嵐ファン、BL、二次制作にご理解のある女性のみフォロー歓迎。それ以外のフォロー申請は即否認致します!ご了承ください。櫻井翔くん右固定で腐った妄想小説を多数お送りしていますm(_ _)m詳しくは初めましての方向けの記事をご覧下さい( ´ ꒳ ` )
おはようございますみょるにるです今朝ね、驚愕したんですよ。に、2キロ戻っとる((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル5月から8月末にかけて、一時は4.5キロ減らしたのになんか戻っとるぅぅぅもちろん、全部じゃないですけど、約半分近く……この前114日ぶりに来た女の子の日が終わったんですが、大体私はそれで1キロくらい減るのに、今回全然減ってませんこれ、ちゃんと見とかないとあっという間にもどっちまう……何が原因だろ……ってまぁ、多分食べ過ぎてるんでしょうね、どこかで。ずっとあすけんで管理はしてたんですが、入力漏れしてるのかなぁ(´ε`;)ウーン…全部の食品を網羅してるわけじゃないし汗とはいえ。年末には息子妊娠以来抜け出せていない大台を抜けたい気持ちがあるので……お話作りに集中出来れば余計に食べないとは思うんですよね💦(基本熱中すると食事抜けても平気なやつw)見通し甘いかなぁ……ちょっとシルエットが戻って来た(太い方に)気がしてたのは気のせいじゃなかったーん(´Д⊂グスン気をつけます〜……さて。今日頑張れば明日は息子の初めての中学校の体育大会でお休み取ったから、お休み。つまり図らずも三連休……なんだけど、今日年金の日だぁ〜((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル無事に終わりますように……みょるにるでしたこの前のさとラジが今日までだったから急いで聞きながら、仕事行きます〜株式会社嵐の社長、四宮氏がゲストのやつw島民は23:59まで聞けますね
こんばんはみょるにるです✨️こんなん作りました🍇🍇材料🍇粒デカ目のぶどう(巨峰やピオーネなど)1キログラニュー糖500g鍋にぶち込んで混ぜ混ぜ〜ガスコンロ汚くてすいません汗10分煮詰めると……はい、完成ぶどうシロップ🍇夏に作った梅シロップが底をつきまして。赤しそジュースもとうになくなりまして。年中作れるジンジャーシロップとかコーラの素を作るのもいいんですが……季節の何かを作りたいなって思い立ち。材料揃えて作ってみました(*ノω・*)テヘ材料費的には……決してお手軽にバンバン作れる感じではありませんが苦笑(ソーダ割りにして1杯70円〜)美味しいですこういうの作ると、市販のジュースにはどれだけ砂糖が入ってるのかと怖くなります……大事に飲みます🍷三連休あっという間でしたね。個人的にめっちゃ動いたのは1日目と2日目でしたが……2日目はたくさんお話の更新が出来たので良しとします(´∀`*)ウフフ楽しんでもらえてると嬉しいなあとプーさんタイムラジオ、めっちゃ癒されません?翔くんが美人さんなのは言わずもがな……最近、のえるも好きなんですよね……今日のイベント当たった人マジうらやま〜今日はトラジャの新曲MVがYouTubeにアップされたんですけどみんないいんだけどのえるの色気がやっべぇ約一ヶ月前、後輩に勧められたときは特に何も思わなかったんだけどなぁ……ちょっと色々悩み中……ちなみに。今日はニノちゃんのアルバムオフィスにのホールディングス盤が予約最終日。これは予約するつもりです今日までの購入期限のやつも少しだけ……アルバム2枚、写真、アクスタ、ブックレット合わせて14000円も買っちまいました苦笑……翔くんのグッズ、また欲しいなぁみょるにるでしたちなみに、こんな粒見つけました。双子!?いや……蝶々🦋??
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー次の日から数日間、俺はさらに目まぐるしいほどの過密スケジュールに追われた。櫻井組の解体最終調整。二宮組への資産や権利譲渡に伴う各種手続き。もちろん俺はフロント企業をいくつか抱えてるから、そっちの経営指揮だってやらなきゃいけない。それから、上部組織である虹嵐会への顛末報告に、海外にある古株たちの資産の回収は待ったなしだ。追放した櫻井組古参幹部の残党が裏で不穏な動きを見せないかの監視も欠かせない。……今のところ野垂れ死んでないみたいだから、油断は禁物。西畑を翔ちゃんにつけてるから、正直人手が足りないけど、並の極道なら音を上げるような膨大なタスクも、ゲームだと思えばそんなに苦じゃない。ま、他の奴らは到底無理だろうけどさ、なまじ俺は出来ちゃう。そんなわけで、俺は圧倒的な処理能力と冷徹な采配で次々と案件を片付けていった。……まぁ、俺が淡々とやってる側で、西畑から借りた若頭補佐たちは全員グロッキーな顔してたけどね。その多忙な合間を縫って、俺が取り組んでたのが、櫻井組の若い衆一人ひとりとの面談。翔ちゃんは全員をカタギにしたいと思ってたわけだから、こっちとしてもそうするのがベストかと思ってたけど……やっぱりさ、適正ってあるじゃない?どうしてもカタギでは暮らせなさそうな奴も中にはいるって、俺は思うんだよね。だから、カタギに行くのかそれとも二宮組の下働きとして入るのか……一人ひとりの適性と希望を見抜き、手打ちを進めていった。カタギになると決めた奴らには退職金を積んで、就職を斡旋したし、うちに入ると決めた奴らは、俺に絶対服従を誓わせて受け入れた。……不問になったからって、本家は彼らを受け入れないのはわかってたし。そうやって翔ちゃんが何年もかけてきたことをほぼ理想どおりに……俺は着々とこなしていった。そして最後に残されたのが……最も翔ちゃんの近くにいた上田、増田、菊池の三人衆だった。「……さぁて」本邸の執務室。俺はソファに深く腰掛けたまま、鋭い眼差しで三人を見上げていた。あの会合から数日、三人とも少し緊張して見えるのが面白かった。無理もないかな。自分の組長は自分たちの前で成す術なく俺に攫われて、裏切り者とはいえ、古参幹部はあの世行き、最終的に解体まで着手してるわけだしね。「単刀直入に聞こうかな。どうする?櫻井組は聞いての通り解体になったから、翔ちゃんはもうお前たちの組長じゃない……俺の下で働く? それとも、カタギになる?」「「「………」」」悔しそうに拳を握りしめる三人に、俺はふと浮かんだ疑問を投げかけてみた。「前から不思議だったんだよね。なんであんたらは、あそこまであの人に心酔してんの? いくら前組長の一人息子だって言っても結局さ、組をまとめきれなかった挙句、組を畳もうとした生半可な組長なのに」「生半可なんかじゃねぇ!!」「!!」「上田っ」上田が激昂し、あわや俺の胸ぐらを掴みそうになったのを、増田が隣から静かに制する。……翔ちゃんに一番心酔してただけあって、命知らずなところは嫌いじゃない。……けどさ、翔ちゃんに命がけで庇ってもらってんだよねぇ……「………」「……申し訳ありません」無意識に殺意を瞳に浮かべたことに気づいたのは……上田がソファに座り直し、頭を下げて来たからだ。俺は唇の片端を上げた。「……今日はいいけど、次やったら許さないよ?」「………」「……で?翔ちゃんが生半可じゃないって何?」脅しをかけつつ、気になるのは彼らの翔ちゃんへの忠誠心の根っこ。すると増田が静かに……けれど熱を帯びた声で語り始めた。「……兄貴は元々、お袋さんに連れられて幼い頃に極道の世界を出たんです。前組長はそれを追わなかった。正式な離婚だったと聞いてます」「……へぇ?」そういえば、どうして翔ちゃんがカタギになったのかは知らなかった。俺の知らない昔の翔ちゃん、興味がある。俺が視線で続きを促すと、増田が口を開いた。「お袋さんは兄貴にずっと『ひっそり生きろ』と言い続けていたそうです。そして兄貴が高校生の時に亡くなる際には、『絶対に極道の世界には戻るな、あなたには向いていない』……そう言ったと聞いています。前組長は援助を申し出たそうですが、兄貴は頑なに断って、高卒で働きながら学費を稼いで大学にも行って……」「………」前のめりになるのは何となくプライドが許さないけど……初めて聞く内容に、耳をそばだてる。ってか、母親は気づいてたんだね、翔ちゃんには向いてないってこと……俺が黙っている間も、増田は話し続けた。「前組長が病に倒れて以降、櫻井組は徐々に壊れていきました。組長が動けないことをいいことに、若頭や取り巻きの年寄りは好き勝手して……俺たちを虐げるようになりました。このままでは組は壊れてしまう……そんな危機感を俺たちは持っていたんです。そしていよいよ前組長の容態が悪化した時……遠い昔に生き別れたご子息の存在を知りました」「………」「前組長の危篤と組の窮状を伝えるために、一般人としてカタギに馴染んでいた兄貴を独自で探して、俺たちは会いに行きました。最初は拒まれました。当たり前です。お袋さんとの約束があったんだから。でも……何度も必死で頭を下げて……やっと前組長の元に連れて行けたんです」……櫻井の親父さんのことは覚えてる。うちの親父とはお世辞にも仲良くはなかったけど、俺のことは事あるごとによく褒めてくれたっけ。もしかしたら、俺のことをどこか息子みたいに思ってたのかもしれないね……翔ちゃんに拒まれてたんなら。入院したって聞いて、1回くらい見舞いに行こうかと思ってたんだけど、俺もあの頃忙しかったからね……あっという間に死んじゃったんだよな。増田によると、死の間際の親父さんは大きくなった翔ちゃんを見て、心底嬉しそうに笑ってこう言ったらしい。——大きくなったなぁ……若い衆のために、組を頼まれてくれねぇか、翔……ことん、と胸に何かが落ちた。増田はぎゅっと膝のうえに置いた拳を握りしめて言った。「兄貴は今まで、カタギとして暮らしている中でもご自分の出生を考えて、いろんなものを諦めて生きてきた人でした。自分の幸せも、やりたいことも……っ」「………」「お袋さんは兄貴のためを思って離婚した。組長は……それを汲んで兄貴のことをそっと見守っていた。兄貴がカタギだったのは、ご両親の意思だったと思います。それでも……兄貴は俺たちのために泥をかぶることを選んでくれた。学のない俺たちに一から勉強を教えてくれて、カタギに戻すために自ら頭を下げに行って……! 兄貴は俺たちに生きる意味をくれたんです!」「俺たちは……兄貴に命を救われたんです。あのお方が命をかけてくれたから、俺たちも命を張る。それだけです……」ともすれば増田に吊られて泣き出してしまいそうに、涙をじわりと滲ませて言った菊池。上田も固く頷いた。部屋に重い沈黙が流れる。自分の前で見せていた、意地っぱりで、必死で、それでいて甘くて、気高い姿。 出来ないことを出来ないって言えないんだろうな。どうしてそんなに必死なの?結果的に自分の首を絞めてしまう姿を、ちょっと小馬鹿にしてたと思う。でも、何一つ自分のために望んでこなかった翔ちゃんが、『他人のため』に生きる理由を見出した……それが、あのボロボロの櫻井組だったんだ。(もう大丈夫だよ……俺がそばにいるからね……)自分を救ってくれた初恋の人は、大人になっても変わらず、愚かしいほど真っ直ぐで、美しい。ただ仕方なしに担ぎ上げられて、乗せられた上での……ヒーローごっこじゃなく。根っからの聖母気質だったってことだ……翔ちゃんは。……あの頃と、変わらずに……「………」……本当に、バカな人。胸の奥が、ぎゅっと熱く締め付けられる。感心と、尊敬。そしてそれを上回る、甘くて仄暗い独占欲。若い衆まで虜にして、中々独り占めさせてくれない、高嶺の花。だから欲しくなる。……俺だけを見てほしいと、叫びたくなる。「……なるほどね」くすりと小さく笑うと、三人に向き直った。「……よく分かったよ……いい度胸だ。お前たち三人は、二宮組で使ってあげる」「え?」「は?」「………」俺の言葉に、三者三様の反応。それを一瞥して、ソファから立ち上がった。「感謝しなよ? 翔ちゃんが命懸けで守った舎弟なんだからさ」「………」「せいぜいしっかり働いて、役に立ってよ」翔ちゃんの誇り。大事に抱えてたお荷物。その全部は、俺が引き受ける。もう、楽になっていい。俺ならそれが出来る。これで翔ちゃんは……一生俺から離れられない。……そしたら、俺だけを見てくれるよね……?「お前たち含めて、櫻井組の面々の配置はまた追って連絡するから、覚悟しといて?」にんまりと笑ったこの時の俺は……長い時間をかけたゲームの完全クリアが見えて来て、全能感に満ちていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーとりあえず連休終わり、連投はこの辺で終わっときます汗。今週、もし暇だったらまた書くと思いますが、、どうかな。。それにしても、連投したやつ全部3000字超えでしたけど、みなさん大丈夫だったかな……苦笑。
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらニノちゃんSideですーーーーーーーーーーーーーーーーーーーその日、俺は久々に経営しているフロント企業の社長室に出勤していた。櫻井組関連で、翔ちゃんを屋敷に閉じ込めた日からは、頼まれた通り秘書たちが滞りなく回してくれてた。おかげで、特に何も問題は起きてなかったんだけど、それでもしばらく出社していなかったから仕事が溜まってたんだよね。でも、それもたった今片付けたところ。「ふう……」立ち上がって大きく伸びをして窓の外を見ると、外はすっかり暗くなっている。どうやらめちゃくちゃ集中しちゃってたみたい。「休憩しよっかな……」最近バタバタしていて、一息つく暇もなかった。秘書に何か頼もうと、机の受話器を取ったところで、ドアがノックされる。「はい」「和也さん、俺です」「西畑?いいよ、入って」受話器を置くのと、ドアが開くのはほぼ同時。入ってきた西畑は、茶封筒を胸に抱え、珍しく深刻そうな顔をしていた。「どうしたの?俺、今日は呼びつけてないじゃない」 西畑にはしばらく翔ちゃんの周辺にいてもらうように言ってた。正直言えば、お世話は全部俺がしてあげたいし、翔ちゃんに俺以外の人間を不用意に近づけたくない。……ほとんどが嫉妬なのは認めるけど、それだけじゃない。翔ちゃんの安全のためでもあるからね。櫻井組の古株の末路は見届けたけど、万一のこともある。生き残りは俺への憎悪がピークだ。それでも何人か見逃したのは……どこに泣きつくかを見極めるため。……そこを抑えれば、今度こそ……翔ちゃんは安心出来るはずだから。じいさん先生は医者だから仕方ないとして、身体がいくらあっても足りない今の俺が翔ちゃんの世話を頼めるのは……西畑しかいなかった。何か急用があるなら、西畑は連絡をいれるはず。……連絡もなく直接、こちらに来るのはほとんどないのに。そんな西畑は、そっと茶封筒を俺に差し出した。「……申し訳ありません、和也さん。翔さんが制止も聞かず無理やり……止められませんでした」「は?」平身低頭で謝罪する彼の手から、茶封筒を受け取った俺は、すぐさま中身を確認して、思わず目を見開いた。「……嘘でしょ……?」所々皺の寄った書類。書き殴られた、歪で気高き署名。その数……十数枚。翔ちゃんの右肩はまだ……少しの力を入れるのも許されていないのに。普段とは比べ物にならないほどに歪んだ文字は、最後の数枚になればもはや……とても読めたものではない。左手で書いたって言うの……?でも、それならこの付着した赤黒い血痕は……「はっ……ははっ……」思わず苦笑いした。呆れた。ホント翔ちゃんって……無茶ばかりする。「……本当にお馬鹿さんだなぁ、翔ちゃんは。どうしてわざわざ痛い思いしにいっちゃうかな……代理を立てればいいのに」怪我の治療に専念して欲しいから、わざわざ弁護士先生を急かして書類を用意したけど、署名が出来る状態じゃないのは百も承知。……代理を立てることを許さないほど、俺は冷酷じゃないつもり。上田でも増田でも菊池でも……誰でもいいから頼めばよかったのに。ついっと、紙面をなぞる。あれだけ組員のためにって啖呵を切っていた人が、組を自分の手で終わらせて、大切にしていた組員の命を全部俺に差し出してきた。この血と署名は……俺への意地と隠しきれない悔しさの証明なのかもしれない。「……やっぱり可愛いな……翔ちゃんは」凛として意地っぱりで、気高い。甘い歓喜が、胸をゾクゾクと満たす。ニヤけが止まらない。とはいえ、この出血……もしかしなくてと傷が開いてるよね……「先生には連絡した?」「あ、それが……」 西畑が答えようとしたその瞬間、俺のプライベート用のスマホが鳴り響いた。「はい、もしも――」『おい、二宮!!てめ、どうゆうつもりだっ!?』「っ!!」耳がキーンとなって、思わずスマホを離す。今話題に出ていたじいさん先生は、電話の向こうで派手にキレていた。 西畑にも聞こえたらしい。気まずそうな顔をした。ずっと前からそれこそガキの頃から診てもらってるからか、この先生にだけは俺、頭が上がんないんだよね。今の俺にこんな口叩けるなんて、ある意味最強かも。説教を甘んじて受ける覚悟を決めて、スピーカーボタンを押すと。『聞いてんのかあっ!?和也っ!!!!』「はいはいはい、聞こえてるからちょっと落ち着いてよって。音が割れて何が何だか分かんないんですけど」そう言うと、電話の向こうの先生はほんの少しだけ声のボリュームを落としてくれたけど。『俺は絶対安静だっつっただろ!?お前、意味分かるか!?絶・対・安・静!!なのに何だあれは!?自分から傷口開くようなことさせやがって』「あ、やっぱ開いてたん――」『何がやっぱだ、馬鹿野郎がっ!!』「あー……」辟易としながら西畑を見れば……しゅんとなっている。また怒られてる気分になってるんだろう。 ……これは、西畑も相当絞られたんだろうと簡単に予想がついた。先生はますますヒートアップする。『いいか!?縫っては開いて、縫っては開いてってな!俺は暇な裁縫屋じゃねぇんだぞ!?俺はな、医者だっ!わかってんのか!?』「わかった、わかった。ごめんってば」これ以上は鼓膜が死ぬ……そう思って、俺は静かに尋ねた。「それで、翔ちゃんの具合は?診てくれたんでしょ?」『……命に別状はない。だが傷が開いて熱が上がってる。鎮痛剤も追加で投与したが、しばらくは痛みと熱で酷く魘されるだろうな。尿道カテーテルも繋いだ。今度こそ絶対安静だ。じゃなきゃ綺麗に治らねぇからな。俺の腕に泥を塗るんじゃねぇ、クソが!!』じいさん先生は、そうやってキレ散らかしながら一通り説明してくれた。『しばらく毎日往診だが、少しでも動いてる形跡を見かけたら、今度からテメェの組は全員麻酔無しで治療してやるからな!』「わかってるよ……しばらく静かに寝かせておくから」『絶対だぞ!……はぁ……ったく』「ホントにありがとうね、先生。頼りにしてるよ。じゃあもう切る」『……和也』「もう何?先生」また説教?と思って身構えた俺の耳に聞こえてきたのは、静かな声音。『お前、あいつに何言った?』「……は?」 一瞬、どういう意味か、分からなかった。あいつって、多分じゃなくとも翔ちゃんのことだよね?「何で先生がそんなこと聞くの?」『……覚えがないならいい。じゃあな』変なの……スマホの終話ボタンをタップして、改めて俺は書類を見つめる。じいさん先生は口は悪いけど、優秀な医者だ。元々キレやすい先生だけど、あんなに文字通りの激ギレ説教は珍しい。……それだけ、無茶をしたということなんだろう。……翔ちゃん。ホント素直じゃないんだから。最初から全部俺に任せてたらよかったのに。そしたらこんなに痛い思いも……しなかったのに。西畑をちらっと見返す。西畑は面立ちと体格から、初対面に舐められやすい奴ではある。でも、吐き気を催すような俺の現場を見ても、眉一つ動かさないくらいには肝が座ってるし、相当数修羅場を潜り抜けてる。その西畑が……止められなかったという翔ちゃん。(二宮の愛人に成り下がった?だったらどうした!?俺はてめぇらと違って組員を守るためなら何だってやる。この頭も、この体も……あの二宮だって利用してやるよ!!)あの時、古株たちは翔ちゃんの気迫に圧倒され、若い衆は歓喜に湧いていた。カタギだったけど、翔ちゃんは時折とてつもなく人を惹きつけ、圧倒する。無意識に。……これが才能じゃなくて、何なんだって言うんだろう。「……西畑」「はい」「櫻井組の若い衆、全員集めて」俺が短く伝えると、西畑は目を見開いた。「翔ちゃんがここまでして俺に頼んだんだからね。完璧にしてあげないと」書類に残された血痕は、花びら。圧倒的に美しく咲き誇った大輪の花は、志半ばで散る姿すら……俺を魅了する。心配しないで、ゆっくり休んでね、翔ちゃん。貴方の願いは俺が叶えてあげるから……今は熱で魘されているであろう、翔ちゃんのことを想い、俺はため息をついた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー今日も書けるうちに書く!家事そっちのけw
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー櫻井組の……解体。改めて言葉にされると……実感が湧いて、激しく心臓が波打つ。息が、荒くなっていく。いずれは、自分が成し遂げようとしていた……でもそれは構成員全員、何かしらの形で出ていってもらった最後に……って。まだ途中だった。ほとんどが組に残ったままなのに、こんなに早く……っ。衝撃を受け止めきれていない俺をよそに、西畑は淡々と言った。「櫻井組幹部の海外にある資産は早急に回収して、本来櫻井組から本家に払われるべきだった上納金として納める手筈になってます。若い衆の処遇についてもこれから徐々に決めていくつもりです」「……」「本家は、追加で上納金を納めることで、櫻井組の若い衆は不問とするそうです……そして、翔さんを含めた幹部の始末は、和也さんにすべて委任されました……ですので、こちらで古参幹部の始末はつけさせていただきました」「……」「……もちろん、翔さんはこれからもこちらで手厚く保護をさせていただく所存です。どうぞ安心してくださいね」追い討ちをかける西畑の言葉が、右から左へ抜けていく。本家への根回しも、始末も……完璧過ぎて言葉も出ない。仕事の速さと規模は……もはや俺が手に負えるラインを超えている。理想を掲げたはいいが、数年かけてもスタートラインから爪先しか進められなかった俺。それをあいつは……半年も経たずにゴールを決めてしまった。父親から預かった命も今は……二宮の手の中で。あんなに必死で守ろうとしたものが、手のひらから零れ落ちていく。崩れ去っていく。何をして来たんだろう、俺。「まだ詳細は決まっていないのですが……彼らが望むならカタギに戻れるよう、力は尽くすと和也さんは仰ってます。だから翔さん……どうか心配されずに、怪我の治療に専念してください」「……」「和也さんはああ見えてちゃんと、約束は果たす人ですから」あいつが、約束は果たす人なら。……俺は、果たせなかった人。さっきからミシミシと右肩が軋んでいる。今は少しの筋肉運動も許されてないのに、体が勝手に……小刻みに震えてるから。心が痛いと……叫んでいる。今、口を開いたら泣いてしまいそうで、ぎゅっと唇を噛みしめる唇は鉄錆の味がした。「翔さん、あの……大丈夫ですか……?」「…っ……」同情めいた声音に、ほんの微かに怒りが戻ってくる。この状況で、どうして大丈夫だと言えるのか。今までの自分を捨て去って、母親との約束を破って……決死の覚悟を持って組の立て直しを図ってきたつもりだった。……人生を……かけて。それなのに……結果はどうだ?古株たちは、長く仕えていたはずの本家を欺き、破滅した。その部下に莫大な借金を背負わされた俺が、どうにも首が回らずに行き着いた先は……二宮の愛人。あんなに綺麗事を叩いておいて……若い衆の家を守り切ることはとうとう出来なかった。……これ以上に滑稽なエンディングがあるなら……教えて欲しい。(一人じゃ何も出来ねぇ甘ちゃんが、組員全員救うとかバカみてぇなこと言ってんじゃねぇぞ?)(何が『組長』だ。何が『護る義務』だ! 一人じゃ何一つ出来ねぇくせに!!)(てめぇに何が出来るんだよ?頭でっかちにぐちゃぐちゃと引っかき回して、組を潰そうとしてんのはそっちじゃねぇか!)(結局さ、櫻井組を完全に潰したのは翔ちゃんじゃんね)古株と……二宮に言われた言葉が、交互に聞こえてくる。あぁ……俺……俺は……(大人しく俺の腕の中で、息だけしてればいいんだよ)……大人しく……息……だけ……黙り込んだ俺をどこか痛そうな目で見た西畑は、やがて決意したように、弁護士に目配せをした。それを合図に、弁護士は持ち込んだアタッシュケースを開け、何やら大量の書類を取り出す。少し咳払いをすると、弁護士はそれらを1ページずつめくり始めた。「それでは、説明をさせていただきます……」弁護士の話す内容を、俺はどこか遠い国の出来事のように聞いていた。視界の端に二人を映したまま、相槌もせずに、ぼんやりと天井を見て過ごすこと、十数分あまり。弁護士が言った「櫻井組が抱えていた負債の完全相殺、ならびに所有物件の権利移動につきましては、すでに手配が完了しております。本日はそのご報告のみでございますので、櫻井様の署名および捺印につきましては、体調が全快されてから後日改めて伺わせていただきます」……俺の、署名?視線を下げると、弁護士が広げた書類をしまい始めていた。ぼんやり見つめる先には、一つの書類の山。一番上にあるのは……櫻井組の解体届。多くを清算して、手元に残る資産はほんの僅か。譲渡先の署名には、先に記入していたんだろう。既に二宮のフルネームが直筆があった。負債は残っているが……それは古株たちの隠し財産から上納金を差し引いて賄われる。それでも足りない分は、二宮が支払う……さっき、そんなことを言っていた気がする。( 言っとくけどさ……今すぐどころか、こんな金額、翔ちゃんのところじゃ天地ひっくり返っても返せないよね? ……ってか、一番その懐事情を分かってんの、翔ちゃんでしょ?)(俺がこの件を引き取らなかったら、翔ちゃんどうなってたと思う? 上手く対処出来た?……甘ちゃんなのも、いい加減にした方がいいよ)俺がこれに署名をすれば……全てが終わる。俺の人生を捧げようと決めた全てが。(甘ったれてんじゃねぇよ、カタギ風情が!!)「では……」弁護士が書類を片付け、西畑とともに立ち上がったその瞬間……言葉が口をついて出た。「……ペンは?」カサカサに掠れた声が、室内の静寂を切り裂く。説明の最中一切喋らなかった俺が、突然口を開いたからだろう……弁護士と西畑が「え?」と同時に動きを止める。そして、信じられないと言いたげに、二人して大きく目を見開いた。「っ……つ……!」布団の上に上半身を起こそうと藻掻く。いつもなら動作もない動きが、まるで地獄のようだった。深呼吸して、襲い来る痛みに備えようと思ったが……右肩の痛みは体全体を激しく内側から燃え上がるような悲惨さで、額から冷や汗が筋となって滴り落ちた。西畑が慌てて止めに入った。「翔さん!? ダメです、今体を起こしては!」「……いいから、書く……」「無茶です!先生が絶対安静だとーー!」「書くって言ってんだろうが!!」「!!」勢いまかせに左手を払うと、ペットボトルが吹っ飛び、西畑の目の前を横切って、端に転がる。唖然とする西畑や弁護士を横目に、歯をギリギリ食いしばりながら、俺は文机に全身でしがみつくようにして上半身を起こした。途端に右肩からプチプチと嫌な音が響き、燃えるような痛みが酷くなり、息が詰まる。痛みだけじゃない。ずっと横になっていたところから起き上がったことで、急激に脳への血流が急降下したことによって、激しい目眩が俺を襲う。頭がグラグラして、猛烈な吐き気が喉元まで込み上げてくる。胃液の味を感じつつも、西畑を見上げた。「……書類と……ペンを……」「……っ」「……今、書く……から……」西畑は息を呑み、俺に伸ばしかけた手をピタリと止めた。絶望に身を焦がしていたはずの俺が、これほどまでに凄んで無茶をするとは、思ってなかったんだろう。弁護士もまた、俺の圧倒的な気に気圧されたのか、カタカタと手を震わせて、アタッシュケースを開け、先ほどしまったばかりの書類と自分の高級そうな万年筆を差し出した。「……」視界がぼやけて、文字が霞む。右手は包帯で固められ、指先一つ動かせない。グラグラする視界の中で、それでも俺は迷うことなく、慣れない左手で万年筆を握りしめる。……俺が、潰したんだろ……?二宮の小馬鹿にしたような顔が、頭を過ぎる。その顔に向かって……いつか、あいつに唾を吐きかけた時のように、心の中でで吐き捨てた。……だったら……お望み通り、俺の手で完全に終わらせてやる……!破れかぶれの意地と、深い絶望に急速に冷えていく、胸の内。自棄っぱちと言われても構わなかった。この笑えない喜劇に、自分で終わりを告げると決めたんだから。「ぐっ……つ……う……っ」痛みで震える左手に無理やり力を込め、書類の署名欄にペン先を走らせる。無理な体勢をとったことで、右肩の傷口がさらにミチミチと音を立てて引き裂かれる。包帯の下から滲み出す温かい血に、白い絹の着流しはあっという間に赤く染まっていき、シーツにもまるで花びらが散っていくように……染みが広がった。「翔さん! 傷口が! やめてください、もう十分です!!」西畑が叫ぶが、無視して弁護士を一瞥すると、肩を震わせながら次の書類を大人しく出して来た。何度も続くと終いに西畑は黙り込んで、俺はこれ幸いとより勢い任せに署名をこなしていく。ただでさえ歪んでいた文字は、後半になると……すぐ横にあるスマートな二宮の署名とは比べ物にならないほど醜くなっていた。俺が書いてるって分からなければ、とても読めたものじゃない。激痛で視界が真っ赤に染まり、全身から吹き出す冷や汗で何度も万年筆が滑り落ちそうになる。書類もぐちゃぐちゃに皺がより、汗と血が何滴も落ちた。もはや気力だけで、そこにいた。最後の1枚に書き終えた時、外は日が傾き始めていた。「……ッ、ハ……っ……」所々に赤いシミが滲んだ書類を、弁護士に向かって文机から滑り落とす。弁護士はもうすっかり怯えきった状態で、その書類を受け取ると、大急ぎでアタッシュケースに詰め込んで、そそくさと立ち上がる。「で、では、私はこれで……!失礼しました……!」この張り詰めた空気に耐えかねたのか、万年筆を貸したままだったことも忘れて出ていく弁護士を、俺はもはや止めなかった。激しい痛みに、息が上がっている。最後の方は……正直もう何の書類に署名しているのか分からなくなっていた。目眩も吐き気もピークは過ぎたが、肩の痛みは別格で……着流しの背中が汗で濡れて冷たく、思わず身震いするとまた痛みが増す。「お……お疲れ様でした……」声を絞り出すようにそう言った西畑は、ふいにスーツのポケットからハンカチを出したかと思うと、心配そうにそれをこちらへ伸ばして来た。が……俺は咄嗟に顔を背け、布団に倒れ込む。「……っ」振り払う気力も体力も、残っていない。ただ、汗を拭おうとしただけかもしれないけど……余計な気遣いは、虚しくなるだけだった。俺に拒まれた手を、西畑はややあって膝の上に戻した。「すぐに先生をお呼びします」「……いい……」「しかし、傷が開いて――」「大人しくしてたら……いいんだろ……」さらに言い募ろうとした西畑の言葉に被せるように言って、虚ろな瞳で見つめ返す俺。西畑は口を噤む。終わった。もう……終わったんだ、何もかも。後は大人しくして……ただ、息をしていたらいいだけ……「……放っておいて……」「翔さん……」西畑はそれ以上、何も言わなかった。深々と頭を下げ、弁護士の後を追うように、部屋を出ていく。「っは……っ……はぁ……」静まり返った室内に、俺の荒い息が響く。血の滲む書類の残像と、右肩の鈍痛。酸欠と貧血と、精神的苦痛のトリプルパンチに、じわりと涙が浮かんだ。……これで全部、お前のものだ……二宮。満足か……?二宮に言われるがまま、自分の手で組を殺した。無力で、愚かで、何一つ護れなかった自分への嘲笑。怪我を押して署名したのは……最後に残った矜持が故。でも、それも……もう終わり……「フフ……っ……ハハッ……バカみたい……」カラカラに乾いた瞳から、最後の一押しとでもいうように、涙が溢れては落ち、枕を濡らしていく。もう左手で涙を拭う力も残っていなくて、ただ静かに横たわる。傷つき過ぎた心が、一人でに暗闇の中へと沈んでいくのを感じた。視界がボヤケていく。周りの音も……くぐもっていく。「………」……もう、何も……考えたくない……静かに、瞼を閉じた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー一旦ニノsideへ戻りますね……
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー徐々に明るくなっていく部屋の中で、ぼんやりと天井を眺めていた俺の耳は、やがてこちらへと向かってくる足音を凝りもせずに拾った。西畑か、あるいは二宮か。「………」夜通し泣いてた身に、もう布団に隠れる気概など残っていない。この際侮蔑でも何でもいい。……心底どうでもよくなっていた。どうせ、事実でしかないから。だが予想に反して、部屋に入ってきたのは白衣を纏った白髪に太いフレームの眼鏡の男だった。手にしている黒いバッグはパンパンで、入り切らないポケットからは聴診器が覗いている。いかにも普通じゃない雰囲気を醸し出しているが、彼が恐らくは、西畑が言っていた『先生』……闇医者だろう。医者は俺が目を開けていることに気づいて言った。「おう、何だ?起きてんのか?」「………」「あ?挨拶もなしか。せっかく治療してやったのに、だから最近の若ぇ奴は……ブツブツ」文句を垂れ流しながら俺の方へと歩いてきた医者だったが、文机の上の薬が手つかずであることを見つけ、顔色をサッと変えた。「……まさかお前、飲まずにこの一夜を過ごしたってぇのか?人によったら叫びたくなるほどなんだぞ?」「……」「そんなに酷ぇクマ作るくらいなら飲めばよかっただろ?それとも手が届かなかったのか?」くっきり眉間に皺を寄せながら、まるで化け物を見るような目をする医者に、何も答えない俺。届く位置には、あった。最終的に遠ざけたけど。俺に……薬で気を紛らわせる資格はない。だって俺は……「……」俺の様子をじっと見ていた医者は、舌打ちしながらやがてパンパンの往診鞄を開けると、新しい包帯やら消毒液やらを取り出した。そして俺の布団を捲って、帯を解き、襟元を開けると、手際よく古い包帯を外していく。傷口の周りは赤黒く腫れ上がり、まるでそこにも心臓があると錯覚しそうなほど、ズキズキと痛む。容赦なく付けられる消毒液がまた染みて、一瞬顔が引き攣る。でも、夜通し痛みを感じていたからか、終いに反応するのも面倒になっていった。「終わったぞ」しばらくして処置を終え、包帯の結び目を整えた老医者は、膝を折ったまま顔を近づける。「何を意地になってんのか知らねぇが、この俺が直々に処方してやってんだ。勿体ねぇことはすんじゃねぇぞ?簡単に手に入る薬じゃねえんだからな」「……」毒づくような言い回しとは裏腹に、嗄れたその手は俺の額に何度も触れ、慎重に熱の上がり下がりを確かめているように見えた。「しばらくは絶対安静だ。俺の腕に狂いはねぇが、傷口はまだ塞がっちゃいねぇ。無理して起き上がったら簡単に開いて出血するからな」「……」「……しばらくは全部人の手を借りねぇといけねぇが、数日の辛抱だ。