ある僧侶が、西に向かって数千の里を越えて行こうと決断します。


その向こうに理想郷あるのです。


所が、僧侶が一歩を踏み出しますと、その場がたちまちに、広々とした荒野となり、しかも目の前に忽然と、南に火の河と、北に水の河が現れます。


その中間に細い白い道が通っているのです。


その道は常に、波浪に覆われ、火炎に焼かれています。


とても通れる状態ではありません。


しかも荒野には僧侶の他に人影が見えません。


そこに多くの盗賊や猛獣が現れ、僧侶が一人だと見て、競って僧侶を殺しにくる。


という喩話です。




つづく