夏目漱石さんの紹介で修業に行くことになった表具師中村さん(後に横山大観の絵を表装した方)はそのお礼に夏目家を訪れたおり出てきたのが有名な鏡子夫人でした。


「京都に参りましたら、一生懸命修業して参ります。」という中村さんに鏡子夫人は『そりゃ、あんたの勝手よ』


普通なら「しっかりやりなさいね」とか「期待してますよ」とかいうところです。


しかし、良くなるのも悪くなるのも自分の責任だと思い、修業が辛いときにはこの言葉が励みになったそうです。



仏教には『愛語回天(思いやりのある言葉は天地を動かす)』という言葉があります。



「思いやり」とは時には「甘えるな」と横っ面を張り倒すような激しさを持つのかもしれません。