冷えたビールは

昔みんなの憧れだった

わずか50年前

好きな時に好きなだけ取り出せて

うんと冷えたのをぐっとやれたら

さぞかしそれは天国だろう

気づいたら

いつの間にやら現実で

朝っぱらから飲む人もあり

春夏秋冬どの家にも

冷えたビール

何本かがねむり

路上でさえ

なんとなくカチャリと手に入る

だがだが

ああ天国 もう甘露

しみじみうめく者はいず

さほど幸せにもなれなかった。




物が豊かであることのシンボルがこの「冷えたビール」という詩です。

小欲知足という精神が大切なんでしょう。



つづく