大人しくしてさえすれば1週間くらいで1人で飯も食えるし、便所も行けるようになる……今無理をしたら、治りはそれだけ悪くなるぞ」「……」(どうせこんな怪我じゃしばらく動けないけどね。ご飯だけじゃなく、風呂も、トイレもぜーんぶ手伝ってもらわないと無理だよ?無様だね、櫻井組元組長さん?)第三者から改めて言われると、惨めさが増す。……二宮の言うとおり、なんて俺は無様なんだろう……ジワっと瞳の表面に涙が滲んだけれど、拭う元気はとうになく、微かに熱い吐息を零すだけの俺。「……」医者は何を思ったのか……俺の顔に水で濡らしたタオルを当てた。ひんやりとした感触に目を瞑ると、枯れたはずの涙が溢れたが、タオルがそれを受け止めたらしく、枕には落ちなかった。視界が閉じられた中、鞄を開け閉めする音が聞こええくる。治療は終わったと言った舌の根も乾かぬうちに、ふいに袖が捲くられる。濡れたガーゼで拭われたと思うとすぐに、チクッとした。タオルを外され、ボヤケた視界の中で医者が言った。「点滴に鎮痛剤と睡眠薬を混ぜ込んどいた。少しは寝れるだろ」そう言うと、眉根を潜めたままの医者はバタバタと片付けを始める。口は悪いが、確かに『いい』医者なんだろう。肩の傷はもちろん、左手首についた傷も手早く消毒され、新しい包帯が巻かれていた。……感謝すべきなのかもしれない、でも。熱なのか、はたまた『入れ込んだ』睡眠薬のせいなのか、あるいは両方か……次第に意識がぼんやりと薄れていく。……痛みがなくなったら……意味がないのに………緩慢に瞬きをして、部屋を出ていく医者を真っ直ぐ見つめた。視線を感じたのか、医者が振り返る。目が合った、気がした。すると。「はぁ……ったく、とんでもねぇな……」「……?」ボサボサの白髪をポリポリ掻いた後、医者はそう呟いて、どこか重い足取りで部屋を出て行く。視線を上げると、視界の端に吊るされた点滴袋が見えた。「……余計な……ことして………」掠れきった言葉は誰に聞かれることもなく、朝の爽やかな空気の中に、消えていった。その後すぐ、俺は深く寝入っていたらしい。次に目覚めた時、障子から差し込む光の角度は昼過ぎを指していた。「………」木目調の天井は、眠る前と何ら変わっていないが、視界の端にあった点滴袋はなくなっている。それに、側に置かれた机からも重湯や薬の包み紙は、ストローとペットボトルになっていた。片付けられたことに、全く気づかなかった。「……はぁ……」さっきよりも熱っぽさも痛みもマシになっているが、気持ちは鬱々と沈む。若い衆たちが今なお辛い思いをしているかもしれないのに、俺だけ楽になって……!「ふ……っ……」ぎゅっと唇を噛むと、力が入ったのか右肩がズキリと痛み出し、思わず呻く。……ずっと、こんな風に飼い殺すつもりなんだろうか……「……っ……!」身震いするとまた、右肩が鋭く痛んだ。あいつのことだから、やりかねない……。何の思い通りにもならない身体を持て余し、俺は瞼を閉じた。すると。「失礼します」「!」ハッとして声の方向に視線を向けた刹那、障子がそっと開いた。俺が起きていることに気づくと、西畑は途端に笑顔になる。「よかった。お目覚めだったんですね……お加減はいかがですか?」「………」……昨日も、聞かれた気がするけど、痛い以外に何を言うことがあるんだろうか……?ゆっくり瞬きをしてから黙って見返すと、西畑の笑顔にほんの少し陰が落ち、まるで申し訳なさそうに眉を寄せた。「すみません。お体辛いですよね……でも」「……」「……入ってください」「失礼いたします」西畑が入り口に向かって声をかけると、障子が開く。入ってきたのは、スーツ姿にシルバーフレームの眼鏡をかけた男。初めて見る。誰だ……?医者以外に、こんな状態の俺に用がある奴なんて……息を潜め、じっと男を見つめていると、西畑は困ったような顔で言った。「彼は、二宮組の顧問弁護士です」「弁護……士……?」「はい……この度、櫻井組の正式な解体、保有する資産や事業、権利の二宮組への譲渡について、説明に参りました」「……!!」衝撃が頭のてっぺんから爪先まで、駆け抜けるのがわかった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーそろそろ連投も終わりかなー……
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちら一方その頃、翔くんは……ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー二宮がこの部屋を出ていって、どれほどの時間が経っただろうか。手背に落ちる涙を拭うこともできず、右肩から背中へと走る激痛に体を硬直させながら、俺はただ溢れ出る滴をそのままに、しくしくと声を殺して泣いた。二宮の放った冷酷な言葉が。古参幹部たちの裏切りが。……そして自分の無力さが、容赦なく頭の中で渦を巻き、後悔が終わる気配がない。「……っ……俺の……せいだ………」掠れた声で呟けば、また苦しさが増す。組を畳み、誰も傷つかぬ未来を作ろうと必死だった。どんなに反発されても、いつかは理解してもらえるように……説明をし尽くし行動を見せればいいと、信じていた。その全てが……最初から破綻していたなんて。……初めて上田と増田と菊池が、目の前に現れた時、櫻井組の窮状を訴えた彼らを最初は拒んだ。母親と約束してたから。……絶対戻らないって。どんなに請われても……戻っちゃいけないって、耳にタコが出来るほど、言い含められていたから。組を頼まれて欲しいと、父親が最終的に俺を指名した理由は……今でも分からない。でも俺が若い彼らの道筋を作ることができるなら。少しでもいい。彼らの未来が良い方向に変わるなら……俺が生きている意味もあると思って、覚悟を決めて。……それなのに。自分が『組長』としてしゃしゃり出たことで古参の裏切りは加速して……最終的に若い衆を抗争に巻き込み、血を流させた。二宮の言う通り、俺は何も護れてなどいなかった……頭も体も、二宮も利用してやると立派に御託を並べておきながら……俺は何と滑稽だろう。話にならない。彼らに、会わせる顔など……もうどこにも、ない。「……っう……っ……」(無様だね、櫻井組元組長さん?)二宮の侮蔑を大いに含んだ視線が、氷のように冷たい声が、何度も頭を駆け巡る。痛い……体も心も……痛い……っ……そうやって痛みに悶えながらさらに数十分経った時、耳がかすかに物音を拾った。「……っ……」足音だ。廊下の向こうから、静かに足音が近づいてくる。……まだ、言い足りないのか……?もう……聞きたくないこれ以上は……っ。痛む右肩に悲鳴を上げながらも、左手で無理やり布団を引き寄せる俺。ほとんど動けないながらもどうにか頭からすっぽりと布団をかぶり、扉に背中を向ける。痛みに震える体を隠すように、ぎゅっと目をつむった。足音はやがて、この部屋の前で止まった。「失礼いたします」障子が静かに開く音がしたかと思うと、落ち着いた声が室内へ通り抜ける。西畑だった。「お食事とお薬をお持ちいたしました……お加減はいかがですか?」「……」西畑の気配が近づいてくると、ほんのりと米の匂いが漂ってくる。二宮に言いつけられたんだろう。……ぎゅっと唇を噛み締め、俺は身じろぎ一つせずに寝たふりを決め込んだ。右肩の痛みは時間が経つにつれ、徐々に増していく。早く出て行ってもらいたかった。しばらく黙っていた西畑は……やがてコトン、と音を立てて膳を置いた。「こちらに置いておきますね……」小さく息を吐く西畑の声には、どこか居心地の悪そうな色が混ざり合っているように感じた。寝ていると思わせているはずなのに、西畑は尚も俺に語りかけてくる。「このゲーム機は和也さんの忘れ物ですね。こちらでお預かりしておきます」「………」静かな部屋で、俺の荒い呼吸だけがこだまする。とても寝息とは言い難いそれを、西畑が分からない理由はない。つまり……西畑は俺が起きていることに気づいている。その事実が……あまりにも惨めで、胸が抉られた。「……こちらは、二宮組が抱えるお医者様が処方してくださった鎮痛剤です」西畑はわざと静かに、だが確実に俺の耳へ届くよう言葉を紡いだ。「ご存知だとは存じますが、銃傷は本当に甘く見ないほうがいいです。麻酔が切れれば、しばらく高熱と酷い痛みが続くでしょう。かなり辛いと思います……」「……」「和也さんは、今夜はもうここには戻られません。俺も明日の朝までは来ません。ですから……少しでもお身体が楽になりますよう、飲んで寝られるうちに、どうかお休みください」「……」「それでは、失礼いたします」西畑が立ち上がったのか、衣擦れの音がした。そのまま気配が遠ざかっていくかと思ったが。「……今度から、『翔さん』と呼ばせていただきますね」それは突然の、宣言だった。何の意図を持ってか測りかねたが……西畑はずっと、俺を『櫻井組長』と呼んでいた。痛みと布団の暑さに冷や汗を掻きながら、息を詰める。「……っ……」西畑もまた、思っているんだろう。……俺は『櫻井組組長』なんかじゃない、と。ただの……自分が仕える組長の、愛人だと。悔しくて、惨めで、悲しくて堪らなかった。西畑は尚も返事をしない俺をどう思ったのか、今度こそ足音を殺して部屋を後にした。障子が閉まれば、再び離れに静寂が戻る。「っ……は……っ」痛みを堪えながら、布団を捲る。左手を少し伸ばせば届くところに置かれた文机には、白い紙の包みと、湯気の立つお椀にれんげ。それから水の入ったコップがあった。お椀に入っているのは、重湯だろう。そして紙の包みには、西畑が言っていた薬が……「……っ薬……なんて……っ」自嘲的な笑いが、乾いた唇から漏れ出た。これは罰だ。この右肩の焼けるような激痛のすべては、自分が犯した罪の報い。自分の力を過信して、早々と組を潰し、若い衆の未来を奪った無力な『組長』への罰なのだ。薬を飲んで痛みを和らげてしまえば、自分に課された罰から逃げてしまうことになる。「くっ……あ……っ」右肩の痛みが波のように押し寄せる。歯を食いしばったうちから、うめき声が漏れた。体勢を整えることも叶わない。ただ、痛みに悶え苦しむ地獄のような時間。あまりの激痛に無意識に伸ばした瞬間。……その度に二宮に言われた言葉の一つひとつが、まるで冷たいナイフのように心を抉った。(ヒーローごっこは楽しかった?)(結局さ、櫻井組を完全に潰したのは翔ちゃんじゃんね)(甘ったれてんじゃねぇよ、カタギ風情が!!)(全部、あんたが招いたことだよ?翔ちゃん)そうだ……全部、俺のせいだ……俺が……俺が無能だったから……「っ……く……っ……」闇の中で、一滴また一滴と涙が絶え間なく枕を濡らし、熱を持った傷口がズキズキと脈打つ。目を閉じても、追いかけてくる激痛と、二宮の冷徹な視線と言葉、それからかつて部下だったものたちの侮蔑と嘲笑。組を助けて欲しかったのに、潰した……朦朧とする頭は勝手に自分を慕っていたはずの若い衆にさえ、俺へ失望の表情を浮かばせた。そしてまた傷つく。エンドレスだ。食事にも薬にも一切手をつけぬままに、ひたすら終わりのない闇と痛みに一人、悶え苦しむ。叫びそうになる度に、包帯の巻かれた手首に噛み付いて耐えた。泣くのは……叫ぶのは……許されない。俺は、罪人。……俺は……一人じゃ何も出来ない。無様で、無能な……組長もどき……「………」やがて……障子の隙間から薄白い朝の光が差し込み始める。一睡も出来ないまま、ぼんやりと天井の木目を見上げた。肩の痛みも、吐き気も、全部……麻痺している。もはや涙は枯れ果て、干からびて……何も出て来ない。痛みに叫びそうになる度に噛み続けた左手首は、包帯から血が滲んでいた。「………」……俺……なんて……最後は、もう声にもならなかった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーしばらく辛いかもしれないです。とりあえず平日出す暇ない分、出来た分はたくさん投稿しときますっ!よかったらついてきてくださいね
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「ごふっ……!? ぐ……っ、がっ……!」鉄と硝煙の味が口内に広がり、男の目が恐怖で裏返る。銃口で舌を押し潰された男は、カチカチと歯を鳴らして全身を激しく震わせた。でも、俺は何も感じなかった。「翔ちゃんの何を知ってんの? ん? 汚い口で俺の翔ちゃんの名前呼んでんじゃねぇよ」「ガっ……ぐが……」「俺たちでうまくやってた?バッカじゃねぇの。お前らに才能があったら、若い衆が翔ちゃんに駆け寄ったりしなかったし、翔ちゃんがここへ戻ってくることもなかったの」「ぐが……っ……ガア……」「てめぇらがその脂肪をせっせと蓄えてる間に、翔ちゃんがあの細腕で、どうにか持ちこたえさせてたんでしょうが」静かに、だが底なしの殺意を込めて銃口を喉奥へ押し込み、男が恐怖の絶頂で涙と鼻水を撒き散らしたところで、俺はそそくさと銃を口から引き抜いた。安堵の息を漏らそうとした男の顔面に、俺は銃のグリップを思い切り叩きつけた。鈍い打撃音と鼻骨が砕ける音が響く。「ぎゃあっ!?」「顔だけ? 綺麗? ……あんたらみたいな豚共が翔ちゃんの爪の垢でも煎じて飲めば? あ?」「ぎゃああっ!!」倒れ込んだ男の顔面を、何度も、何度も靴底で踏みつけ、手にした銃の柄で打ち据える。足りない。……足りない。もっと……もっと罰を。もっと痛みを。頭の中で何かが弾け飛んだみたいに、俺は無我夢中で目の前の奴を痛めつけた。ぐちゃりと嫌な音が部屋に響き渡り、男が動かなくなったところで、俺は銃を持ち替え、至近距離から躊躇いなく頭部へ引き金を引いた。バンッ!乾いた砲門の音が狭い監禁室に響き渡り、壁と床に鮮血が飛び散る。「ひっ……! ぎゃあああっ!?」周囲の古株たちが悲鳴を上げて壁際に縮こまったのが分かる。全員、ガタガタと歯を鳴らし、何人かは尿を漏らしながら失神寸前の恐怖に震えている。いい歳して、恥ずかしくないの?……あぁ……イライラする。少しは冷静になれるかと思ってここに来たのに、一人の頭を叩き割り、射殺したぐらいじゃ、この胸の黒い感情は一切収まることがない。それどころか……翔ちゃんの呆然とした顔や、傷だらけの身体が思い浮かんで、怒りは激しさを増していく。頭の中が真っ赤に染まっていく……「はぁ……おかしいねぇ。全然スッキリしない」死体から視線を外して、呟いた声は……どんな寒波よりも激しく、この場を凍りつかせた。俺は血飛沫を浴びた顔のまま、ニヤリと惨酷な笑みを浮かべて残りの幹部たちへ歩み寄った。「あんたらさぁ……なんで生きてんの? 櫻井組を腐らせて、翔ちゃんに苦労かけて……苦しめてさぁ!よくそんな面下げて生き延びようと思えたよねぇ」「ひっ……助け、助け」パンッ! パンッ!命乞いすら最後まで言わせず、機械的に弾丸を叩き込んだ。弾切れを起こすと、カチリと空撃ちの音が鳴る。「チッ……弾切れかよ」舌打ちをし、重い銃の鉄塊で目の前の男たちの顔面を容赦なく叩きのめし、靴裏で踏み潰すかのごとく足蹴にする。「死ねよ! 死ね! 翔ちゃんを傷つけた奴は全員死んじまえ!!」ドスッ、バキッ、と肉と骨が砕ける生々しい音が地下室を満たす。かつて櫻井組で幅を利かせていた幹部たちが、俺の手によって次々と物言わぬ肉塊に変えられていく。壁や床だけじゃなく、俺の顔もスーツも、汚らしい血で濡れ、滴り落ちた。「っはぁ……はぁ……」動きを止め、辺りを見渡すと……部屋の半分は地獄絵図と化していた。空になった銃を気まずそうに控えていた見張り番の組員へ放り投げる。「ありがとね、それ」「……お見事です、頭」「あのさ、着替え用意してくれない?後で簡単にシャワー浴びたいんだけど。車汚れちゃったら面倒だからさ」「……手配します」この組員は比較的俺の現場に慣れているようで、サッと銃を受け取ると、直立不動で頭を下げた。そして身につけているインカムで、早々と違う階にいる若頭補佐へ連絡を取り始める。部屋の隅には、俺の圧倒的な狂気と暴力の前に、身を小さくして奇跡的に生き残った数人の古株が転がっていた。全員見事に白目を剥き、恐怖のあまり口から泡を吹いている。武闘派と言われる二宮組の中でも……いや、本家虹嵐会の中でも、最も残酷だと有名な俺の伝説をまたも重ねてしまったらしいが、心底どうでもいい。俺はジャケットからブランド物のハンカチで頬についた返り血を雑に拭うと、生き残った数人を冷たい目で見下ろした。 そして、一番近場にいた奴の前に、しゃがみ込む。「……ねえ」「ひ、ひぃぃっ……!」「片付け、めんどくさいからさ。死体処理、あんたらでやっておいて?」にっこり微笑みつつも投げかける冷酷な言葉に、そいつは獲物に食われる前の小動物かのように、体をガクガク震わせる。「警察にバレたら……もちろん、わかるよね? チャカで一発なんて、そんな生優しいことはしてあげない。今度は生かしたまま皮剥いで海に沈めちゃうよ?いい?」「は、はいっ」「それと……終わったら服も全部脱いで、そこにいるうちの組員に渡しな。シマの外までは送り届けてあげる。後は知らない。せいぜい寒空の下で野垂れ死にしたらいいよ。お似合いでしょ?」「は、はいぃっ! やります! やらせていただきます!!」そいつだけじゃなく、生き残った古株たちが全員……地べたに頭をこすりつけながら必死で叫ぶ。かつてのプライドなど微塵もなく、ただの哀れな畜生へと成り下がったその姿を、俺は冷え切った目で見つめた。しばらくじっとり見つめていたけれど、やがて興味がなくなって……俺は彼らを振り返ることもなく、踵を翻すと地下室を後にした。階段を上り始めると、入れ替わりに何人もの組員が俺のところへやってくる。