はしごを外せ | アメリカの大学院で勉強する、舞のもぐもぐブログ

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旧『ベナンで活動する舞のもぐもぐブログ』 

2008年6月~2010年6月の2年間、青年海外協力隊として西アフリカのベナンという国で活動しました。

2012年8月から2014年5月まで、アメリカのブランダイス大学院(Brandeis University)で国際開発学を勉強しました。

前期の授業もそろそろ終わりに近づく中、
「前期全ての授業の読み物の中で、一番よかった!キラキラ 
と何名かの生徒に絶賛された、
とっても好評なリーディング (授業の前に読む読み物) があった。

それは、経済学の授業で使われた
『Kicking Away the Ladder (はしごを外せ)』 
『Putting Development First』
という本の中の第6章(約20ページ)。 

※残念ながら、ダウンロードできるサイトは見つからず
 私が参考にしたサイト(英語)はこちら http://www.paecon.net/PAEtexts/Chang1.htm


今の先進国の途上国に対するやり方を痛烈に批判する内容で、

先進国が 『よい政策』 として、
途上国に今勧めているものは本当に途上国にとっていいのか?


という疑問を投げかけている。

内容の1部をかいつまむと・・・

先進国は自分達がやってきた、という理由で
クローバー 自由市場 (フリーマーケット:政府や権力で取引を行わない)
クローバー 自由貿易 (フリートレード:輸出入に制限や保護を加えない)
といった政策を途上国に勧めている。
けれど実際、今の裕福な国のほとんどは関税をかけたり、
補助金を出して自分の国の産業を守ってきたという事実
があり、
そのことはほとんど知られていない。

特に、経済面でトップに立つイギリスアメリカは、
過去に関税と補助金を積極的に使っていたことがある 目

先進国は自分達の利益を短期的に優先してしまっているけれど、
状況を変えるには、歴史の真実がもっと広められないといけないし、
途上国がもっと関税や補助金を使えるようにして、
より自分の国にあった政策を選べるようにしないといけない。

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題名の 「はしごを外す」 というのがすごくしっくりきて、
先進国が自分達が登ってきたはしごを、
後から途上国が登ろうとしてるのに、蹴り飛ばしてる、という意味なのだ。

自由市場・自由貿易がいかにもいい、みたいな風潮は確かにある気がする。
だからこそ、「へ~、知らなかった!叫び」 って驚きだったし、
こういう新しい視点を持つと世界がまた違ったように見えてくる。
この本はもっともっと世間に広まってもいい気がする 得意げ


同じ作者でほぼ同じ題名のレポート・本を見つけたので、
もっと詳しく知りたい人は、これらダウンを読むといいかもひらめき電球

ダウンロード: Kicking Away the Ladder: The "Real" History of Free Trade
『はしごを外せ―蹴落とされる発展途上国 』
英語版
『Kicking Away the Ladder: Development Strategy in Historical Perspective』

※経済学の授業で特にオススメされた本。こっちも評判が高いのでオススメ^^

『グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来を決める三つの道』
英語版
『The Globalization Paradox: Democracy and the Future of the World Economy』