
『経済学』 の授業で、このテーマを勉強する機会があった。
ベナンにいた時からずっと考えていた、
すっごく興味のあるテーマ

授業で紹介された面白い本・記事をいくつか紹介。
1.瓦礫ひとつずつ貯蓄 Saving Brick by Brick (Poor Economics の第8章)
※英語の原文はコチラ 『Poor Economics』 p.348-
この本の第8章によると・・ (間違ってたらゴメンね

貯金の一番の敵は、ただお金が無かったり、
銀行の口座を作れないことではなく、
お酒、茶、スナック、タバコなどのちょっとしたもの
についお金を使っちゃうこと、らしい。
つまり 自己管理 & 誘惑。
長期的にお金を貯めた方がいい、
そういうものにお金を使わない方が得だ、ということは
分かってる、分かっちゃいるけどやめられない、みたいな。
さらにお金持ちよりも貧しい人達にとって貯金が難しいのは・・


ちょっとしたもので自分の欲求を満たしたくなる。

毎度毎度自分の誘惑に勝たなくてはいけないから大変。

その結果衝動的な行動につながりやすくなる。
そこで必要なのは 「希望を持てること」 と 「保証があること」。
これだけでずいぶん結果が変わってくるそうだ。
例えば、子供への教育援助、安定した仕事の提供、
病気や災害に対する保険など。
私たち日本人は、そういうのが最初から当たり前にある環境にある。
だから途上国の貧しい人達が貯金するのがどんなに大変か、
想像もつかないかもしれない。
でも、誰だって絶対にできなさそうな目標にやる気が出るはずもなく、
「大丈夫、できる!」 と思ってもらえるような手助けが必要なのかも

2.経済的インセンティブが裏目に出るとき When Economic Incentives Backfire
※英語のみ: オンライン /PDF (1ページのみ)
謝礼金をあげるようにしたら献血する人が減ってしまった

それは、献血する人の、人のために役に立ちたい、という気持ちをくじいてしまったから。
報酬とモチベーションが一致するとは限らず、
道徳心を削いでしまうような報酬は、うまくいかないらしい。
罰金も同じで、罰金があることで
人に迷惑をかけてはいけない、という罪悪感が薄まり、
かえって逆効果になることも。。
だけど、道徳心を保たせつつ罰金でうまくいった例がある。
それは、お店でのビニール袋の有料化

単に罰金や報酬だけじゃ人は動かないこともあるってこと。
貯金の仕組みを作るとき、気に留めておいた方がいいかも

3.貧困削減のためのより良い選択 Better Choices to Reduce Poverty
※英語のみ: ダウンロードはコチラ
人が取る選択には、「~をする」 という積極的な選択と、
「~をしない」 というネガティブで消極的な選択がある。
身近でこのネガティブな心理を利用したのが、
一度申し込むと自動的に毎月お金が引き落とされる
貯金システム だったり ジムの会員

これを応用して・・
例えば銀行が箱を用意してそこに貯金させ、
カギは

時間と手間がかかるので 「お金をおろさない」 という選択をしやすくなるし、
タバコ

できるだけ少ない努力で貯金できる仕組みがあったらいいのかも

・・・・・・
私がベナンで、視覚障害者グループへの
マイクロクレジット (小額融資) を行ったとき、
メンバーの貯金を増やせなかったことがある。
(*参照記事 『長い道のり』 )
その時思ったことは、
彼らは学校に行ってないから、長期的な計画が全然立てられないし、
「消費」 と 「投資」 の違いも分かってない。
だからもっと、教育や周りの管理が必要なんだ!
だったけど、今考えると
ちょっと浅い考えだったなぁと思わせられる授業でした (-_- )