「後は任せるよ」「はっ……お疲れさまです」それぞれが深々と一礼して、慌てたように走っていくのを背中で感じながら、俺はふと自分の手を見つめた。……あいつらとほぼ同じことを、結果的に愛しい翔ちゃんにぶつけてしまったという、皮肉。どれだけ引き金を引いても、どれだけ奴らを痛めつけても……心の奥にはまだ黒いモヤモヤが棲み着いている。「……翔ちゃん」守りたかっただけなのに。俺のだけのものにして、誰にも傷つけられない場所で愛したかっただけなのに。誰かのヒーローになんてならないで……あの日と同じく俺だけの……聖母でいて欲しかっただけのに。「……はぁ……」俺はスマホを取り出すと、電話を鳴らす。ワンコールで出た相手は、もちろん西畑だった。『和也さん?』「終わった」『お疲れさまです』西畑は何も言わない。俺が本邸に行くと言っただけで、結果は予想がついてただろうから。それより、離れに残して来た翔ちゃんがふと気になって来た。「翔ちゃんは?薬飲んだ?」『いえ……それが、僕がお部屋に伺った時にはもう……寝ていらして』「寝たの?」『はい……』すぐさま腕時計を確認する。血がべっとりと付着した高級時計は、もう麻酔が切れることを俺に教えてくれて、思わずため息をついた。鎮痛剤は効くまでタイムラグがある。……早く飲ませといたらよかったな。「……痛み止めなしじゃ途中でどうせ起きるでしょ。側には置いてきた?」『はい、すぐ手の届くところに』「じゃ、大丈夫だね。翔ちゃんは今ほとんど動けないし、これで無茶はしないでしょ。きっちり反省してもらうにはいい機会だね」『………』「西畑?どうかした?」『いえ、何でもありません』声をかけると、電話の向こうの西畑はすぐに反応する。気のせいかな。……まぁ、俺に仕えてると疲れるよね、さすがに。「疲れるところ悪いけどさ、櫻井組の後始末一気に進めようと思うんだよね。うちの顧問の先生、明日の朝一連絡して必要な書類全部揃えるように伝えてくれる?俺、シャワー浴びてから屋敷に戻るから」『かしこまりました』「じゃあね、お疲れさん」終話ボタンを押し、本邸の自室へ行くと、頼んでいた着替えを携えた組員が待っていた。返り血がべっとり付いたスーツ姿の俺を見て、若干ビビり散らかしながらも、恭しく一礼した組員は素早く着替え一式を俺に手渡した。血に汚れないようにそっと受け取り、部屋に入る。すぐさまドロドロのスーツや高級時計を脱ぎ捨て、シャワー室へ駆け込んだ。熱いシャワーが、髪にこびりついた血を洗い流していく。「……」今日一日で、どれだけの奴を地獄に送り込んだだろう。櫻井組の腐った根っこは叩き折った。さすがに疲れた。早く寝たい。でも。「……あとは若い枝葉と……花だけ」若い枝葉……根っこに負けず、上に咲く花のおかげで腐らずに済んだ上田たち三人を含む若い衆たち……問題は山積みだ。まぁ、花は心配ない。枝葉が一枚もなくなったって……これから大事に守って、これからも咲かせてあげる。……この俺が、翔ちゃんじゃ絶対出来なかったこと……俺が全部叶えてあげる。誰がどこからどう見ても、口を挟む暇もないくらい完璧に……後始末をつけてあげる。彼らに翔ちゃんがいなくても、大丈夫なように。もう翔ちゃんが苦しまなくて済むように。だからね、翔ちゃん……「……俺を見ててよね……」独り言のように呟いた俺の声は、シャワーに掻き消され、お湯と共に排水溝の中へ流れていった。俺は、知る由もなかった。あの短な沈黙で、西畑が俺に何を言おうとしたのかを……ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこんなグロいの、拙作モノクロ以来じゃなかろうか苦笑。
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー夕闇が辺りを覆っている。「……」ほんのり廊下を照らし始める照明の穏やかさとは裏腹に、離れを出た後からの俺の足音はいつもより断然荒くなる。さっきから廊下の板がミシミシ泣き喚いてるけど、気にもしなかった。「チッ………」舌打ちが飛び出る。それでも胸の奥で渦巻く黒い感情は、一向に収まる気配を見せない。助けたかった。守りたかった。あんな肥溜めのような組の重圧からも。裏切り者の汚い手からも。かつて俺を助けてくれた聖母を、沈みゆく泥舟から引き揚げて、どこよりも安全な自分の腕の中に匿いたかった。それなのに……翔ちゃんが目覚めて最初に気にしたのは、自分を傷つけ、裏切った組のことばかり。どうして俺だけを見てくれないの?どうしてあんな組のために……あんなゴミみたいな奴らのために傷つくの?この手に戻って来た翔ちゃんの、怪我の具合はとにかく酷かった。俺が小さい頃から世話になってる先生……所謂闇医者じいさんは腕がいいから心配はしてなかったけど、それでも思わず顔を顰めた。肩の傷はもちろん、無理に縄を抜け出して出来た両手首は、サポーターを巻いていたはずなのに酷く擦りむいていた。右足首だってそう。ここに来る前に地下室を見に行って来た。床にはペットボトルがいくつも転がってた。爪が所々割れているのは、縄を解こうとしたことと、ペットボトルを破いたりしたせいだろう。俺が薬を盛ったせいで警戒心だらけの翔ちゃんが安心して飲めるようにと置いたもの。それで即席のプラスチック板を作って、ラッチボルト式のドアを開けるなんて……そんなことよく思いついたよね。汚い手で張られた頬は、すぐさま冷やしたからそんなに腫れなかったけど……銃創は弾が体内に残る方が、出血は抑えられても治りが断然遅い。あそこから連れて帰って半日以上、翔ちゃんは無意識に痛みに悶え、眠っていた。俺がここまでどれほどの手間と金をかけてきたと思ってるの?全部、翔ちゃんのためなのに……っ!!自分の部屋に戻った俺は衝動のまま、机の上のものを力任せに払った。派手な音を立てて、パソコンのキーボードや、書類などが無残に散る。ここでゲーム機があったら、ついでに叩き折ってるところだけど、生憎それは翔ちゃんのところへ置いてきてしまった。いちいち取りに行く気にはなれない。でも、こんなに頭がヒートアップしたままじゃ到底眠れない。ゲームをするほどの集中力も、今は皆無。自分の髪を存分に掻き回す。イライラしてハゲそう。「……どれもこれも、あいつらのせいなんだよね……」頭の中に、昨夜のことが思い出された。あいつらのせいで、櫻井組は落ちるところまで落ちた。その挙句、翔ちゃんを……その報いは、2人直々に俺があの世に送りつけたとて、足りるわけがない。「………」俺は1つの考えを胸に、使い物にならなくなった内線の受話器を蹴ると、スラックスの後ろポケットに入ったスマホを取り出した。「……西畑?俺、出掛けるから運転手一人準備して?」その時、自分の顔が窓に映り込むのが見えた。……今の俺なら、視線だけで相手を殺せる。自分でそう思うほど、冷たい殺気が目に籠もっていた。そこから約1時間後。俺は、本邸、二宮組総本部――と言っても一見ただの雑居ビルにしか見えない――に来ていた。昨今の鬱陶しい暴力団向けの法律で、堂々と組の看板は立てられないからね。こうして関係ない雰囲気を醸し出すしかないわけだ。基本的にここの管理は、西畑や若頭補佐たちに任せている。仕事が忙しいから、ここに来ることはあんまりない。……来る理由としたら、一つだけ。西畑は付いてこようとしていたけど、代わりに翔ちゃんに薬を持っていくように伝えた。今はまだ麻酔が効いているけれど、それが切れたらのたうち回るほどの痛みでとても眠れなくなる。……俺から渡すものに警戒している翔ちゃんだけど、さすがに飲まないと辛いから、そこは抵抗せず飲むと思う。まぁ、動けないんだから抵抗なんて出来っこないんだけどさ。車で敷地に入った俺を、組員たちは総出で出迎えた。西畑に言われていたんだろう。何も言わずに、俺を案内してくれ、地下へと続く重厚な鉄の扉を押し開けた。ひんやりとした湿った空気が肌を撫でる。まさか、ただの安っぽい雑居ビルにこんなご立派な地下室があるなんて、誰も思わない。薄暗い廊下を進んだ先の部屋では、先の会合で二宮組の精鋭に拘束された櫻井組の古参幹部たちが身を寄せ合っていた。重い足音とともに現れた俺を見ると、縄で縛られた男たちが一斉に体を強張らせた。ここは、監禁室。またの名を拷問部屋。……裏切り者に直々に制裁を加えるため、作られた場所だ。俺よりもずっと背が高くて屈強な見張り役が、俺に深々と一礼する。「お疲れさまです」「ん、ご苦労さん……あぁ、ちょっとそれ貸してくれない?」「……はっ」俺がジャケットの胸あたりを指すと、見張りはすぐさま察して、胸のポケットから黒塗りの自動拳銃を取り出し、両手で恭しく差し出して来た。ずっしりとした金属の重みを掌に受け止め、慣れた手つきでスライドを軽く引き、装填されている弾丸を確認する。カチ、と小さく乾いた金属音が監禁室の静寂に響いた。「に、二宮……! 頼む、い、命だけは……! 」「……」その瞬間、引きつった顔で命乞いを始めたのは、前組長時代から肥え太ってきた古株の幹部だった。若頭が目の前で俺に殴り殺されたから、恐怖でしかないんだろうね。俺は冷ややかな目でそいつを見下ろすと、返事もせずにずいと距離を詰める。こんな奴よりずっと若くて、経験値の浅い翔ちゃんにあんなに偉そうに威張り散らしてたくせに、いざ自分がヤバくなったら媚びへつらおうとする。その浅はかさが……実にくだらなかった。男は俺の静寂な怒りに気圧されながらも、必死で言い訳を叩きつけようと、その愚かな口を滑らせた。「だ、だいたいあいつが悪いんだ! 」「あいつ?」俺が言葉を返すと、嬉々として言葉を紡ぐ男。………それが命取りとなると気づかずに。「そ、そうだ……!あいつは……翔は最初から組長器量じゃなかった! 組長の一人息子だか何だか知らねぇが、カタギ上がりの青二才がしゃしゃり出てきて……綺麗事ばかり抜かしやがって!挙句に将来的には組を潰すなんて、ふざけてる!あいつに才能がなかっただけだろ!?若い衆もあいつにトチ狂って口車に踊らされやがって!今まで俺たちだけでうまくやれてたんだっ!それをあいつが……全部おじゃんにしたっ!」「……」(あんたは結局ね、口だけ。一人じゃ何も出来ないんだよ。組長、組長、兄貴、兄貴って、どんなに言われようとね、組の一つ掌握できないんじゃ……こんなの道化もだんまりの独り相撲だよ)(あんたが戻ってきたから、みんな狂った。古株たちだってあんたが余計なことをしなかったら、大人しく言うこと聞いたんじゃない?)ついさっきの、自分の言葉が蘇る。俺が翔ちゃんに、放った言葉が。頭の中が、急速に冷え込んでいくのを感じた。「あいつの役に立つところなんて、あの綺麗なだけの顔と体くらいだろ! だから少し役に立ってもらおうと思ったんだよ。分かるだろ!?だって――」「——うるさいよ。黙って」調子づいて、醜く喋り続ける男の開いた口内へ、俺は無意識に冷たい銃頭を容赦なく深々と突き立てていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーニノちゃん、ガチギレ
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー言われた瞬間、顎を掴まれている痛みを忘れてしまった。「……え……?」潰した……?俺が……?……組……を……?呆然と瞬きをする俺を、二宮は残酷に嘲笑う。「自分の力を過大評価してたんだよね。じゃなかったらこんな腐敗しきった組なんて、誰も助けない。最初から放っておけばなるようになったんじゃないの?」「っ……」「何を血迷ったのか知らないけど、あんたが中途半端に組長なんて引き受けて、余計な正義感なんて出すから……自分の立場が脅かされるって思ったあの狸どもはビビって……あんたを嫌った。あんたがちゃんと手綱を握れずに対応が後手後手に回ったから、結局あいつらはあんたを見限って、大陸の奴らと手を組んで、本家の怒りを買った。若い衆はあんたを慕うが故に古狸共と交戦して……血を流した。上田を守れたって満足した気になってんだろうけど、そもそもあんたが無力だったから、櫻井組は完全に破滅したんだよ」「ちが……俺は……」「違わないよ」二宮は冷たい笑みを浮かべ、絶望に染まる俺の顔を爪が食い込むほど強く俺の顎を掴む片手とは裏腹に……殊更優しく撫でる。「あんたが戻ってきたから、みんな狂った。古株たちだってあんたが余計なことをしなかったら、大人しく言うこと聞いたんじゃない?カタギからいきなりドタドタやって来て、組のあれこれ仕切り出して……さぞ面白くなかったろうねぇ?」「ぁ……」「あの若い衆たちも可哀想に。一生日陰者として生きていく羽目になった。本家があいつらの面倒見てくれると思う?こんな抗争引き起こしちゃって。かつての仲間同士で殴り合いして、年上の組員からチャカまで向けられて……」「………」「全部、あんたが招いたことだよ?翔ちゃん」「……あ……っ……」二宮の手が俺から離れても、動くことができなかった。頭の中が真っ白になり、激しい眩暈が襲う。……俺の……せい……?俺が……組に戻ってきたから……?この先を見据えて、組を畳むことを決意した。若い衆が路頭に迷わないように……誰も傷つかずに済むようにと、血を吐くような思いで泥をすすってきた。今までのことが走馬灯のように頭を駆け巡る。悩みに悩み抜いて、戻ってきたつもりだった。理解を得られるように言葉を尽くしてきた。カタギで培ってきた人脈を使い、若い衆を受け入れてもらうために、頭を下げて回った。酷く罵られても、歯を食いしばって耐えた。そうしてカタギになった者たちのことも、気にかけて……悩みを抱えているのを聞いては、どんな時間でも相談に乗った。若い衆を優先したのは……経験値が浅いほどカタギに馴染むのもまだ早いと思ったからだ。決して……古参たちをないがしろにしたわけじゃなかった。……皆を、守りたかったんだ。俺なりの、やり方で。けれど、それが……早々と組を壊して、組員の未来を奪った……原因になった……?俺の、一人……よがり……?俺が組長じゃなかったら……こんなことには……二宮は未だに呆然としている俺を冷たい眼差しで見下ろすと、ふっと息を吐いて言った。「……もう二度と、くだらないヒーローごっこなんて思わないことだね。あんたには何もできないんだから」「………」「大人しく俺の腕の中で、息だけしてればいいんだよ。それしか能がないんだから……ま、どうせこんな怪我じゃしばらく動けないけどね。ご飯だけじゃなく、風呂も、トイレもぜーんぶ手伝ってもらわないと無理だよ?無様だね、櫻井組元組長さん?」「………」「………」黙ったままの俺に興味をなくしたように、二宮は立ち上がり、背を向ける。パタン、と静かに障子が閉まり、離れに静寂が戻った。いつの間にか夕日が沈み、薄暗くなった和室。残された俺は、寝転がったまま、ただ天井を見つめていた。胸の奥が冷たく冷え切り、感覚がなくなっていく。(翔……いいわね……?)(何と言われようと……あちらに戻ってはいけませんよ?)(……あなたは……だから……)今はもう遠い昔、死の淵の母親の言葉。ずっと、守って来た約束。耳にタコが出来るほど聞いた。死の間際まで、俺の行く末を心配していた彼女のためにも……俺は、戻るつもりもなかった。自分に関わることによって、周りが巻き込まれたりしないようにと、日陰で生きることを余儀なくされても、納得してた。でも。上田を始めとした若い衆が困っていたから……こんな俺でも必要としてくれてるなら……その気持ちに……応えたいと……そう思って。俺はこの世界に覚悟を持って戻ってきたはずなのに。自分がこれまで流してきた汗も、血も、必死の覚悟も、すべて二宮の言う通り「無意味な滑稽劇」だったのだろうか。俺の……やってきたことは……全部……「……あれ……?」頬を何かが滑り落ちていく。いつの間にか視界が歪んでいることに、気づいた。「あ……」それは、涙だった。傷口に呼応して、吹き出す血のように、次から次へと溢れ出たそれが伝い、枕を冷たく濡らしていく。「つ……っ、く……」噛み殺そうとしても、唇のほんの隙間から嗚咽が漏れ出てしまう。こんなとこ、あいつに見られたくない……っ。絶望に打ちひしがれて、泣いてる姿なんて、あいつを喜ばせるだけ……(一人じゃ何も出来ないくせに!)そんなこと……ない……っ。何か、出来ることがあるはず……俺にだって……二宮の言葉と蔑むような視線が何度も頭の中で再生されて、胸が痛い。左手で何度拭っても、一向に止まらない涙が鬱陶しい。「っ……止まれよ……っ……」泣いたってどうしようもない。泣くより今出来ることを考えなきゃ……でも。「っあっ……っ……!」左手だけじゃもはや追いつかないと、咄嗟に動かそうとした右肩に走る激痛に、思わず息を詰める。呼吸すら危うくなるほどの、焼け付くような激しい痛みは、俺からそれ以上動く気持ちを失わせるのに十分だった。いや……違う。「っ……う……っ……」痛い。右肩の傷よりよっぽど……胸の奥が割れるように痛い。(おとなしく俺の腕の中で、息だけしてればいいんだよ。それしか能がないんだから)「っ……く…、っう……」己の無力さ。踏みにじられた志。幹部たちの裏切り。若い組員への……申し訳なさ。二宮にこれ以上にないほど冷酷に、叩きつけられた残酷な真実の刃は……俺の心を完全にへし折り、ただ涙を流すだけの、壊れた機械みたいにしてしまった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー次は、ニノちゃんsideです
