剣の中心は百済

枝は三韓 伽耶 遼西 靺鞨族 倭国を表します


7振りが作られています



そこへ


ビランが嬉しそうに入室 ニコニコ

ヨグン王子様の船が到着します!と



右矢印安平殿の王の傍に集う王族


王妃 ヨグス太子と許嫁のアイ

ヨモン ヨジン姫とサ・ギ


そこへ、ヨグンがチング姫と帰ってきました



老いた母の目に浮かぶ涙を見よ

なぜ、一度も連絡しなかった?と父王



父上の還暦を祝う準備をしていました

今までヤマタイの王族と貴族の抵抗を受けつつ

百済の文化を伝えてきました


次はヤマタイの名の下、列島の征服を始めます( ̄ー ̄;

それが父上に贈る私からの祝の品です



ありがとう チング

そなたの内助の功のお陰でヨグンは真の男になり

王の風格を備えた…と王妃




右矢印東明殿 



全員シーーンとしています

後列には各国の来客?が並んで…!エライ蛮族ですな~~


どうやら…慰礼公・ヨグァンが還暦祝いにまだ来ない


!?


まさか…なんて言ってると


遅くなりましたぁ~とヨグァンがやってきました

燕との戦いで遅れてしまいました!!

息子のように慈しんで見やるクンチョゴワン

その眼差しに答えるヨグァン

ヨグァンにも父親代わりの人ができてよかったネ…


そのお祝いの品は


貂の革と黄色の布で作った陣羽織


黄色は中原の皇帝が身につけるものなのに?という問に


”中原は五胡が争い、混乱に陥っています!

大陸の王は、誰も王様のような帝国を築けていません!

王様こそが、天下の主で、真の王と言えるでしょう!

是非とも皇帝の色を!!”



”私は皇帝の称号や、色にとらわれたりしない

しかし、百済はハンタンの中心で、四海の中心である

これより、黄色を百済王室の色に定めよう!!


この七支刀に込められた百済の志を
ハンタンの統合を目指す私の想いを
そなたたちは一時も
忘れてはならない!


私の手元にもう一振りある!

高句麗の分だ!

最後の一振りが行くべき国

高句麗を攻める!!”




右矢印夜空を仰ぐアジッキ

何を見ているのですか?とチビ弟子

天文を見ている と…

そなたを連れて、再びヤマタイへ行く

戦場へ行けないのがなぜか不安だ


天の北極から流れ星が堕ちる!


(巨星が堕ちるのを見て、諸葛孔明の死を知る司馬懿みたい…)



右矢印書庫で「書記」を読むクンチョゴワン


ピリュ王の亡霊が現れました

父と息子の会話


もう十分偉業は達成した

自分を急き立て、鞭打たなくてよい…と父


ふっと消える…



右矢印高句麗 親征


そなたたちの旗が黄色なのは

我々が天下の中心である、王様の兵!ということだ!とチン・スン


我が百済は、名実共にハンタンの覇者であり!
天下の中心!

そなたたちの行く所

黄色のナトウ旗がはためき、
全てが我が百済の領土となる!!


兵の士気を高めるべく気炎が上がる


国内城(クンネソン)を攻め落とし

高句麗を統合しハンタンを統合せよ!!~~~オ~オ~~!!!




右矢印郁里河 船着場近く 


軍略会議中のヨグス太子と家臣一同


海路で浿水(ペス…清川江)の上流に下り立つ

敵の意表をつく上陸作戦だ


これなら冷静なグフも慌てることだろう!

軍船の出航準備OK!

王命を待つのみ


父上を呼んできましょう!とヨグス太子





クンチョゴワンこと、餘句王の最期



右矢印神木の傍に佇むヨグ王

見下ろす海には出航をまつ船団


ヨファが結んだ黄色の髪紐を解いた時

胸をウッ!と抑えます


苦しそうに胸を抑えながら

木の下の椅子に腰掛け


父上…ここまでですか?

私の命はここで尽きるのですか?


ヨグスよ…
王とは、不可能な夢を抱く者

民と共にその夢を叶えようとする者



…ヨグは腰掛けたまま息を引き取ります…



-----------ナレーション-----------


AD375年  崩御

近肖古王の名を諡される


在位30年

近肖古王は、民族史上初となる朝鮮半島の統合を目指した


果たせず逝った近肖古王の夢は
我々子孫に託されたのである…