７月２３日（木）、視覚障害者グループの
メンバー宅訪問

　を会長と共にスタートした。

　目的

◆　普段あまり話すことのないメンバーについて、
　　どんな生活をしているかをより知るため。

◆　訪問の習慣があるベナンでは、
　　家を訪問をすると喜ばれるため、
　　メンバーとより信頼関係を深められる。

まぁ、１０人くらいを１～２週間くらいかけて
周れればいいかな、と思っていたら・・・
いつのまにか、３日間で２８人の家を訪問するという
強行スケジュールを組み立てられていた　(＞＜;)

た、倒れてしまう・・

訪問では、１人３０分くらいの簡単なインタビューをした。

主な内容は、

・　家族構成
・　職業と所得
・　会に入った目的
・　目が見えなくなった理由

の４つである。

しかし一筋縄ではいかないのが、ベナン。
インタビューでは次のような会話がなされたのであった↓

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※登場人物：　私、視覚障害者グループ会長（通訳）
　　　　　　　　　訪問を受けたメンバー

　ありえない年齢　（３８歳・男性・独身）

私　「あなたは何歳？」

メンバー　「３８歳。」

私　「お母さんは？」

メンバー　「１０年前に亡くなった。１１７歳だった。」

私　「・・本当？！１１７歳って、日本の最高齢者ぐらいだよ。」

会長　「本当だよ。ベナンには長生きできる伝統的な薬があるんだよ。
　　　　　僕も飲んでるから、いつも元気だろう？」

私　「（た、確かに・・）　ん？でも、ちょっと待って。
　　　てことは、お母さんは７９歳であなたを産んだことになるよ。
　　　ありえないでしょ。」

メンバー　「でも一番上のお兄さんは８０歳で、ずいぶん年が離れてるんだ。」

私　「兄弟で４２歳も年が離れてるの！？
　　　・・まぁ、それはいいとして、お母さんが７９歳で子供産むのはありえないよ。
　　　もう一回ちゃんと計算してよ。」

※会長とメンバーが真剣に計算を始める。

～５分後～

メンバー　「７９歳で合ってるよ。」

私　「・・・。（おばあちゃんと間違えてるんじゃないかな・・？）」

　何がなんだか・・　（４５歳・男性・独身）

私　「ここの家には誰と住んでるの？」

メンバー　「弟１人と妹１人」

すると、後ろにいたおじさんが

おじさん　「違うよ、彼兄弟いないよ。
　　　　　　彼はここで一人暮らしをしてるんだ。」

私　「え、そうなの？！（なんで嘘ついたんだ？？）
　　　・・じゃご飯は誰が作ってるの？」

メンバー　「妹」

私　「でも、兄弟はいないんでしょう？」

おじさん　「彼は外でご飯を買ってるよ」

私　「あ、そう・・。ところで、今何の仕事してるの？」

メンバー　「何もやってない」

おじさん　「違うよ、物乞いをやってるんだよ。
　　　　　　知り合いや親戚の家をまわってお金を頼んでるんだ」

私　「さっきから、あなた誰ですか？」

おじさん　「俺は彼のお兄さんだよ！」

私　「へぇ～。・・だから！兄弟はいないって言ったじゃん。」

会長　「彼はお兄さんじゃなくて、叔父さんらしいよ」

私　「・・・。（か、帰りたい・・）」

　アフリカの呪い　（３６歳・女性・既婚）

私　「あなたは何歳？」

メンバー　「２６歳」

私　「子供は？」

メンバー　「上の子が１１歳」

私　「・・てことは、１５歳で子供を産んだの！？」

メンバー　「・・。（しばしの沈黙）　私の年、２６歳じゃなくて３６歳でした。」

私　「（サバよんだ！？）　・・ところで、あなたの兄弟は３人とも亡くなったの？」

メンバー　「そう」

私　「原因は？」

メンバー　「グリグリです」

私　「！？グリグリって・・あの、呪いのこと？」

※グリグリ・・・ブードゥー教における呪いのこと。
　　　　　　　　日本でいう藁人形のようなもので、
　　　　　　　　牛の頭などをそろえて、ある儀式をすると
　　　　　　　　うらんでいる相手を殺したり、
　　　　　　　　病気にさせたり、記憶を無くしたりできる。
　　　　　　　　ちなみに、びっくりするほどみんな信じている。

会長　「アフリカにはグリグリがあるんだよ。
　　　　　医者に行っても、病気は絶対に見つからないんだ。
　　　　　でも具合は悪くなって、最終的に死ぬ。
　　　　　それで医者もグリグリだと診断するんだよ」

私　「ふ～ん・・。（それって、やぶ医者の言い訳なんじゃ・・）
　　　えーと、じゃ目が見えなくなった原因は？」

メンバー　「グリグリです」

私　「・・・。　（もういいよ、グリグリ・・）」

　６０歳の恋　（６０歳・男性・既婚）

私　「子供は何人いるの？」

メンバー　「実はそれが問題で・・亡くなってしまった子供が
　　　　　　何人かいて、今１人しか残っていない。
　　　　　　妻も死んでしまった」

私　「そう・・」

メンバー　「それで今、新しい妻を探してるんだ。
　　　　　　実は結婚したい女性がいて、
　　　　　　２年前からそこの家にお金を届け続けている。
　　　　　　相手も結婚を望んでいて、
　　　　　　結婚式用のお金６万フラン　（約１万５千円）　が貯まったら
　　　　　　ようやく結婚できるんだ！」

私　「そう、がんばって！ところであなた何歳だっけ？」

メンバー　「６０歳」

私　「へぇ～。　（・・これから子供作るつもりなのかな？？）
　　　ちなみに、相手の女性は何歳？」

メンバー　「１８歳」

私　「えぇ！？　（孫じゃん・・）」

・・と、まぁ初日からこんな感じでぐったり疲れてしまった。

日本ではつっこみキャラじゃない私も、
ついつい心の中でつっこんでしまう。

とにかく、先が思いやられるのであった

つっこみどころ満載の会話