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちら翔くんside♪ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー瞼の裏でオレンジの色光を感じて、俺は重い瞼をあけた。ぼんやりした視界にまず映ったのは、見覚えのない木目の天井。オレンジ色の光は、部屋に差し込む夕日だと気づいたのは、数分後。鼻を擽る、目の詰まった畳の匂い。それから、障子の向こうから聞こえる風の音。ここは……どこ……?全身を支配する泥のような倦怠感に、頭がぼんやりしてる。死に物狂いで抜け出したあの地下室は……洋室だった。照明が落とされた暗い部屋だったけど、それははっきり覚えてる。でも……ここは二宮に最初に案内された部屋とも、ましてや組の事務所にある自室とも……違う気がする。なんというか、どこか世間と切離されたような気さえする、静かな和室。俺……どうしたんだ……?必死で縄を抜けて、回収されるリネンに紛れて屋敷を出て……あの時痛めたのは……無理に縄を抜けたせいで擦れた両手首と右足首だったはず。なのに……今感じるのは右肩から背中にかけて走る鈍い激痛。これは……なんだ……?「……つっ……!」とにかく起きてみようと痛む体に鞭打ち、ゆっくりと上半身を起こそうとした瞬間、右肩に激痛が走る。同時に感じる、丁寧に巻かれた包帯の圧迫感。着物の感触……そう……だ……俺……!自分の身に何が起こったのかをはっきり思い出した途端、静かな声が、部屋の隅から降ってきた。「起きた?翔ちゃん」「!!」ハッと視線を向けると、そこには文机のそばで、初めて屋敷に連れてこられた時と同じように……俺の方を見ないままゲームに勤しむ二宮の姿があった。ただ、あの時と違うのは……スーツのジャケットもベストもネクタイも外して、白いシャツ一枚にスラックス姿で、壁にもたれていたこと。意識を失う直前、鼓膜に残っていた足音は、やはり……二宮だったんだ。「……二宮……」掠れた声で名前を呼ぶと、ゲーム画面から俺の方を見上げた二宮。子犬のように愛くるしい顔立ちに、柔らかく甘い笑みを浮かべたその瞳の奥に……光を一切通さない底なしの暗闇を垣間見た俺は瞬間体を硬直させる。けれど。死に物狂いで抜け出した檻。苦しい思いまでして抜け出した理由は……!再び連れ戻された絶望感が頭を駆け巡るより先に、俺の口をついて出たのは、上田たち若い衆のことだった。「っあ……あいつらは……!?組の皆は無事なのか!?」右肩の痛みを堪えながら、必死に背筋を伸ばして二宮を睨みつける。開口一番に放たれた言葉に、二宮の眉がぴくりと跳ねるのがわかった。興味をなくしたかのように、ゲーム機を放り出すと二宮はくすりと小さく笑う。だが、その微笑みとは裏腹に、部屋の空気が一瞬で氷点下まで冷え込むのが分かった。「……ふふ。目が覚めて一番最初に口にするのが、自分を撃ったような連中のこと?……相変わらずだねぇ、翔ちゃんは」「は……?」二宮は静かに立ち上がると、足音もなく畳を踏みしめ、寝床の脇へと近づいてきた。上から見下ろすその瞳には、爛々と狂気じみた情念が宿っていて……俺は息を呑んだ。「安心しなよ。翔ちゃんが大好きな可愛い可愛いそっちの舎弟たちなら生きてるよ?まあ、うちの組員が張り付いて一動一静監視してるけどね……フフッ」「そっち……って」二宮の言い方にはいちいち含みがあって、何一つ安心できない。なのに。「ヒーローごっこは楽しかった?翔ちゃん」「は……?」「だってそうじゃん。少なくとも若い衆に取ったらさぁ……『自分が東京湾に沈んでも、俺が責任もって守る』なんて言ってくれる組長なんて、惚れずにいられないもんね……カッコよかったなぁ。直前に俺の愛人になったことバラされてたのに、感心するよ」「………!」「ねえ、教えてよ。どうやってあのお部屋から逃げたの? 俺、すっごく驚いちゃった。屋敷の監視も全部潜り抜けるなんてさ、思わなかったよ。ねぇ、どうやったの?教えて?今度からの参考にするからさ……」二宮の言葉は一見明るく、どこか楽しげですらある。だが、その裏にあるのは冷徹な蔑みと、俺のすべてを暴き立てて汚したいという虐待的なまでの執着だった。わざと心を抉るような言い方に、ぎゅっと唇を噛み締める俺。だが、今は俺のことより、若い衆が気がかりでならない。このまま二宮のペースに飲まれるわけにはいかなかった。「……あいつらをどうする気だ?会合を全部見てたんだろ!?」「自分の立場をわかってないね、翔ちゃん。俺は本家から櫻井組の始末を頼まれてんの。翔ちゃんの出る幕なんてどこにもないよ。組員がどうなろうと関係ないよ」「……ふざけるな」俺は強く拳を握りしめ、二宮の視線を正面から受け止めた。「俺は、櫻井組の組長だ!俺を差し置いて勝手に決めんなっ!!あいつらは俺を信じてついてきてくれた……古株の不始末は俺の責任だが、あいつらは関係ないっ!!俺は組長として、あいつらを護る義務があるんだ!」「甘ったれてんじゃねぇよ、カタギ風情が!!」「!!」俺の必死な叫びを問答無用で地に叩き落とすような二宮の怒号が静かな部屋に響き渡り、障子が揺れた。ほんの数分前までは、嘲笑うような軽薄な空気は纏いつつ、節々に冷淡さを見せていただけだった二宮。しかし、今俺を押し潰さんとしてるのは、冷酷無比な二宮組組長としての凄絶な威圧感。初めて会った時ですら感じたことのない、壮絶なプレッシャーに言葉を失う。二宮は膝をつき、呆然とする俺の顎を強い力で掴み上げると、顔を至近距離まで近づけた。「何が『組長』だ。何が『護る義務』だ! 一人じゃ何一つ出来ねぇくせに!!」「……っ……」自分の指が、顎の骨がきしむほど強く食い込んでるが故に、顔を顰める俺のことを気にかけることもなく、二宮は吐き捨てるように言った。「櫻井組はね、最初から腐り切ってたの。翔ちゃんが戻るよりずーっと前からね!?あんたがカタギのぬるま湯から戻ってきて、必死こいて『組を畳む』なんて綺麗事抜かしてる間……裏で何が起きてたか……俺が調べるまで全然知らなかったくせに!」「っ……そ、それは……っ」「それとも何?あいつらがやってたこと……あれで全部だと思ってんの?」「……っえ……っ」二宮の暗い瞳に、瞳を大きく見開いた俺が映る。「あいつらはねぇ……あんたを組長の座から引きずり下ろした後は、海外の売春ルートに売り飛ばそうとしてたの」「……な、に……?」「あんた一人でどうにか出来るって、本気で思ってたの? 笑わせないでよ。あんたがどれだけ頑張ろうが、最初から詰んでたの。あんたが『守る』とか甘いこと言ってた組織は、あんたを売り飛ばす算段を立ててたんだ!」「……っ」頭を殴られるような衝撃に、俺は言葉を失った。古株たちが自分をそこまで疎んでいたとは。二宮がいなければ、俺は今頃……借金のカタとして売り飛ばされて、海外で誰かの慰み者になっていた。自分に借金を押し付けただけじゃなく、売り飛ばそうとまでしていたなんて……「俺がね、証拠をさっさと集めて、本家に進言して、あんたを地下室に閉じ込めたから……あいつらは予定を変更せざるを得なくなった……俺、あんたのこと守ってあげてたんだよ?なのに、そのあんたは!勝手に首突っ込んで、あげく右肩撃たれてさ。馬鹿馬鹿しい。あんたは結局ね、口だけ。一人じゃ何も出来ないんだよ。組長、組長、兄貴、兄貴って、どんなに言われようとね、組の一つ掌握できないんじゃ……こんなの道化もだんまりの独り相撲だよ」「……」二宮の薄い唇から吐き出される残酷な事実が……毒のように俺の心に染み込んでいく。「結局さ、櫻井組を完全に潰したのは翔ちゃんじゃんね」二宮は絶句したままの俺を嘲笑うように、呟いた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(ノ∀`)アチャー
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー俺が足を踏み入れた途端、異様な空気が辺りを覆った。「兄貴っ!!大丈夫ですか!?意識を保っててくださいっ!」増田の声が響き渡る。西畑へ目配せすると、心得た西畑は精鋭部隊を集合させ、古株側の人間を次々と拘束していった。「離せぇっ!!」「何しやがる!!」いきなり乗り込んで来た二宮組の面々に、最初は威勢良く叫んでいたゴミどもも、人垣の中をモーセの海渡りみたいに現れた俺を見た途端、『ひっ』と息を呑んだ。それを一旦は無視して、翔ちゃんの方へ歩み寄る。「兄貴っ!目を開けてくれ!兄貴ぃぃっ!!」「………」ピタリと足が止まった。意識をなくして、床に転がったままの翔ちゃん。ただでさえ真っ白な肌が、青白くさえ見えた。必死な上田の呼び掛けにも、応じている様子はない。増田が自分の上着を脱いで、右肩を押さえつけている。その側で、呆然と立ち尽くす菊池。「ねぇ、誰?」思わず口をついて出た呟きに、しんと静まり返る空間。誰もが息を吸うことすら禁じられたかのように、体を硬直させている。踵を返して、もう一度聞いた。「……俺の翔ちゃん撃ったの、誰?」すると、精鋭部隊のある一組が、男を引き摺り出す。恐怖に顔を歪める男の――俺から見れば安物の――スーツの中を探らせると、拳銃が出て来た。しゃがみ込んで、顔を覗いてやれば……面白いほど体を震わせ始める。「へぇ、お前なの」「ひい……っ」「それ使って、翔ちゃん殺そうとしたんだ」「違……俺は上田を……!」「上田?」ちらっと上田を見返す。上田はギュッと唇を噛み締めていた。……もしかして、翔ちゃん……庇ったとか言わないよね?自分がボロボロのくせに、わざわざ銃弾の軌道に割り込んだってこと?……あぁ、ホント……嫌になる。「フフッ……ホント翔ちゃんは無茶ばっかり……」俺はそいつの銃を手に取り立ち上がると、残りの弾数を確認した。そして。ダンッ!!破裂音が響き渡るのと同時に、目の前の人間が声を上げることもなくドサリと倒れる。ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!返り血が飛んでくるのも構わず、問答無用でその背中に残りの弾をぶち込む。もはや肉の塊になったそいつの頭を、最後に思いっきり蹴飛ばし、俺は空っぽになった銃を放り投げた。けど、まだ足りない。「ゴフッ!!?」前触れもなく、若頭の顔に渾身のストレートをお見舞いすると、鼻の骨が折れる音がした。さっきこいつに殴られて不自然に頬が赤らみ、唇が切れていた翔ちゃん。あの綺麗な顔に傷をつけたことを思えば、この程度は大したことがないでしょ。バキッ、グキッと醜い音を聞かせながら、散々殴りまくって血みどろになった顔に、今度は踵落としを食らわせて地面に這わせた。そのままジリジリと後頭部を踏みつける。「ぐっ……ゲブっ……」血を吐いているのも構わず、無表情に踏みしめる。翔ちゃんの肌を暴いた罪は重い。このまま、その記憶の入った腐りきってる脳みそごと踏み潰せたらいいのに。激しい痛みに呻くかつての若頭の様を、悲鳴すら上げられずに見つめる櫻井組の面々。この場を制するのはただ、『恐怖』だけだ。もはや、踏んでる頭の持ち主が虫の息になったところで、俺は一息ついてから西畑に言った。「『先生』には連絡した?」「……はい。屋敷に待機していただいてます」「オッケー。ここは任せる」「車は表に回していますので」 やっぱり持つべきは優秀な部下だよね。少しばかり気持ちが落ち着いたところで、俺は翔ちゃんのところへ舞い戻る。翔ちゃんの意識はなくて、相変わらず増田が止血して、上田が呼びかけている、数分前と変わらない光景がそこにはあった。「そこ退いて」「っ……てめ、何を……」俺の顔についた血にギョッとしながらも睨みつけてくる上田。そもそもこいつを庇わなかったら翔ちゃんは……こんなことになってないのに。そう思うと、腹が立って仕方がなかった。「お前らは若い奴らのことでも見とけば?……それとも何?今、全員東京湾に沈めてやってもいいんだよ?俺は」「……っ」一層淡々と冷たく言ってやり、顎で使うと……上田と増田はもはや何も言えずに、大人しく翔ちゃんから離れた。止血に使われていた増田の上着を剥ぎ取って改めて見れば、出血は前だけ。ってことは、弾は貫通せず翔ちゃんの肩に残ってるってこと。手早く自分のジャケットとネクタイを外す。畳んだジャケットを傷口に強く押し当て、その上からネクタイで胸から背中へと回してきつく縛り上げた。締め付けられる痛みに翔ちゃんが「……っ」と小さく身悶えしたかに見えるけど、構わず固結びにする。白いシャツに血がべっとりつくのも厭わず、愛おしい身体を抱き起こすと、片腕を背中に回し、もう片方の手を太ももの下に差し入れて正面からすっぽりと抱え上げた。俺の肩にくったりと頭を預ける翔ちゃんの、血生臭い臭いの中からわずかに感じる……ほんのりとした甘い匂い。小さな吐息が首元に当たって、ひんやりした俺の胸の内側に熱を灯した。「……おかえり、翔ちゃん……ホント馬鹿な子」誰にも手出しはさせない。もう、離さないから……「心配しなくても『先生』は腕いいからね……すぐに診せてあげる」耳元でそっと囁いて、その下のリンパ節に深くキスを落とす。櫻井組の連中が呆然と見る中で、俺は堂々と翔ちゃんを攫うかのごとく、そのままそっと運び出した。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーってことで翔くん、ニノちゃんのところへカムバック……汗
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーー櫻井組が集結したこの廃クレーン工場には、いくつか出入口がある。主に使われていたやつがあいつらの使った出入口だけど、それ以外はこちらで押さえてる。当初の予定では、頃合を見て逃げ道を塞いで、一斉に突入。正直、反抗されたら始末するつもりだった。……この場に翔ちゃんが来たとなれば……ちょっと突入のタイミングを考え直さないといけないかもしれない。いくつかある入口のうち、一番目立たない所につけられた廃トラックに、俺は素早く乗り込む。中はモニターなど電子製品が犇めき、西畑と数人の組員が作業してる。モニターに映るのは、もちろん事前に仕込んだ監視カメラの映像たち。廃トラック……って言っても見た目だけで、さっきのビルみたく改造済だ。……抜かりなくね。『本家への上納金の差額、どこに流してた?』「!」スピーカーから聞こえた声に、思わずモニターをガン見する。そこには、老獪共を前に一歩も引かない翔ちゃんが映っていた。『……俺をハメて……組を乗っ取って……どうするつもりだった?』『海外に流した金で自分たちだけで高跳びか、あるいは大陸の奴らに与して、本家を潰すつもりだったか?どうなんだ!?』「……」俺が与えた情報を堂々とぶつけ、古株どもに揺さぶりを掛ける翔ちゃん。……ホントは倒れそうなくらいしんどいんでしょう?なんて無茶を……すると。確かこいつは若頭だったか?翔ちゃんが組長になってから一気に存在感が薄くなった男。才能もカリスマ性もないくせに、自分が組長になるなんて思い上がって、上にはヘコヘコして、下には威張り散らして……とにかく他の古株共と好き放題してた。そいつが、画面越しで分かるくらいに悪意を滲ませて翔ちゃんに近づいていく。「和也さん……!」「……!」西畑が思わず声を上げたのは、こいつがあろうことか……翔ちゃんの胸元を開けたからだ。そして。『今は二宮の愛人だったか??』「………」『ずいぶん、可愛がられたみたいだなぁおい』パッと薄汚い手を弾き、襟元を握る翔ちゃん。所有の証が、いくつもついた白い肌。俺のものだ。それを……不特定多数の人間に晒すなんて。 「………」恥辱に歪む横顔を見るいくつもの下卑た視線に、瞬間的に殺意が湧く。 ……おかしいね……戒厳令を敷いてたはずなのに。……あぁ……もう。 「西畑、突入準備」「……っ……了解しました」低い囁きに、西畑が素早くトランシーバーで他の組員へ指示を出す。『一人じゃ何も出来ねぇ甘ちゃんが、組員全員救うとかバカみてぇなこと言ってんじゃねぇぞ?』『てめぇに何が出来るんだよ?頭でっかちにぐちゃぐちゃと引っかき回して、組を潰そうとしてんのはそっちじゃねぇか!』『おい、若いやつよく見てろ!てめぇらが組長組長って崇めてたやつはなぁ……ただの綺麗なだけの芸者みてぇなもんだ。自分の頭が及ばない男には足開くしか能がねぇんだよ、騙されんな!』小賢しい喚きに苛々しながら、憐れみを込めて翔ちゃんを見つめる。「……あの部屋で大人しく待ってたらよかったのに」そしたら少なくとも……こんな辱めを受けることなんてなかったのに。ギュッと胸元を握りしめる頼りない身体。今にも崩れ落ちそうなほど傷ついている心と体。……そんなことになったら可哀想だから、俺が閉じ込めて守ってあげてたのにね。俺の言うこと、聞かないからじゃん……「……やっぱりお仕置きは必要かもね……ん?」気のせいかな。画面の中で、一瞬全員の動きが止まる。そして。『もういっぺん言ってみろっ』「!!翔ちゃん!」思わず叫んだ。翔ちゃんに何かを言われたらしい古株数人が、距離を詰めていくのがわかる。『兄貴っ!』『下がってください!』『てめぇ……言わせておけば』『っ……』「射撃班連れて来たらよかった……」無意識に呟くほど、怒りで頭が真っ赤に染まる。俺の様子に気づいたのか、西畑が緊張気味に声を掛けてきた。「和也さん……」「分かってる……俺、出るつもりなかったんだけどなぁ……」……俺が現場に出ると、悲惨なことになっちゃうから。しかも……今の俺は一暴れするくらいじゃ、足りないかもしれない。翔ちゃんの肌を見た。翔ちゃんを言葉で辱めた。……俺は、これだけでこの中の何人かはあの世に送れる自信がある。もう我慢ならない……そう思った時。若頭の声に被せるような翔ちゃんの声に、俺の耳が惹きつけられた。『っ……知ったような口を叩きやがって!てめぇだって似たようなもんだろうが!!』『俺がこの世界に戻って来て一度たりとも……てめぇら組員の首を差し出したことがあったかっ?!!』「………」翔ちゃんは、目の前の男を睨みつけているように見えた。『二宮の愛人に成り下がった?だったらどうした!?俺はてめぇらと違って組員を守るためなら何だってやる。この頭も、この体も……あの二宮だって利用してやるよ!!』『俺は俺を信じてくれた奴を見捨てたりしない!!例え俺が東京湾の藻屑になろうと、自分の落とし前は自分でつけるっ!!』途端、背中を稲妻が駆け抜けた気がした。「……はっ……ははっ……」なんて、綺麗な花なんだろう……翔ちゃんは。どんなに俺に手折られても、凛として気高く美しい。「この俺も、利用してやるとか……そんな怖いこと言えるの、翔ちゃんだけだよ……」さっきまであんなに……恥辱に震えていたように見えたのに。今や……鋭く強気に光っている大きな瞳。これが惚れ直さないで、どうするってのさ。これだから……離せない。意外性があって、綺麗で……肝の座り方が半端ない。ただ……「……はぁ……」さっきから、地響きのように、翔ちゃんを持ち上げる声が煩い。そうやって無自覚に他の人間を虜にしちゃって……どうして独り占めさせてくれないの、翔ちゃん……「……困るんだけど」『和也さん?どうしました?』「……何でもない。それより……」西畑に返事をした次の瞬間、目に飛び込んできた光景を見て、俺はすぐさま立ち上がる。「……西畑、ゴミ掃除の時間みたい。行くよ」「っ……はっ」俺の表情を見た西畑が、ぐっと息を呑むのが分かる。そりゃそうだ。俺にこの顔をさせた奴で、今まで生きてきた奴はいないんだからね……激しい怒りを胸にトラックを降りると、外からでも中の混乱ぶりが伺えた。もはや誰も足音を気にする余裕などないだろう。バタバタと組員を従えて、一番近場の入り口に歩み寄る。「全員突入まで、5秒前……」西畑がカウントダウンを始めた、まさにその時。ダンッーーーー「!!」響き渡る破裂音。そして。「っあああっ……!!」「あ、兄貴っ!!」一瞬、俺の周りの時間が止まったように感じた。「兄貴っ!しっかりしてくださいっ!兄貴っ!」「………」「和也さん……!」焦ったように声をかける西畑を無視して、俺は錆びついた目の前のドアを徐に開けた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーってことで、突入します。
