僧侶は、いよいよ不思議そうに、食事を出すことこともあります、と答えます。
そこで釈尊は、
「その友人が、今はお腹が空いていないといって、あなたの出した食事を食べなかったら、その食事は誰のものになるでしょうか」
と聞かれました。
「それを、食べてくれなかったら仕方がありません。その食事は私のものとなるよりほかはないでしょう」と答えました。
釈尊はにこやかに言いました。
「あなたは今、私の前に色々と悪口を並べられたけれども、私はそれを頂戴しません。だから、それは再びあなたのものとなるよりほかはありません。どうぞ、そのまま持って帰って下さい」と。
それを聞いた僧侶は、すっかり釈尊の態度に敬服し、お弟子になりました。