ある家に、ひとりの美しい女性が着飾って訪ねてきました。


「わたしは人に富を与える福の神です。」

主人は喜んで、その女性を家に上げて手厚くもてなしました。


すると、すぐ後から、粗末な身なりをした醜い女性が入ってきました。

誰ですかと尋ねると、貧乏神です。

主人は驚いてその女性を追い出そうとしました。


「先ほどの福の神は私の姉です。私たち姉妹はいつも離れたことはないので、追い出せば姉もいなくなります。」


と主人に告げ、彼女が去ると、美しい福の神の姿も消えさりました。


生があれば死があり幸いがあれば災いがあります。

善いことがあれば悪いことがあります。




ただいたずらに、災いをきらって幸いだけを求めますが、本当に道を求めるのであれば、 この2つをともに超えて、そのいずれにも執着しないことだと思います。