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちら久しぶりのニノちゃんsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーー櫻井組の会合開始、30分前。俺は、向かいのビルから階下を見下ろしていた。完全に気配を消し、暗闇に溶け込むこちらには全く気づかないまま、櫻井組の面々を乗せた車が吸い込まれるように、工場の敷地へ入っていく。まるで、ゴキブリホイホイみたいだ。黒い服着てるしね、みんな。事前に仕込んだ監視カメラを起動する。入口に設置された一つが、車から降りてきた何人もの人間を映し込む。組の重鎮とされた者たち、若い衆……組の構成員ほぼ全員が、この場に集結したことが分かるけど。「……上田と増田と菊池がいないな……」翔ちゃんがこの場にいないのは百も承知だけど、若い衆が来てそいつらを主に統制してるはずのあの三人は、会合の時間が迫っても中々姿を現さなかった。……翔ちゃんを奪還にでも来るのかと思ったけど、屋敷の出入りはリネン業者以外全くないってのは確認済み。念のため、あっちのカメラをくまなく見ているけど、侵入された形跡もない。ま、無理だけどね?外から屋敷をどうにかしようなんて、戦車使わないと不可能だと思う。そんな作りにしたんだもの。もちろん、中からだって……決して抜け出すことなんて………「……翔ちゃん……」翔ちゃんがあの部屋から逃げ出してずいぶん時間が経つ。仕事の合間に屋敷中の監視カメラを見回しているけど、どれほど遡っても翔ちゃんの姿を見つけられてない俺。どうせすぐ見つかると、最初はタカを括っていたけれど、こんなに時間が経ってしまえば……さすがに心配になって来る。万一ホントにどこかで倒れているなら……一刻も早く目の前のことを片付けて家に帰りたい。諦めて部屋に戻ってきてくれてたらまだ安心出来るのに……ペットカメラもあれから一度たりとも反応してなくて、思わずため息が溢れる。「……参ったなぁ……ホント」自分がこんなに欲深いことを知ったのは、この生活が始まってからだ。翔ちゃんを目の前にすると止まらない。つい、気力も体力も全部削って、ぐったりするほど求めてしまうから……翔ちゃんが疲労困憊になってるのも分かってる。……あまり食事も進んでないしね。でも、それならせめて寝ていてくれれば……少しは回復するのに。わざわざあんなに痛い思いまでして脱出するなんて思わなかった。早く傷の手当てをしないとあの白くて綺麗な肌に痕が残ってしまう。それは嫌だ。まぁ……だったらそもそも縛ったりするなって話になるんだろうけど、そんなの……仕方ないじゃない。だって………「……」意識がないままの彼にしたキスを思い出し、自分の唇に触れる。柔らかい感触。甘い味。ホッとする温もり。……堪らなく愛しい。ずっと欲しかったものが1回でも手に入ったら、もう離したくない。もう少しなんだよ。この大掛かりな作戦も、ここに至る何もかも全部……翔ちゃんのため。翔ちゃんを守るためなら、何だってするつもり。大体、あのまま櫻井組を放置していたら、ホントに危なかったんだから!……でも、翔ちゃんは知らなくていい。物思いに耽りながら、ふと工場のカメラを見た。「!!」会合はついさっき始まったから、もうこれ以上は入って来る車など、ないと思っていた入り口付近。不意に映った黒いバンに、目が釘付けになる。「誰だ……?」俺はそっと窓に近づき、双眼鏡を覗き込んだ。黒いバンの前方のドアが一斉に開けられ、中から行方がわからなくなっていた増田、菊池が降りて来るのが見える。そして、後部座席のスライドドアからは、上田も。いくら翔ちゃんに心酔してるとはいえ、組の会合をすっぽかす真似はしなかったようだ。今までどこにいたのかと思った矢先、上田がドアの方を振り返り、手を伸ばした。そして次の瞬間、思わず身を乗り出した。「翔ちゃん!?」双眼鏡越しに一日ぶりの彼を見つめる。意識のない彼に着せてあげた大島紬はそのまま。その細くて白い手足にはもちろん、縄もサポーターもない。「ちっ……」外に降り立った翔ちゃんが一歩足を踏み出した途端、その体を一瞬揺らす。慌てたように支える上田を、無意識に睨みつけてしまった。だから嫌なんだよ……あいつら。ギュッと唇を噛み、盛大に舌打ちをして……俺はスマホの通話ボタンを押した。相手は、工場の周りで組員を配置し、待機中の西畑だ。『和也さん?今、三人が――』ワンコールで出た西畑の言葉を待たずに、早口で告げた。「翔ちゃんが来てる」『え、櫻井組長も……!?』電話の向こうの西畑も、まさか翔ちゃんが屋敷の外に出ているなんて思いもしなかったようで、絶句している。もちろん俺も、動揺してる。あの屋敷の包囲網を潜り抜けるなんて……一体どうやったっていうの?部屋にいた舎弟たちに、言った。「降りるぞ」「「はっ」」翔ちゃんが来るとは思わなかった。こうしちゃいられない。俺はジャケットを羽織り、即席の監視塔を出る。繋ぎっぱなしのスマホに、伝えた。「俺もそっちに行く。いつでも突入出来るように準備しておいて」ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーなんか長すぎたので一旦切りました。しばらくニノちゃんサイドです……
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーヘラヘラと高らかに笑っていた奴らが、俺の言葉に一斉に目を剥く。「あ?」「んだと……」「もういっぺん言ってみろっ」何人かが凄んで俺との距離を詰める。殺気を含んだ威圧感が、肌を刺すように迫ってきた。「兄貴っ!」「下がってください!」三人衆が俺の前に出ようとするのを、手で制止する。その隙を突くように、若頭が再び俺の襟元を乱暴に掴み上げる。大島紬の布地が悲鳴を上げ、首元が鋭く締まった。「てめぇ……言わせておけば」「っ……」ぐっと持ち上げられ、足の爪先が床から浮く。酸素が断たれ、視界の端が明滅する。息苦しさに眉間に深いシワが寄った。だが、身体の痛みを遥かに凌駕する怒りが、胸の奥底からマグマのように湧き上がっていた。震える声音は、恐怖でも屈辱でもない。腹の底からの怒りだ。「……くだらねぇことをくだらねぇって言って何が悪い……?」「何ぃ?」「何度もチャンスはあった。潰したのは自分たちだ。本家を手ひどく裏切って……その落とし前を俺や、若い衆に押し付けて……恥ずかしくねぇのか」「っ……知ったような口を叩きやがって!てめぇだって似たようなもんだろうが!!」「俺がこの世界に戻って来て一度たりとも……てめぇら組員の首を差し出したことがあったかっ?!!」「!!」腹から声を張り上げながら、睨みつければ……わずかに相手がひるんだのが分かる。「二宮の愛人に成り下がった?だったらどうした!?俺はてめぇらと違って組員を守るためなら何だってやる。この頭も、この体も……あの二宮だって利用してやるよ!!」「な……っ」「俺は俺を信じてくれた奴を見捨てたりしない!!例え俺が東京湾の藻屑になろうと、自分の落とし前は自分でつけるっ!!」俺の言葉に呼応するように、若い衆が一斉に声を上げた。「兄貴っ!!兄貴っ!!」「やっぱり櫻井組の組長は兄貴しかいねぇ!!」「兄貴は俺たちを見捨てねぇ!!絶対にだっ」「兄貴、一生付いていきますっ!!」迷いと動揺に揺れていた若い衆たちの目が、一瞬にして変わった。俺を讃える『兄貴』コールが重なり合い、地響きとなって錆びた鉄骨を震わせる。この場の主導権が俺の手に握られたのは、誰の目にも明らかだった。古株たちがそれを面白く思うわけもない。顔を歪ませ、忌々しそうに拳を握りしめる。「うるせぇ、黙れっ!!」「っ?!」怒号とともに視界が歪んだ。頬に激痛が走り、俺の体はあっけなく横へ吹き飛ばされる。「兄貴っ!!」車内で束の間の休息を取ったとはいえ、4日間にわたる二宮の屋敷での監禁生活。衰弱しきった体に、あの疲労がそう簡単に抜けるはずもない。そう、俺はただ……気力と誇りだけで立っていたに過ぎなかった。体格の勝る男からの渾身のストレートをまともに受け、意識が一瞬白く飛ぶ。「兄貴っ」「っつ……」「大丈夫ですか!?」床へ叩きつけられる直前、背後から俺の体を受け止めてくれたのは、増田と菊池。二人にかばわれながら、なんとか膝を押し立てて起き上がる。荒い息とともに口内に鉄の味が広がった。「てめぇ、よくも兄貴に手出しやがったな!?」上田が唸り声を上げ、若頭に飛びかかったのが合図になった。「っ……やめっ、上田!」「上田の兄貴に続けぇ!!組長を守るんだっ!!」「櫻井組は乗っ取らせねぇっ!」「調子づいてんじゃねぇぞ、ガキどもがっ!!」「やめろ、お前ら!!二宮はここで会合することを知ってる!!一刻も早くここを出ないと……っ」声の限りに叫ぶが、もはや誰の耳にも届かない。鉄パイプの跳ねる音、肉の潰れる音が響き、凄惨な乱闘があちこちで始まってしまった。「く……っ……」まだだ。まだ危機は脱していない。二宮は間違いなく、櫻井組を一網打尽にするために動いている。もしかしたら、この冷たい暗闇のどこかで、冷酷な笑みを浮かべてこの愚かな殺し合いを眺めているのではないか。若い衆が古株の甘言に騙されるのは防ぐことができた。だが、このまま互いに削り合い、消耗した挙句に二宮組の手にかけられてしまえば、何の意味もない。「まさか……あいつ……」背すじに冷や汗が吹き出し、一気に血の気が引いた。二宮にとってみれば、若い衆が古株に寝返ろうが、分裂して乱闘を起こそうが……ハナから全員まとめて粛清するつもりなら、何一つ変わらないのではないか。何とかして止めなければ。屋敷から死に物狂いで脱出した意味がない。いや、若い衆を守れなければそれこそ……俺がこの世界に戻ってきた意味だって。(……櫻井翔さん、ですね)(お迎えに上がりました)(……組長が、あなたにお会いしたいと、言っています……)(……櫻井組を……若い奴らを……頼まれてくれねぇか……翔……)過去の記憶が脳裏を過る。もはや、記憶から飛びつつあった父親の……最期の言葉。そうだ……俺は……そのために……戻ってきたんだ……!その時、俺の視界の端に、異様な影が映り込む。乱闘の喧騒から少し離れた柱の陰。古株の一人が懐に手を入れた。引き抜かれたその手に握られていたのは、鈍く光る金属………拳銃だ。その男が憎悪を込めて銃口を向けたその先には……無防備に目の前の敵とやり合っている、上田の背中があった。「!!」思考より先に、体が動いていた。死に体の体躯からは想像もつかない力が湧き上がり、俺は弾丸の軌道上に向かって跳ぶ。「危ないっ!!上田っ!!」「!?兄貴っ!!」視界を遮るように飛び込んだ俺に、上田が目を見開く。その体を力任せに押した瞬間……寒々とした工場内に、甲高い破裂音が轟いた。―――ダンッ!!直後、右肩に極太の鉄杭を打ち込まれたような、すさまじい衝撃が走った。その衝撃で宙を舞い、冷たいコンクリートの床へ激しく転がり落ちる。灼熱の激痛が遅れて襲いかかり、俺は息もできずにのた打ち回った。「っあああっ……!!」「あ、兄貴っ!!」悲鳴のような上田の声が届き、倒れた俺の元へ彼がなりふり構わず駆け寄ってくる気配がした。……よかった。上田には、当たっていないみたいだ。「兄貴っ!しっかりしてくださいっ!兄貴っ!」右肩が、内部から焼け焦げるように熱い。だがそれとは対照的に、傷口から溢れ出す温かい液体が体温を奪っていき、強烈な寒気が全身を襲う。視界が急激に明度を失っていく中、傷口を強く圧迫される激しい痛みが走った。「っぐ……っ」「兄貴っ!!大丈夫ですか!?意識を保っててくださいっ!」増田の必死な声が上から降ってくる。自分の上着を叩きつけ、血を止めようと体重をかけて圧迫しているのは彼だろう。「誰だっ!?兄貴を撃ったのはっ!!」「ぶち殺してやる!!」「やれるもんならやってみろ!!全員この場で肉塊に変えて、内臓売り飛ばしてやる!!」怒号と怒号がぶつかり合い、周囲の空間がガンガンと頭の奥で反響する。その音が、徐々に遠く、籠もっていく。まるで、冷たい水底へ沈んでいくかのように。俺のことはいいから……早く逃げて……掠れた唇を必死に動かそうとするけれど、もう舌が麻痺して痺れ、一筋の空気すら声にならない。「兄貴っ!目を開けてくれ!兄貴ぃぃっ!!」上田の声が涙混じりになり、頬に落ちるその雫の熱さも……どこか遠くなったその時、ギィィ……と、重い鉄の扉が押し開かれる音が、静かに響いた気がした。悲鳴も怒号も、一瞬で消え去ってしまうほどの、圧倒的な冷気。俺はもう……重くなった瞼を開けられずにいたけれど。何故だろう。肌を刺すような空気の変化で、わかってしまう。……お前、やっぱり……見てたんだな……水底に沈んでいく意識の土壇場で、ゆっくり規則正しく歩いてくる靴音だけが、最後まで俺の鼓膜を揺らし続けていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーとりあえず書けた〜次はニノちゃん視点になります
