釈尊が「さとり」をひらいて、間もない頃、ヒマラヤ地方のある森の小屋で、一人、静かに住んでいた時に、一人の悪魔が現れて、誘惑しました。


「釈尊よ。あなたは多くの人に教えを説いて、その人々に、心の幸せを与えようと考えていますが、それよりも、あなたは、自分で政治を行いなさい。


あなたは優れた神通力を備えて、何事も意のままにする事が出来るではありませんか。


だから、あの北にそびえる雪山の山々を黄金に変えて、それによって思うように、国を治めたらいかがでしょう。」



つづく