「もっともっと」と期待すると、怒りが近寄ってくる
「もっともっと」は私たちのなくてはならない心です。
ところが、「もっともっと」の心はイライラの大好物なのです。
快楽と苦痛はコインの裏と表のようなもので一緒にやってくるのです。ここが人生のおもしろいところです。
「もっともっと」でみんながスーバーマンのように万能だったら、これはもう人生ではありません。「もっともっと」はなかなか叶えられないから人生は楽しいのです。ここに人生の醍醐味があるのです。
人生がうまくいかなかったとき、イライラはよろこんで近づいてきます。こいつらを退治するのがまた人生の楽しみともいえるのです。
人は一人では生きられないし、夢は一人では実現しません。
他人とぶつかったり、文句を言い合ったりして、ああでもない、こうでもないと、切磋琢磨するとき、人生が輝きます。他人との衝突がうまくいかないとき、イライラはうきうきしながら、あなたの心を支配します。
私の師である高僧は、私たちを厳しく叱ったあと、必ず手を合わせて合掌します。どうしてでしょう。
左の手は自分自身を意味します。右の手は相手や世間を意味します。
左手と右手を合わせるということは、自分と相手もしくは世間とともに歩もうという決心を意味します。上司が憎い、恋人が思う通りにならない、子どもが言うことを聞かない、そんなときは、ひと呼吸入れてから手を合わせてみましょう。
不思議なことに心が落ち着いてくるのです。
これが祈りのしくみであり、正体なのです。
うれしいことがあったときも、手を合わせてみましょう。感謝の気持ちで心が満たされます。どうぞ、今日から試してみてください。