こちらは磁石(和翔)です💛BL展開なので、苦手な人は回れ右で。完全フィクションにつき、実際の人物とは何の関係もありません。 初めましての方はこちら前の話はこちら久しぶりなんであれですが、頑張りますーーーーーーーーーーーーーーーーーーー古株たちが招集をかけたのは、東京湾岸エリアにある廃クレーン工場。たどり着く頃には、すっかり月が真上に来ていた。菊池が車を静かに止める。日中なら、これほど何台も黒いバンが停められていれば何事かと怪しむ人間は五万といるだろうが、生憎そんな世間の目はこの真夜中にはない。電灯も点いてない。辺り一面暗闇になってるこんなところに、集まっているのはうちの組ぐらいだろう。スモークガラスで見えにくいが……駐めてある車には誰も乗っていない……全員、この工場の中にいるってことだろう。「招集時間です。行きましょう」「……ああ」菊池の声を合図に、俺はそっとバンを降りた。途端、フラッとしたのを上田が支える。「兄貴っ」「悪い、大丈夫だ」そのまま肩を貸そうとした彼の好意を丁重に断り、深呼吸した。いよいよ、対峙。足音を気にして、裸足で入口に足を踏み入れた途端、奥の方がざわざわと騒々しくなってるのがわかった。足裏から伝わる床の冷たい感触。時折濡れているのは、どこからか水が漏れているんだろう。長年放置された空間は、所々に綻びを抱えているようで、扉は閉まっているが、隙間が大きい。この会合は……秘密裏のはずだが、上にも横にもだだっ広い空間も相まって、無駄に音を反響させているようだ。「お前ら、このままでいいのか!?」「!」一人の声が響き、ピタリとざわつきが消えた。「お前らの信頼してる組長は、二宮に俺等を売ったんだぞ!?そして二宮はこの櫻井組を吸収しようとしている……」「吸収なんて可愛いもんじゃねぇ。あの二宮和也だぞ?どうせ俺たちをボロ雑巾みたいに捨てるに決まってんじゃねぇか」「そうだ、そうだ」「組長は借金の肩代わりしてもらうために二宮に与したんだ……もうあいつは此処には戻ってこないだろうな」「お前らは見捨てられたんだ!元カタギの弱い頭なんぞ、見限れ。今こそ立ち上がるぞ」「あいつら……なんて勝手なことを……」腹の底から沸き上がる怒りを必死で堪えるが故に、声を震わせながら言う菊池。「誰のせいで……っ」上田もまた、目を充血させながら前方の扉を睨見つけている。「兄貴……」増田が俺を見返した。「……っ」ぐっと拳を握りしめた。そもそも、俺が二宮に隙を見せるきっかけになったのは……自分たちのせいだというのに。よっぽど、彼らは俺が気に入らないらしい。かつて、父親が守ろうとした者たち。彼らのことも、見捨てるつもりなんてなかった。どれほど、嫌われていようとも。だが、もう無理だ。どこからどこまでが、俺を組から追い出すための罠だったかはわからない。でも、俺のことが煩わしいからといって……関係ない組員の命まで自分たちの道連れにするのは許せない。怒りのまま扉を蹴破り、中へ飛び込んだ。目の前には櫻井組の組員たち。二手に分かれて見えるのは……気の所為ではないだろう。片側には古株たちとその支持者。その前には、若い衆を中心とした者たち。その全員が、俺の方を見た。「兄貴!!」「……誰が見捨てたって??」「!!!?」俺の姿を確認した古株たちは、ほぼ全員顔を引き攣らせた。「馬鹿な……」「あの屋敷から逃げ出すなどと……」「………」まるで亡霊を見るような目に、思わず苦笑する。……あわよくば二宮の手にかかっていれば、とでも思っていたのかもしれない。上田が前に歩み出た。「お前ら、どういう了見だ?兄貴が何故借金を背負うことになったのか……何故二宮に弱みを握られる羽目になったのか……忘れたとは言わせねぇぞ?」「上田、口の利き方に気をつけろ!」「兄貴はお前らのことだって見捨てないつもりで危険を承知で二宮の所へ出向いた……なのに、兄貴がいない間に勝手に組を扇動していいと思っているのか!?」「てめ……増田……」「結果的に二宮に組を売ったのはお前らじゃねえか!!」「んだと、菊池ぃぃ……」「やめろ、三人とも下がれ」「「「……っ」」」そう言うと、上田と増田と菊池が下がる。代わりに俺が、前に出た。「本家は、櫻井組と絶縁に向けて動いている」「なっ!?」「二宮に逆らえば……この場にいる全員東京湾に沈むかもしれない。あの二宮のことだ。こんな会合していることだって、お見通しだろうな」「……なんだと……?」「……言っておくが、お前らがしたことは全部……二宮から本家に伝わっている。そして、本家は組の始末を二宮に委任してる。下手なことはしない方がいい」淡々と事実を伝えると、若い衆たちの顔が真っ青になっていくのが分かる。『絶縁』はそれだけ、この世界に生きる者たちにとっては『死』と同義だということ。「はっ、何を言い出すかと思えば……」「そんな口だけで本家が動くはずがない」目の前にいる古株たちは、嘲笑するように俺を見た。「本家への上納金の差額、どこに流してた?」「……っ!」だが……俺がボソリとそう言った途端、彼らの顔がビクついた。「……俺をハメて……組を乗っ取って……どうするつもりだった?」「………」「海外に流した金で自分たちだけで高跳びか、あるいは大陸の奴らに与して、本家を潰すつもりだったか?どうなんだ!?」堪らず叫ぶと、その場がしんと静まり返る。しばらくして……古株の一人が言った。こいつは、当初からずっと俺を目の敵にしていた……櫻井組、若頭だった。「はっ……偉そうにすんじゃねぇよ、カタギ風情が」「何……」「いや」卑しい笑みを隠そうともしないで、俺に近づいて来た男は、俺の胸倉を掴み襟元を開けさせた。「今は二宮の愛人だったか??」「っ……」「な……」古株たち以外が、一斉に息を呑んだ。それは、後ろにいた上田や……増田や菊池も……「ずいぶん、可愛がられたみたいだなぁおい」「……!」咄嗟に手を払い襟元を閉めたが、舐るような視線が離れない。視力のいい何人かには見えていただろう。俺の肌に残された二宮の痕跡を。古株たちの視線も、蔑みだけだったのが、そこに何とも言えない厭らしさが混ざったのがわかる。「一人じゃ何も出来ねぇ甘ちゃんが、組員全員救うとかバカみてぇなこと言ってんじゃねぇぞ?」「てめぇに何が出来るんだよ?頭でっかちにぐちゃぐちゃと引っかき回して、組を潰そうとしてんのはそっちじゃねぇか!」「おい、若いやつよく見てろ!てめぇらが組長組長って崇めてたやつはなぁ……ただの綺麗なだけの芸者みてぇなもんだ。自分の頭が及ばない男には足開くしか能がねぇんだよ、騙されんな!」若い衆たちの間に、動揺が走った。「……っ……」二宮に着せられた大島紬の襟元を、破るぐらいの勢いで握りしめた。何も言い返せない俺が、事実を全員に知らしめている。古株たちの嘲笑に胸がグサグサと抉られるようだ。できる事なら……誰にも知られたくなかった。こんな形で暴かれるなんて、目眩がする。思わずその場に座り込みたくなるような屈辱。唇が切れそうなくらいに、噛み締めた。「今のこいつに何の力がある!?こっちはすでに強大な勢力と手を打っている。こんな貧乏臭い組のままじゃねぇ!」「もはや二宮の愛人に成り下がった奴に、本家の説得などできるわけがない。こちらに来れば二宮組なんぞ一網打尽……お前ら、甘い汁を吸わせてやるぞ?」若い衆は尚もざわついている。本家からのお達し、信じてきたであろう組長の無様な姿を目の当たりにする中で、古株たちの巧みな言葉に、誰につけばいいか戸惑っているのが分かる。上田、増田、菊池もまた、動けずにいる。背中に当たる視線は、複雑さを増した。ひょっとしたら彼らは……もっと前から気づいていたんだろうが、俺の名誉のために何も言わないでいてくれたんだろう。俺は一つ、息を吐いた。そして。「くっだらねぇ………」思わず呟いていた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやっと書けたぁ〜……ここからスピーディに展開できたらいーな💦
こんばんはみょるにるです✨️ 息子が本日、無事に13歳になりました良きかな、良きかなっていうのも。今日捨て活の一環で、今年のzeroを始めとした録画を整理したんですけど……ほんっとにろくでもない事件ばかりあるなって思ったんです辺野古の女子高生たまたま出会った見知らぬ男に殺されたOLさんトクリュウ絡みで犬まで被害に遭った強盗殺人行方不明になった当日に実は母親の再婚相手に殺されていた 小学生……テレビが放送しない自由を発揮してるだけで、まだ知らない嫌な事件がたくさんある……ホントにいつ何時、事件事故に巻き込まれてもおかしくない(先日の三ノ宮の事故……21歳の女子大生の方、ホントに不憫でした……)。だから、息子が13歳を無事に迎えられただけでもありがたい。例え……中間テストが数学が赤点だっとしてもいや、やべぇので対策しなきゃ……今日は焼肉行って、食べ過ぎて、ケーキ買ったのに食べられてないんですが(息子だけは食べたw)、明日食べようと思いますみょるにるでした
こんばんは✨️みょるにるですm(_ _)m突然ですが、捨て活を始めました。まぁ、いつものことっちゃそうなんですが……今月は1日→31個、2日→30個……という感じで、1日1日捨てていくチャレンジをしようと思ってますホントは1日は1個、2日は2個……にしようと思ったんですけどそれだと絶対月末挫折しません?逆のほうが良くないですか??って言った後輩のアドバイスをそのまま受け入れた形(*ノω・*)テヘ今日は月刊ザテレビジョン 関西版[本/雑誌] 2026年11月号 【表紙】 上白石萌音 × 向井康二 / KADOKAWA楽天市場640円↑翔くんのプーさんタイム記事を切り取った後のこれ(如恵留もいるから二重に嬉しい(´∀`*)ウフフ)と9月のレシート26枚(溜めすぎ)と、HDDの中の6番組整理して、計32個(1個多かった💦)の手放しました。なんせ数をこなさないといけないので、小さいのも入れました〜明日は9月のレシート入力完了させるけど、それだけでは30個の目標には行かないので、、数が行かないなと思ったらスマホの中身でも整理しよっかなロック画面とホーム画面、最近は変えてみたんですが、結構お気に入りです♡ホーム画面は、WE ARE ARASHIのチケットホルダー画像。そしてロック画面が……めっちゃちょうどよくないですかー!?(*ノェノ)キャーお気に入りです(´∀`*)ウフフただ、この調整にめっちゃ時間かかって、無駄にスクショが増えちゃいましたが……汗増えているといえば、HDDもかなり録画が溜まってて、そろそろ空きが気になってきたところ。だから、今日は少し整理したんですけど……。突然ですが。昨日のショーチャン、面白かったですよねぇ〜(マジ突然💦)何、あの半端ない安心感✨️ホント楽しい人たち!!出雲大社……行ったことないんですよね。足立美術館も……機会があったらぜひ行きたいつかこの4人だけのロケ、マジで楽しかった。前髪ぱっかんなのがちと残念ではあったけど、昨日はまだスタイリングマシじゃなかったですか??←酷ぇもうね、何度も観たいですよね♡……と思って、録画一覧を見てみると……ない……ないぞ?!_| ̄|○ il||liいつも翔くんの名前が入ってたら自動録画になるから、ショーチャンもそうだと思ってた貴重な壁なしだったのにい〜!!うわぁーん(T_T)無念過ぎる……しばらくHuluで見るけどさぁ……この前の一覧ファクトリーと一緒にBlu-rayに焼いて欲しい……ってか、これまで壁だったショーチャンも正直欲しいわ……(´Д⊂グスン再放送とかしてくんないかなー……伊勢神宮はあったけど、吉野ケ里遺跡とか法隆寺とか、確かこっち壁じゃなかったっけ……(´Д`)ハァ…壁は何のためにあるんだよぉぉぉぉ〜〜!!!!独り言です、すいません😓まぁ、自分が悪いのでとりあえず観られる時にしっかり観とくしかありませんね……録画してたってちゃんとみてるかって言われたら観れてないんですもの……(んで、観たいと思ったやつがないっていう本末転倒)Huluは隣の先輩がログインしてくれて、観れるようにしてくれてるので……そう、嵐ファン兼timelesz推し猪俣氏推しの……先輩です記者会見は見てませんが、まぁ……やっぱりなって感じでしょうか。朝、スマホを見ていた先輩から「契約解除になりました」って言われて……ほんっっとに何とも言ってあげられず、「ファン向けに連絡来たんですか?」っていうよく分からん反応しか出来ませんでした……(先輩からは「はい」と返事が)うち、始業からイオン開店の10時までは朝礼があったり、勉強会あったり、開店準備したりって感じなんですけど、ふと見ると先輩の姿がなくて。……泣いてたらどうしようと心配になりました他の後輩はYahooニュースを見たようで、「うわ……」「◯◯さん、大丈夫かな……」と話して、けどもう何とも言えないから、そっとしとくことにしたんですが、その後の先輩は至って普通に見えました(SWから今までもういっぱい泣いたんだとは思います)あんなに熱心に推してた相手が、彼女持ちだったのもさることながら……女性を殴って逮捕されて、脱退契約解除ですもん……ダブルところかトリプル……今後、推し活の話が出来るのかなぁ……とも思いますが、変に気を使うのもまた違うのかなと思うし、様子見ですかねぇ……この前のライブも映像化中止とか……当たらなかった人も当たった人も楽しみにしてただろうに……ホント一瞬で人生詰んだなって思います٩(๑`^´๑)۶残念ですね……ホント。これから正念場だろうなぁ……ただ、私はtimeleszよりトラジャですがw今度のトラジャのアルバムを買うかどうかちょっと悩み中です汗。ただ……アルバム買ったけど全く聞かずに後輩に渡そうとしてるSixTONESの例があるので、、どうかなwwと、色々話題コロコロ変えすぎな、みょるにるでした(*ノω・*)テヘ 松潤、SBIのCMおめでとう♡カッコいい♥️♥️メンバーシップ入会特典、楽しみだな
2026年9月30日追記作品が多くなってきたので、目次のページを作ってみました♪よかったら参考までにご覧ください❤️ちなみに全てにおいて翔くんは受けですので悪しからず❤️《お話以外のこと》初めましての方へ……まず最初にこちらをご覧くださいね。フォロー申請のことはこちらへ(選択承認)基本フォローは無言申請も可能ですが、ブログタイトル、及び出されている記事的にこちらの思惑とそぐわない(宣伝系など)とこちらが判断した場合は承認してません。悪しからず、ご了承くださいませ<(_ _)>ご不安な方はメッセージいただけると大変助かります✨✨ブログの内容が内容なので……一目で男性だと分かる方からのフォローも全てお断りしていますm(_ _)mいいねを今まで押されたこともなく、フォロー申請だけあることがあります。少しでも嵐ファンなのが記事やプロフィール、アイコンでわかればいいんですが、そうではない場合……最近は否認することがあります。Amebaの男女表示のアイコンの方、お一人で読んでるかどうかが分からないので、否認することがあります💦性別未登録の方でも、アイコンが嵐ファンとかそうゆうのが分かれば否認しません。アイコンわざわざ変えたくない場合は、匿名フォローの方でお願いしますm(*_ _)mアメンバーについてアメンバー募集に関してこちら必読です。必ずご一読下さい❗❗詳しくはこちら必須項目クリアしてもらえたら、扉はいつでも基本的に開けます!(1日ぐらいw)日々の出来事など……日々のことだったりを主につらつら書いてます。主に仕事、家族の愚痴や事件などをちょこんと呟いたり、ずらっと長かったり……その長さにはムラがあります笑。なお、記事数が多いのでわかりやすいように、テーマを【】でタイトル前方につけることにしました。とはいえ、ただ今目下整理中です!しばしお待ちを!主には以下の内容で分けてます✨【日常】 ……日常的な話【呟き】 ……ただの呟き【お知らせ】……お知らせあれこれ混ぜこぜの時もあります汗。腐った頭で思いを馳せる……妄想のネタを書いたり、書いてるお話のことを書いたり、イメージ画像(アメ限です)を載せたりしていますイメージ画像は転載禁止です。こちらも【】でテーマを分けることにしました。【あとがき】……お話のあとがき【メモ】……話のネタをメモ【画像】……イメージ画像【呟き】……腐った呟きをしてます嵐記念日嵐と嵐メンバーの記念になる日(誕生日、入所記念日デビュー日)のお祝い的な記事を置いてます。ただし、企画参加などでお話に絡めて書いたものは入ってません。(『Kissからはじめよう』『もっと、いまより』など)《長編》櫻葉小説『花』……弓道部の先輩翔くん×新入生の相葉ちゃんの高校生話。ニノは相葉ちゃんのお隣さん、大ちゃんは翔くんの幼なじみ、松潤は相葉くんの担任の先生で出てきます。記念すべきみょるにるの処女作相葉ちゃん目線で進みます。※夏編から岡田くんが出ています!《春編》プロローグ~85了《夏編》プロローグ2~166了《秋編》プロローグ3~240了《冬編》プロローグ4~番外編Lotus……翔くんの隠された秘密暴露編。大ちゃん目線。24話完結。翔潤小説『TWO TO TANGO』……略して『TTT』(最近一部の人には浸透しつつある笑)。雨に怯える元タンゴダンサーの大学生翔くん×その原因になった年下の天才ダンサー松潤の話。大ちゃんは翔くんの従兄、ニノは松潤のマネージャー。相葉ちゃんは松潤の腹違いの兄で登場します。前半はお山が多いです苦笑。翔くん目線と松潤目線の他、番外編で大ちゃん目線の話、ニノちゃん目線の話があります。プロローグ《side S》《side J》~23~31……過去回想32~6061~75《side J》……松潤の過去回想76~8485~88《side J》89~102103~122《side J》……松潤の現代と過去回想123~143 ……ダンスフェス直前の翔くん144〜148《side J》……ダンスフェス直前の松潤149〜152 ……ダンスフェス突入153~156 《side J》……ダンスフェス直後157~番外編『TWO TO TANGO 』O side Zero -G……大ちゃんside。15話完結。『TWO TO TANGO 』O side Zero-G Bef. FESTIVAL NIGHT……ダンスフェス直前の大ちゃんside。3話完結。『TWO TO TANGO N side Gimmick Game』……松潤と日本へ来る前のニノちゃんside。4話完結。お山小説『I seek』……今色んな意味で崖っぷちの高校生ピアニスト翔くん×元崖っぷち天才高校生画家大ちゃんの話。松潤は翔くんの幼なじみ、ニノは翔くんと松潤のクラスメイト、相葉ちゃんはこの3人の担任の先生であり、翔くんにとってとても大切な人の弟でもあります。大ちゃんは翔くん、松潤、ニノより一つ上の設定ですが……散々匂わせた彼、2020年11月下旬、やっと登場いたしましたーっ笑❗ただ今1番長編の中で進みが悪いです(._."Ⅱ)プロローグ~56~54……翔くんの過去回想55~73……翔くん一人で悩む74〜101……文化祭スタート(大ちゃんとの出会い)102~番外編夜空への手紙……10話完結。相葉ちゃん目線。磁石小説『Count on me』……入行2年目、7人兄弟の長男で苦労人の銀行員翔くん×支店配属同期でライバルのニノの話。社会人もの。松潤と相葉ちゃんは彼らの先輩。大ちゃんは彼らのいる銀行の一課長です。自分の誕生日にしょっぱなからやっちまってるプロローグをお届けした思い出深い(?)話です……ヽ(´o`;ほんのりじゃない潤翔とほんのり相櫻があります笑。兄貴会メンバーも出ています♪プロローグ~23~30……翔くんの過去回想31~70……翔くんの土曜日〜月曜日の営業後71〜91……翔くんの火曜日~金曜日の営業後92~127……金曜日の夜~翔くんの家に帰るまで128〜翔くん総受け小説『モノクロ』……翔くん以外の4人はそれぞれ能力を持つ吸血鬼。みんながみんな、翔くんと絡みあり 〃▽〃)●の番号は……プロローグ部分。