皆様お久しぶりです。
いかがお過ごしでしょうか?


来週のNetflixを見てから更新しようと思っていましたが
やや忙しくなりそうなので
先に更新させていただきます。
Netflixを見てまた修正するかもしれませんが
ご容赦ください。

 
また、いつもお願いしていることですが
これはあくまで個人の妄想です。
読んでからの批判や苦情などは
受け付けておりませんので
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。


















終わった、やり切ったという安堵感に包まれた温かい空間。



数人のスタッフも一緒に少しだけ飲んで、マスクしながらだけど談笑できる時間があって。





潤くんは、あっという間にスタッフに囲まれて、演出のことを褒めに褒められて、すっかり赤くなった目を心底嬉しそうに横に細めていた。




そんなに酔ってもいないだろうに、終わったことに対する満足感や達成感からなのか、テンションのリミッターが壊れてハイになりすぎてしまった翔さんと相葉さんは、ディスコスター様のバイバイを延々とやり続けてふざけにふざけまくってて。




そのあまりにも温かな光景を、ソファーに軽く沈み込んで笑いながら見ているあの人は、どこか寂しそうにも、どこか安心しているようにも見えた。


ほんの一瞬、泣きそうなのを我慢して笑っているように見えたのは、流石に自分の誇大妄想だと、心の中で苦笑した。





 

ほんのちょっとの時間なら、と5人だけで感傷に浸る時間を作ってもらえて、スタッフは片付けの方に回ってくれた。






「え、相葉ちゃん、明日からテレビ出るの?」
「そうそう、ダンディ坂野さんと出るから見てよー。」
「それやばいやつやん。」
「そうそう、めっちゃやばいやつー。」
「いやいや、何もやばくないでしょ。」



天然2人で馬鹿みたいに豪快に笑ってんのを潤くんがツッコんてて、それを微笑ましく見ているとおもむろに翔さんが隣に座った。



「ニノ、お疲れ様。」
「翔さんもお疲れ様。」
「終わったねー。」
「うん、そうだね。…楽しかったね。」
「めちゃめちゃ楽しかったね。」
「うん、ありがとう。」
「こちらこそ。」




2人で、まだ空間に居座り続けてくれている終わった余韻を、ゆっくり味わっていた、ら、


「そーいえばニノさ、」
「ん?」
「言葉遣い、そっくりじゃん。」 
「は?」


翔さんがやたら楽しそうに、面白おかしそうに話すもんだから、俺は一瞬呆気に取られてしまって。



誰にそっくりか、という点でお互い同一人物を描いていることは、流石に暗黙の了解で。
 



一応、周りにスタッフがいないかを確認してから、翔さんは小声で続きを話し始めた。



「乱雑な言葉遣いになる時。兄さんも「〜やん」とかちょっと関西弁っぽくなるけど、ニノも最後のVSの時だっけ?「俺の酒のことは言わんの?」って言ってよね。あれ聞いた時、相葉くん感動しながらも笑い堪えんの必死だったって。2人とも同じじゃん、って。」
「へ?」
「あ、智くんがニノとのこと話した訳じゃないからね。俺も相葉くんも、…松潤もなんとなく感覚で考えてるだけだから。だからもしかして違ってることもあるかもだけど、俺らが勝手に心配してるだけだから。」
「…ごめん。」
「俺ら的には、謝られることなんて何一つしてないよ?2人は。」


そうやって穏やかな口調で言ってくれた翔さんは、愛おしいものを見るような優しさでしか満たされていない視線で3人を見つめると同時に、俺さぁ、と切り出した。



「この5人でやれて良かったって本当に思ってるし、この先も、この5人で良かったって思うんだろうなって確信してるよ。」
「そんなん、俺だって思ってるし。」
「…うん、知ってるよ。」



あとね、という言葉を続けた後に、翔さんは内緒話のように声をひそめて、嬉しい言葉を届けてくれた。



「俺は、ニノと智くんが一緒にいてくれて、死ぬほど良かったとも思ってるよ。」
「……ごめん、」
「だからなんで謝るんだよ〜。」



そう言って軽やかに笑った翔さんが、終わりじゃないからね、とあったかい空気が漂ってる空間に更に優しい言葉を浮かばせて。




それを独り言のつもりで自分に言い聞かせたかったのか、はたまた俺に聞かせたかったのか、分からなかったけど、上を向いた翔さんがこれまた晴れやかな笑顔だったから、もう何も言うことはないなぁと思って、静かに頷いた。





「あの3人盛り上がってんねー。」
「あの3人ってか、2+1人だね、ありゃ。」
「ははっ…、た、確かに。」



いつものように大笑いした翔さんの視線の先には、MCの途中にやってた相撲の続きをする2人と、それを涙が出るくらい爆笑しながら仕切る潤くんがいて。





これも、もう最後だもんね。





「…また、こうやって笑えるかな。」



また5人で、こうやってすっげぇくだらないことで、馬鹿みたいに笑い合えるかな。


また5人で、あーだこーだ言いながら、笑ったり泣いたりしながら、同じ道を手を繋いで歩いていけるかな。





「…そのためにした選択でしょ。」


そうやって言ってくれた翔さんの瞳はなんの曇りも無くて、声色は一ミリも揺らぎが無くて。



ただ、ほんの少しだけ瞳に潤いが増したように見えただけど、それは敢えて指摘する必要はないと思った。






「翔さん、」
「ん?」
「多分年始明けくらいに、…また記事出る。ごめん。」
「らしいねー。でも、そんなにダメージ大きくないと思うよ。ニュース自体は悪いことじゃないじゃん。それに、その後多分ビックニュース出るから、それで上手いこと相殺されると思うよ。」
「…ビッグニュース?」
「あ、いい方のね。」
「……翔さん、何をどこまで知ってんの?」
「いや、俺はなーんも知らないよ。」




いやいやいや、そんなことないでしょ。


その口ぶりは、何も知らない人の口ぶりじゃないでしょ。




でも、それを根掘り葉掘り聞いたってなんの意味も成さない、か。



この人、こういう事情に関しては、鉄壁に口固いし。


こっちが敢えて頼まなくても、言ってほしくないことは雰囲気読み取って絶対に内緒にしてくれるもんな。





「翔さん、」
「ん?」
「ありがとう。」
「…どういたしまして。」



翔さんとそんな会話をしつつ、あの人がいつも以上に楽しそうに、いや、今まで見た中で1番かもってくらい気の抜けた顔で柔らかく微笑みをこぼしまくっているのを見ていたら、自然と目尻に涙がひょっこり現れた。




いつもはうっとおしいその存在さえ、愛おしくて哀しくて思えて仕方なくて。




そんな俺を、隣にいる翔さんは何も言わずに優しい笑みでずっと見守ってくれていたんだ。