青い月の光を浴びながら、美しく賢い夫人に満足していた王が尋ねました。



「この世で一番愛しく思うものは誰かな?」




「王さま、この世で一番愛しいものは私自身でございます」



「では、王さま、あなたにとってこの世で一番愛しい人は誰ですか?」



「無論、私です」王は少し慌てたように答えました。




翌日、お釈迦さまのところへ行き、状況を訴えました。




「誰もがそれぞれ自分が愛しい。自分が愛しいゆえに、他人を害してはならない」