本編その1は5人の出会い編、現在本編その2……翔くんの秘密編Crazy Moonを非定期連載中✨《プロローグ編》Side Satoshi1~9Side Masaki1~9Side Jun1~10Side Kazunari1~9All side&Side ……《本編その1:出会い編》①~④……斗真side⑤~⑮……雅紀side⑯~27……潤side28~43……カズside44~56……智side(前編)57 ……斗真side58〜75……智side(後編)《本編その2:Crazy Moon》①~㉚……プロローグ編直後から㉛~ ……出会い編直後から※かなりアメ限多いです……『Sakura』……翔くん総受け。話数未定。翔くんはとある国の長であるお姫様(男であることを隠してます)、ニノちゃんは翔くんのお世話役、相葉ちゃんは翔くんのボディーガード。松潤は翔くんに結婚を申し込んではフラれまくってる大国の皇子、大ちゃんは松潤を守る忍びとして登場してます。ふざけてます、ハイ笑。短編くくりでしたが、展開的に明らかに短編じゃないため、長編へ移動しました笑翔くん総受け☆Sakura《短編》……という名の中編シリーズです!!長編が中々進まなくて、書き始めたものです。完結してるものがあります(≧▽≦)……これもむしろ長編かもと思ってるのは私だけではあるまい……💦『two』……お山(智翔)。秘書翔くん×社長大ちゃん。ニノちゃんが翔くんの上司の秘書室長。10話で完結。1~9は翔くん目線ですが、最終話のみ大ちゃん。短編☆two『Hung up on』……『two』の続編。18話で完結。1~13は大ちゃん目線ですが、14~17話は翔くん。最終話のみ二人目線。Hung up on ~two~『Sunshine』……『two』『Hung up on』の続編。20話完結。『Hung up on』のラストに出てきた視察の話。1~16話は翔くん目線、17~19は大ちゃん目線、最終話は二人目線。Sunshine ~two『I Can't wait For Christmas 』……『two』シリーズのクリスマス番外編。10話完結。I Can't Wait For Christmas ~two『Crazy groundの王様』……『two』『Hung up on』『Sunshine』の続編。1話完結。2022年ハロウィン記念🎃。秘書室長ニノ目線。Crazy groundの王様~two『Yes?No?』……潤翔。執事翔くん×8歳下の御曹司松潤。15話完結。1~12は松潤目線ですが、13~最終話は翔くん。短編☆Yes?No?『Tears』……『Yes?No?』の続編。翔くんの秘密のお相手として相葉ちゃんが追加。25話完結。1~19は翔くん目線で進み、翔潤をうたいながら11話からはほぼ相櫻。絡みもあり。20~最終話は相葉ちゃん目線です。Tears ~Yes?No?『The Bubble』……『Yes?No?』『Tears』の続編。3話完結。『Tears』の中で軽く触れた話を詳しく書いたものです。松潤目線。前作の翔潤不足をここで解消してます笑。The Bubble ~Yes?No?『君への想い』……『Yes?No?』『Tears』『The Bubble』の続編。『Tears』の松潤sideからスタートします。107話完結。1~84話までが松潤目線、85話~最終話は翔くん目線です。君への想い〜Yes?No?『サヨナラのあとで』……『Yes?No?』『Tears』『The Bubble』『君への想い』の続編。最終章。潤翔ですが、スタートは相葉ちゃん目線から。今後松潤、翔くんと目線をコロコロ変えて進める予定です✨サヨナラのあとで~Yes?No?『WISH』……『Yes?No?』シリーズのクリスマス番外編。5話完結。WISH〜Yes?No?『Sugar』……相櫻。失恋して傷心の翔くん×バーテンダー相葉ちゃん。20話完結。1~16までは翔くん目線ですが、17から最終話は相葉ちゃん目線です。短編☆Sugar『sugar and salt』……『Sugar』の続編。35話完結。相櫻の恋愛には全く絡みませんが、翔くんの勤めるホテルのメンバーとしてジャニーズの先輩後輩を出してます。sugar and salt ~Sugar『Morning Light』……『Sugar』『sugar and salt』の続編。side M とside S の2話構成で完結。本編の後日談です。相葉ちゃんが勤めるカフェのオーナーとして大ちゃんが登場してます。Morning Light ~Sugar side MMorning Light ~Sugar side S『二人の記念日』……『Sugar』シリーズのクリスマス番外編。15話完結。初めての喧嘩です。二人の記念日~Sugar『キャラメル・ソング』……『Sugar』『sugar and salt』『Morning Light』の続編。2021年嵐結成記念日で作成。相葉ちゃんのカフェのバイト仲間で末ズが登場しています。11話完結。キャラメル・ソング~Sugar『愛と勇気とチェリーパイ』……『Sugar』『sugar and salt』『Morning Light』『キャラメル・ソング』の続編。嵐23周年祭企画参加作品。8話完結。アメ限1話。第1話の前半、長めに挨拶があります。愛と勇気とチェリーパイ『Bittersweet』……『Sugar』シリーズ最終章。Bittersweet『Calling』……磁石(和翔)。2020年ニノちゃんの誕生日にスタートしてます。完結話数未定(ついに開き直るw)。短編☆Calling《超短編》『ふたりのカタチ』……相櫻。特に何も設定せずに書いたものです。最初が翔くん、もう一つが相葉ちゃん視点です。ふたりのカタチ―櫻葉超短編―『Amore』……『ふたりのカタチ』の続編。6話完結。Amore〜ふたりのカタチ『シルバーリング』……潤翔。こちらも特に設定なし。最初の2話が松潤side、最後ちょっと長めな1話が翔くんsideです。シルバーリング〜翔潤超短編〜『Kissからはじめよう』……『シルバーリング』の続編。嵐22年祭企画参加作品。翔くんsideのみ。全10話完結。ちなみに、第1話はお祝いメッセージが前半にあります💦Kissからはじめよう『もっと、いまより』……『シルバーリング』の続編。2022年松潤生誕祭記念参加作品。1話のみ。前半にお祝いメッセージあり。当社比、最大級の甘々潤翔笑。もっと、いまより『Bad boy』……お山(智翔)。裏社会にも名のしれたやり手実業家の大ちゃんとかつてその愛人だった翔くんのちょっとした話。4話完結。まだプロローグみたいな感じです(結構鬱展開の予定苦笑)Bad boy〜お山超短編〜『Unknown』……磁石(和翔)。2022年ニノちゃん誕生祭参加作品。ゲーム狂で世の中なめまくってるヒキニート気味なニノちゃんとカジノディーラー翔くんの話。10話完結。アメ限なし。最初に長めに挨拶があります。Unknown~磁石超短編『Endless Game』……『Unknown』の続編。2人のその後。翔くん目線。10話完結。Endless Game『抱擁』……1話1話が4000字以上の長ーいお話(&全編アメ限)。翔くん総受け。潤翔から順にスタートしてます。裏設定は、翔くんがアートギャラリーの会社員、大ちゃんがアーティスト、相葉ちゃんがモデル、ニノちゃんがゲームプログラマー、松潤がレストランのスーシェフです(今の所全く触れてないけどww)。6話完結。続編あり。【JS】【NS】【AS】【Side S】【OS】前編【OS】後編『Circle』……全編アメ限。『抱擁』のその後の話。翔くん目線でOS→AS→NS→JSの順に展開。4話完結CircleFind The Answer(仮)……『抱擁』の続編、『Circle』の答え合わせ的お話。『One Step』………2023年翔くん誕生日記念祭り参加作品。磁石(和翔)。大学4年生翔くんと彼に家庭教師してもらってる従弟の高3ニノちゃんの話。5話完結。One Step『お気に召すまま』……2023年翔くん誕生日記念祭参加作品。潤翔。社畜リーマン翔くんとイケメン小料理屋店主松潤の話。22話完結。お気に召すまま『Love so sweet』……2025年松潤誕生日記念祭参加作品。『お気に召すまま』の松潤side。ニノちゃんも出ます。23話完結。Love so sweet『let me down』……相櫻。お試し書きのプロローグのみ(アメ限)let me down『冬のニオイ』……お山(智翔)。お試し書きのプロローグのみだったのを、2025年翔くん誕生日記念話で連載しかけて、現状ペンディング中。近日中に再開予定。冬のニオイ『チェックのマフラー』……2024年相葉ちゃん生誕記念祭参加作品。相櫻。とあるクリスマスイブに出会った年の差の2人(翔くんの方が相葉ちゃんより6つ程上のイメージ)が、マフラーとクリスマスケーキで再び結びつくお話。翔くんの伯父さんとしてキムタクが出ていますww 全11話完結+キムタク伯父さん目線のおまけあり。チェックのマフラー『One Love』……チェックのマフラーの続編。12話完結。前作から1年後のお話。年の差から中々先に踏み込めない翔くんに対して、男前サンタの相葉ちゃんの作戦とは……One Love『風雲』……磁石。元カタギの若き組長翔くん×ライバル組織の組長で経済ヤクザのニノちゃんの狂愛任侠もの。翔くん側の舎弟はおなじみ笑、上田、増田、菊池wニノちゃん側には私の作品ではお初……西畑くんが出ています💦連載中。風雲おまけ『サトベントカレンダー後編』2025年大ちゃん誕生日記念のコラボ企画。全1話。前編を企画者の眞白様が。後編を私含め何人かの書き手がそれぞれ展開しています✨️クリスマスのアドベントカレンダーになぞらえて、大ちゃん誕生日へ向けてのカレンダー……サトベントカレンダーをすることになったお山の物語。サトベントカレンダー後編ちなみに前編へ行くのも↑からこれからまだまだ追記していく予定でーすあなたのお好みの話が見つかりますように……❗みょるにるでした❤️(仮)で書いているのは、早めに書き始めたいやつです💦自分を追い詰めるために書いときます笑。ネタとしてずっと握りしめているものを発散したい💦
このお話は、翔潤小説として展開中の『TWO TO TANGO』の番外編のお話です。本編はこちらへ。松潤の敏腕マネージャーであるニノのお話のラストです。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーその彼ーー翔さんは父親の死があって帰国したようだけど……そのまま留学を取りやめてしまって、マドリードに戻ることはなかったみたい。……学費の問題……じゃなさそうね。セニョールは見い出した人間には、自腹で支援をするくらいの人だもん。セニョールがそこまで認めて、Jが惚れていた相手なら尚のこと……その方向で考えるだろう。例え唯一の肉親である父親の死がショックだったとしても、時間が経てばどうにかなるって思うのは甘いのかな。どちらにせよ、セニョールなら待つはずだ。それこそ……カウンセラーだって用意したんじゃない?それすら断ったってこと?ここの団員になるには、相当苦労しないといけない。こんな条件……みんな飛びつくよ。またとないチャンスなのに……それを蹴るなんて。セニョールが言った。「二人に何があったか詳しくは知らない。二人とも何も言わなかったからな。ただ、翔は『あのままタンゴを続けることで、この先また潤と会う可能性があるなら……自分はもう一生踊れなくていい』と言ってきた」「え……それは……」「留学を取りやめると聞いて、俺はどうしても諦めきれなくて翔と話をさせてもらった。学費が厳しいのなら、もちろん支援するつもりだった。でも……そう言われてしまったら、引き留められなかった」「……」ここに来る人間は大抵生活がダンス漬けだ。それを手放すほど、お前には会いたくないって……相当じゃん。……運命の相手に、可哀想なぐらい嫌われて、 一休何をやらかしたんだよ、J?……気持ちの伝え方をかなり間違ったって……どう間違うっていうんだろう。俺は不思議で仕方なかった。「俺も練習生候補一人一人まで気にかけてやれなかったからな…… 翔のパートナーが『潤のパートナーが翔に関して変な噂を言ったり、まともに練習出来ないように邪魔してた』と何度か訴えていた。どうにかしようとは思っていたが……結果的に翔は帰国してしまった……潤は、その後エリザベスを追い払ったらしい」「まぁこの世界じゃ足の引っ張り合いなんて日常茶飯事ですからね」「そうだな。だがもう少し気にかけてやるべきだった。翔が…… あんなに憔悴する前に」「セニョール」余程後悔しているんだろう。セニョールの顔はこれまで見たことがないほど、曇っている。あのJの運命の相手で、最高のパートナーになれるはずだったその彼を、どんな形であれ、Jは自分で壊してしまった。……偉大すぎるほどの痛手……ってわけだ。「……翔さんは今もこちらの世界には戻ってきていないんですよね?セニョールは彼の居場所をご存知で?」「知っているよ」セニョールは再び椅子に腰かけた。「彼の居場所はパートナーだったマリアと俺だけが知っている。潤にはどんなに請われても一切教えて来なかった。それが翔の願いだったからな……だが、少し状況が変わった」「状況?」「ニノ、潤と日本に行ってくれないか?」「は?私が、ですか?」「……ダメかな?」……まるで『ちょっとお使い行ってきて』とでも言いそうな声音のセニョール。いや、突然すぎるって……と、心の中で思いつつも、悲しいかな……一応俺は彼に雇われてる身なんだよねぇ……「……いや、命令なら従いますけど……何をするんです?Jはその彼の居場所知らないんですよね?」「……条件を飲めば、伝えるつもりだ」「条件?」俺が尋ねると、セニョールはまたしてもびっくりするようなことを言ってきた。「俺は今回の日本公演で、潤には自分で相手を見つけてくること、 その相手を説得して日本公演で踊れなければ、 退団しろと言った」「えーーーっ!?!?」En serio……耳を疑った。俺あんまり何でも驚かないほうだったのに、持っていた手帳を思わず落としてしまうほどには動揺した。ちょっと待ってよ……場合によったらJのこの3年間無駄になっちゃうじゃん……俺もだけど。「そんな賭けみたいなことをふっかけたんですか!? Jに」「落ち着け、ニノ。これはまだ答えが保留だよ」いやいや落ち着けないですよ、セニョール...。J がもし退団になったら俺のこの3年、マジでどうしてくれるんですか。俺が動揺して、口をパクパクさせるのを苦笑いして見ながら、セニョールは言う。「なぁニノ。潤はお前がついてからの3年、人間としてもダンサーとしてもかなり成長した。俺に認めてもらおうと必死だったんだ。何故か分かるかい?」「え?」「潤のモチベーションはただ一つ、自分が恋い焦かれる翔と踊ること。だが居場所は知らない……マリアとは犬猿の仲だし、そうなると俺しかいない。でも俺はただじゃ教えない」「その引換条件というわけですね... しかしまぁ、 Jがその条件を飲みますか?最悪今回じゃなくても……いずれメインは張れるのに」今ですら、評判は上々なんだ。ここまでの努力とそれで得た名声を捨てることになるかもしれない。それほどの覚悟が出来る相手は、自分を完全に拒絶する相手でもある。どんな課題より手強いよ?……本気なの、J?俺が黙っていると、セニョールが引出しからプリントアウトされた手紙を取り出す。「今回日本には協力者がいる。翔の家族だ」「……家族は父親だけではないんですか?」「叔母家族がいるんだ。そしてこれは翔の従兄弟である智からのメール」この智というのは、セニョールが日本で翔を見つけたとき、一緒に踊っていた相手だったらしい。見せてもらった智のメールには、『翔はダンサーとしてではなく、雑用係として今智が主宰するタンゴサークルに出入りするようになったこと。相変わらずダンスへの情熱は戻っていないが、智自身も彼の才能を惜しいと思っていて、どうにかまた踊る楽しさを思い出してもらいたい』といった主旨のことが書かれてあった。セニョールは時々この智とも連絡を取っていたらしいが、それは翔の様子を聞くため。翔とも連絡は今でも取り合ってるらしいけど、セニョールに、当たり障りのないメールしか送ってくれないみたい。恐らくそれは、セニョールの所にいるJを警戒してだろうね。はぁ……ホントにとことん嫌われてるなぁ!?それはそれで面白いけど、俺ですらJを気の毒に思えてきて、何だか泣けるよ……内心、Jに同情している俺をよそに、セニョールが説明する。「サークルの指導を頼まれているんだよ」「セニョールがですか?」「……まぁ、さすがにそれは無理だから代理を立てる予定なんだが……ニノ?」「はい?」「お前には潤の恋のキューヒッドになってもらう」「はいはい……恋のキューピッドですね、お安い御用………………………ってはぁっ!?!?」……俺はこのJの一世一代の賭けが、どんな結果になっても、絶対にこの3年間の頑張りに対する臨時ボーナスとくそ忙しくて溜まりにたまった有休を使って長期休暇を勝ち取ってやると心に決めた。To be continued……ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやっと出せた〜今更感漂うところですが、お楽しみいただければ嬉しいです❤️そして最後の【突然スペイン語講座】はこちら。En serio……→マジかよ……巻き込まれまくりの敏腕マネージャーニノなのでしたw